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「信号機連立」の3党が合意、連立協定書を発表(ドイツ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2021年11月26日 15時20分

ドイツ連邦議会選挙(総選挙)(2021年9月28日記事参照)の後、第1党となった中道左派の社会民主党(SPD)、環境政党の緑の党(Grünen)、中道リベラルの自由民主党(FDP)の「信号機連立」(注1)と呼ばれる3党は、約2カ月にわたる連立協議(2021年10月15日記事参照)の末、連立協定書に合意した。3党は11月24日に共同記者会見を行い、「さらなる進化に挑戦する 自由・正義・持続可能性のための連立」と題する連立協定書を発表した。アンゲラ・メルケル首相が率いる中道右派のキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)は野党に転落。次期首相にはSPDのオラフ・ショルツ財務相が選出される見通しだ。

連立協定書における気候保護、モビリティー(移動手段)、人権分野に関する主なポイントは以下のとおり。

〇気候保護

石炭・褐炭火力発電所の段階的廃止を「理想的には」2038年から2030年へ前倒しする。
再生可能エネルギー移行までの過渡期において天然ガスは欠かせないため、ガス火力発電所を建設するが、水素など気候中立的なガス利用に対応可能な発電設備とする。
2030年に電力供給の80%を再生可能エネルギーとする。
再生可能エネルギー賦課金(EEG賦課金)(2020年10月27日記事参照)を2023年から廃止。
水素の製造については2030年に約10ギガワット(GW)の電解容量を実現。

〇モビリティー

欧州委員会の新車のゼロエミッション化提案(2021年7月16日記事参照)に対応、合成燃料(e-fuel)車を除き、2035年までに内燃機関搭載車の新規登録を禁止する。
高速道路の速度制限(緑の党は時速130キロを提唱していた)は行わない。

〇人権

連邦政府の人権および人道支援担当セクションの機能強化(人員増員など)。
デューディリジェンス法(2021年6月30日記事参照)に沿い、「ビジネスと人権に関する国家行動計画」(National Action Plan:NAP)(注2)を改定する。

連立協定書には、閣僚ポストの各党配分も明示されている。SPDは7ポスト(首相、内務・地域相、労働・社会相、国防相、保健相、建設相、経済協力・開発相)、緑の党は5ポスト(外務相、経済・気候保護相、家族・高齢者・女性・青少年相、環境・自然保護・原子力安全・消費者保護相、食料・農業相)、FDPは4ポスト(財務相、司法相、交通・デジタル相、教育・研究相)となる。なお、現在の経済・エネルギー省は経済・気候保護省に改組する。また、現在の内務・建設・地域省から建設分野を分離して建設省を新設する。

今後、各党内部での連立協定書の承認手続きを経て、12月第2週には、連邦議会で新首相が選出され、新政権が発足する見込みだ。

(注1)ドイツでは、各政党がイメージカラーを定めている。SPDが赤、CDU/CSUは黒、緑の党は緑、FDPは黄。「信号機」はSPD(赤)、緑の党(緑)、FDP(黄)の組み合わせを表す。

(注2)2011年の国連人権理事会で支持された「ビジネスと人権に関する指導原則」では、国連加盟各国にビジネスと人権に関する行動計画を策定することを求めていたため、連邦政府も国家行動計画を策定している。

(中村容子)

(ドイツ)

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