ブラジルへの日本茶輸出のこつ、同国初認定のアドバイザーに聞く(ブラジル、日本)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月7日 0時50分
ブラジルの在サンパウロ日本総領事館とジェトロは11月4日、ブラジルで初めて日本茶アドバイザーの資格を取得したブラジル人のパウラ・バチスタ氏に、日本茶輸出と現地での普及のポイントを聞いた。このインタビューは総領事公邸で行われた。バチスタ氏は2021年~2023年、岡山に留学し、日本茶企業の輸出戦略などをテーマに研究を行った。その後はブラジル国内で日本茶の試飲イベントや講演会などを通じて、日本茶の普及に努めている。9月にはこうした功績が認められ、世界緑茶協会(会長:鈴木康友・静岡県知事)の「2024年O-CHAパイオニア賞」を受賞した。NPO法人日本茶インストラクター協会は同氏をブラジル初の日本茶アドバイザーに認定している。
バチスタ氏によると、「ブラジルには、日本企業が栽培する日本茶が存在し、ブラジル産の日本茶と競合する。日本産の日本茶を普及するためには消費者の教育が重要で、日本の生産者がブラジルに日本茶を輸出する際には、ブラジル産の日本茶との違いを説明できることが望ましい」という。
また、同氏はブラジルと日本の水の違いに触れ、「最高級品種の日本茶をブラジルに持ってきても、ブラジルの水では、日本と同じレベルのお茶の味を楽しめない。価格差も含めて考えると、少しレベルを落とした商品を輸出するのも一案」と話した。ちなみに、ブラジルの水の中でも、「Platina」ブランドは比較的軽く、日本茶を入れるには適しているという。
日本茶の注ぎ方については、ブラジルではまだあまり知られていないことから、茶葉そのものではなく、ティーバッグや粉末など簡単に日本茶を楽しめるような商品も有効とのことだ。また、世界的には抹茶が人気だが、ブラジルではほうじ茶も有望だという。ほうじ茶の焙煎(ばいせん)された風味には、ブラジル人にとってコーヒーと似た感覚があり、人気があるようだ。実際にブラジルではほうじ茶を飲み物としてだけでなく、菓子やアイスクリームなどにも混ぜて楽しむ消費者も多いという。
日本食人気が高いブラジルで、日本茶の輸出への期待も高まっている中、市場の特性を踏まえた取り組みが求められる。
(井上徹哉)
(ブラジル、日本)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ユネスコ無形文化遺産登録予定で世界が注目する焼酎にフォーカス!『第9回“日本の食品”輸出EXPO』に出展
PR TIMES / 2024年11月22日 12時43分
-
米ロサンゼルスでジャパニーズ・フード・エキスポ開催、日本の自治体が食品などをPR(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月19日 0時5分
-
伊勢茶 mirume、味の多様性を楽しむ「5種のほうじ茶」を11月15日より店舗・ECサイトにて販売開始
@Press / 2024年11月13日 13時15分
-
今度は千葉県船橋市に赤福がやってくる!今回限定「千葉県産さつまいものコルネ」も要チェック
TABIZINE / 2024年10月29日 10時0分
-
「1杯200円~5万円まで」広がるコーヒーの世界 アジア最大のコーヒー見本市で見た驚きの商品
東洋経済オンライン / 2024年10月28日 9時40分
ランキング
-
1紛争地の人道支援で死者281人 過去最悪、ガザ被害中心
共同通信 / 2024年11月23日 7時40分
-
2ハンガリー首相、ネタニヤフ氏を招待 ICC逮捕状を無視
AFPBB News / 2024年11月23日 13時54分
-
3中国、持論を曲げ対日ビザ免除再開 景気低迷やトランプ氏再登板が影響か 日本側は驚き
産経ニュース / 2024年11月22日 19時44分
-
4「イスラエル首相に逮捕状」で分かれる各国の反応 米国は反発も、トランプ氏の対応に注目
産経ニュース / 2024年11月22日 20時59分
-
5「若者14人が墜落死」金正恩”絶対命令”の現場写真
デイリーNKジャパン / 2024年11月23日 5時19分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください