ボラ・ティヌブ・ナイジェリア大統領がフランス訪問、フランスの投資促進確認(ナイジェリア、フランス)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月5日 0時25分
ナイジェリアのボラ・ティヌブ大統領は11月28日から29日にかけてフランスを公式訪問し、首都パリでエマニュエル・マクロン大統領と会談を行った。フランス政府は経済関係強化のほか、食料安全保障や重要鉱物資源の発掘と利活用の推進、防衛・安全保障分野の戦略的パートナーシップの3分野を軸に、多岐にわたる分野で協力関係を表明した。ナイジェリア大統領によるフランス訪問は2000年以来となる。
経済分野では、防衛、医療、文化芸術分野での民間投資促進を表明した。重要鉱物資源とエネルギー分野では、両国政府が包括的戦略文書を締結し、脱炭素化の新技術の導入促進を目的に、フランス企業による投資アクションプランを策定したと発表した。ほかにも、ナイジェリア北部カツィナ(Katsina)州での小型水力発電設備のデモ機建設など、具体的なプロジェクトも進行予定だという。今回の公式訪問に合わせ、ナイジェリアの金融大手「ユナイテッド・バンク・オブ・アフリカ(United Bank of Africa)」がアントワーヌ・アルマン経済・財務・産業相と協力協定を締結し、同行のフランスでの金融サービス提供に対するフランス政府のサポートを確認した。11月29日付「デーリー・ポスト」紙の報道によると、ナイジェリアの「ゼニス・バンク(Zenith Bank)」が11月27日にパリ支店の開所式を実施した。さらに、コートジボワールやカメルーンへの現地法人設立も予定しており、パリ拠点を足がかりにフランス語圏西アフリカ諸国への海外展開を進めたい考えだ。
文化芸術分野では、マクロン大統領はフランス政府主催の「アフリカ・クリエーション・フォーラム(Forum Création Africa)」を2025年後半にラゴスで開催することを発表した。初回は2023年10月にパリで開催され、2025年の開催が2回目となる。フランス政府は2015年から文化芸術分野を国の輸出重点項目に指定しており、同イベントはフランスとアフリカ諸国との人的交流を促進することを目的としている。
このほか、フランス政府はフランス開発庁(AFD)を通じて、2025年からの3億3,000万ユーロの追加支援を発表し、食料安全保障の確保や都市交通の改善、農業分野の産業人材育成、気候変動対策への支援を行うことを掲げた。マクロン大統領は、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の一員として安全保障面でのティヌブ大統領のリーダーシップを高く評価し、フランスはティヌブ政権の政策を支援するとも述べた。
(柴田北斗)
(ナイジェリア、フランス)
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