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大統領選で左派ディサーナーヤカ氏が勝利、政治刷新を求める声強く(スリランカ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月24日 15時30分

スリランカで9月21日、大統領選挙が実施された。同国選挙委員会は22日、野党・国民の力(NPP)/人民解放戦線(JVP)党首のアヌラ・クマーラ・ディサーナーヤカ氏が、1回目の集計で563万4,915票(42.3%)、2回目の集計で10万5,264票を得票し、勝利したと発表した(注1)。野党・統一人民戦線(SJB)党首のサジット・プレマダーサ氏が1回目の集計で436万3,035票(32.8%)、2回目の集計で16万7,867票を得票し、2位となった。現職の大統領であり、無所属で立候補した連立与党・統一国民党(UNP)党首のラニル・ウィクラマシンハ氏の得票数は229万9,767票(17.3%)にとどまり、3位だった。

ディサーナーヤカ氏は、1988年から左派政党JVPで政治活動を展開してきた。2000年に国会議員となり、2004年にはスリランカ自由党(SLFP)との連立政権で農業・畜産・土地・灌漑相を務めた。2019年には、政党、青年団体、女性団体、労働組合、市民社会組織など21のグループで構成されるNPPを結成した。

同氏は、汚職の根絶や公正な富の配分などを訴え(2024年9月5日記事参照2024年9月6日記事参照)、政治刷新に期待を寄せる国民の支持を集めた。ウィクラマシンハ氏は、2022年7月の大統領就任後、深刻な外貨不足を解消し、短期間でマクロ経済を回復させた(2024年6月19日記事参照)が、付加価値税や所得税を大きく引き上げたことで市民生活には苦しい状況が続き、景気回復の実感が乏しかった。

ディサーナーヤカ氏は9月23日、新大統領に就任した。しかし、NPPは国会で定数225のうち3議席しか確保しておらず、政権基盤強化に向けて早期に国会を解散する方針だ。スリランカの研究機関IHP(Institute for Health Policy)は9月17日に「国会議員選挙に関する投票意向推計調査結果」を発表(注2)、SJBが29%でトップ、次いでNPP/JVPが28%、スリランカ人民党(SLPP)が19%、UNPが9%だった。

(注1)スリランカの大統領選挙では、有権者は選好順位をつけて最大3人の候補者に投票できる。1回目の集計で「第1選好」の過半数を獲得した候補者がいなかった場合、2回目の集計では、「第1選好」で3位以下の下位候補者の得票の中から、「第2選好」または「第3選好」で1位または2位の上位候補者を選択した票が上位候補者に加算され、1回目の集計と2回目の集計の合計得票数が最も多い候補者が当選する。

(注2)2024年8月に18歳以上の成人1,153人を対象に調査した。

(大井裕貴)

(スリランカ)

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