オンラインを活用した成功事例を紹介、第3回日ロ産官学連携実務者会議(ロシア、日本)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2021年2月12日 0時10分

「新型コロナ禍」においても、日ロ間の産官学連携交流は衰えをみせていない。日露経済協力・人的交流に資する人材育成プラットフォーム(HaRP)が主催する第3回日ロ産官学連携実務者会議が1月27日にオンライン形式で開催された。日ロ双方の大学からインターンシップやイベント開催、実習をオンライン化したことで、これまで以上の成果を生み出すことができたといった事例報告が行われた。

HaRPは、日ロの大学間交流の情報・経験の集約・活用と日ロ「8項目の協力プラン」に寄与する人材育成を目的としたプラットフォームで、北海道大学と新潟大学が幹事校になっている。日ロ産官学連携実務者会議はHaRPの趣旨に沿った産官学連携の強化、日ロ交流の発展・促進を目的としたもので、前回は2020年1月31日に開催されている(2020年2月13日記事参照)。

文部科学省による「大学の世界展開力強化事業」に採択され、日ロ交流に取り組んでいる7大学(2020年2月13日記事参照)は「新型コロナ禍」にあっても効果的なプログラムを実施している。東京外国語大学は、ロシアの商社リャティコに日本人学生を派遣するインターンシップをオンラインに切り替え、日ロ双方向でどのような製品に輸出可能性があるかについて学生が同社に提案を行ったと報告。日本映像翻訳アカデミー(JVTA)とのプログラムでは、日本のアニメにロシア語字幕を付して上映するオンライン映画イベント「J-Anime Meeting」を2020年11月に開催。日ロ両国の学生インターン総勢79人が参加し、字幕翻訳だけでなく、PR活動や上映会運営も学生が主体的に取り組んだと述べた。

長崎大学は、福島県立医科大学、サンクトペテルブルクの北西医科大学と災害・被ばく医療科学分野のリーダー育成事業において、福島県川内村にサテライトオフィスを設け共同実習を実施。海外との人の往来ができないため、実習をオンライン化したところ、3校だけでなく国際原子力機関(IAEA)や世界保健機関(WHO)といった国際機関や諸外国の大学から総勢120人の専門家や有識者の参加があったと成果を強調した。

新たな案件として、ロシアの高等経済学院(HSE)とユニクロ・ロシアによる共同プロジェクトの発表が行われた。ユニクロ・ロシアがHSEの学生に対してプロダクトマーケティングに関する講義を行い、学生が消費者、実務家目線でユニクロに提言を行う内容で、同社の安達史紀CEO(最高経営責任者)は「提言の一部を今後の事業戦略に反映するよう検討を進めている」と述べた。このほか、HSE卒業生が幹部候補生としてユニクロの店舗運営の最前線で活躍していると報告した。

写真 高等経済学院(HSE)による発表の様子(北海道大学提供)

高等経済学院(HSE)による発表の様子(北海道大学提供)

このほか、近畿大学は、大学院ものづくり専攻では学位取得が可能となるものづくり企業でのインターンシップ・研究活動プログラムを実施していると説明。修士課程と博士課程のロシア人学生2人が、東大阪市の企業で2年間にわたる長期インターンシップに取り組んでいると述べた。

(齋藤寛)

(ロシア、日本)

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