アルゼンチン大統領選は決選投票へ、与党候補が予想外の首位に(アルゼンチン)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2023年10月24日 14時50分
アルゼンチンで10月22日、大統領選挙の本選挙が行われた。本選挙の結果は、与党連合「祖国のための同盟(UP)」のセルヒオ・マッサ候補が首位(得票率36.68%)、「自由前進(LLA)」のハビエル・ミレイ候補が次点(29.98%)だった(添付資料表参照)。大統領選挙の本選挙では、1位の候補が、(1)得票率45%以上、(2)得票率40%以上かつ次点の候補と10ポイント以上の差がある、のいずれかに該当すればそのまま当選となるが、今回の結果はいずれにも該当しなかったため、11月19日に両候補による決選投票が行われることが決まった。
事前に行われた複数の世論調査では、ミレイ候補が首位、マッサ候補が次点、野党連合「変革のために共に(JxC)」のパトリシア・ブルリッチ候補が3番手という結果が多かった。従って、ミレイ候補とマッサ候補により決選投票が行われることは予想の範囲内だったが、マッサ候補がミレイ候補に7ポイント近くの差を付けて首位に立つことは、有権者、有識者ともに予想していなかった。
与党連合UPのマッサ候補は、予備選挙から得票率を9ポイント以上伸ばした。ミレイ候補の得票率は横ばいで、JxCのブルリッチ候補は予備選挙から得票率を4ポイント以上減らした。このことは、ブルリッチ候補が、予備選挙でJxCの大統領候補の座を争った現ブエノスアイレス市長のオラシオ・ロドリゲス・ラレッタ氏の支持者の票を取り込めなかったことを意味する。
与党連合系の政治アナリストに聞いたところ、今回の結果は、世論調査や政治アナリストにとっても、最も楽観的なペロン主義の指導者たちにとっても予想外だったという。また、マッサ候補は決選投票に向けて有利な立場になったが、その背景には不透明感があるようだ。足元の経済の状態が極めて悪い中でマッサ候補が最多得票を得たことについては、大規模な減税などの政策だけでなく、ミレイ候補の過激な発言、彼のチームと党の体制の脆弱(ぜいじゃく)さが、有権者の間に先行き不透明感という恐怖を生んだ結果と分析されている。
(西澤裕介)
(アルゼンチン)
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