移民局、宿泊施設や賃貸物件利用する外国人情報の提出を義務化（ペルー）

ペルー移民局は移民管理を強化するため、宿泊施設を外国人に利用させる場合や、不動産を外国人に賃貸する場合、宿泊事業者や家主は外国人に身分証明書の提示を求めるとともに、その外国人情報を移民局に提出することを義務付けると発表した。早ければ12月4日から運用を開始し、情報提出を怠ったり書類に不備があったりする場合は罰金を科す可能性がある。今回の措置は大統領令011-2024-IN（2024年10月22日付）に基づき、移民局が10月23日付プレスリリースで明らかにした。同大統領令は「国家の安全と秩序の維持、基本的権利の保護のため、外国人の身分情報管理と処罰の際などの移民管理を強化するため」と記載している。

移民管理を強化する背景には、政治経済情勢の悪化が続くベネズエラなどからペルーへの不法移民が増加し、暴力や殺人を伴う集団強盗犯罪が増えていることに国民の不満が高まっていることがある。

移民局に提出が義務付けられる情報については、事業者は宿泊施設を外国人に利用させる場合、宿泊事業者は利用者の国籍、生年月日、性別、氏名、入国日、出国予定日、パスポートもしくは外国人登録証の書類番号を提出する。不動産を外国人に賃貸する場合は、家主が契約者となる外国人に加え、不動産を利用する外国人、集団で利用する場合にはその構成員となる外国人の情報も提出する。移民局はその情報を基に、査察や入国者の調査を行うことができる。

移民局への情報提出には、移民局が用意するインターネット上のプラットフォームを使用する。情報提出の負担軽減のため、使用料は無料とする。提出用に登録した情報に不備があった場合や提出を怠った場合などには、事業者や家主は最大で2UIT（約41万2,000円、注）の罰金が科せられる。

（注）課税単位。10月は1UIT＝5,150ソル（約21万1,150円、1ソル＝約41円）。

（石田達也）

（ペルー）