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欧州委、米イーライリリーと新型コロナ治療薬の共同調達契約を締結(EU)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2021年9月27日 11時0分

欧州委員会は9月21日、新型コロナウイルス感染症の治療を目的としたモノクローナル抗体薬の供給に向け、米国の製薬大手イーライリリーと共同調達枠組み契約を締結したと発表した。今回の共同調達契約は、酸素吸入を必要としないものの重症化の危険が高い患者を対象にした、モノクローナル抗体の併用療法に用いられるバムラニビマブとエテセビマブに関するもの。EUの18加盟国が参加しており、必要に応じて、同治療薬を最大22万回分購入することができる。ただし、バムラニビマブとエテセビマブの併用療法は、EUの医薬品規制当局である欧州医薬品庁(EMA)による早期承認に向けた逐次審査(ローリング・レビュー)の段階であることから、加盟国による購入は、EMAによるEUレベルでの条件付き販売承認あるいは、加盟国による緊急使用承認が必要となる。

10月の承認を念頭に、治療薬の早期確保に向けた共同調達を加速

EUでは、域内におけるワクチン接種の割合が既に成人人口の7割を超えるなど(2021年9月3日記事参照)、ワクチンを新型コロナウイルス感染症対策の要として重視するが、治療薬に関しても、その開発と共同調達に向けた戦略(治療薬戦略)(2021年5月10日記事参照)を既に発表しており、これまで以上に注力する姿勢をみせている。現在、EMAが新型コロナウイルス感染症の治療薬として承認しているのはレムデシビルのみで、治療薬戦略では、10月までに新たに3件、可能であれば2021年末までにさらに2件の治療薬の承認を目指すとしていた。欧州委は6月には、10月までに承認の可能性がある治療薬の候補として、以下を発表している。

○販売承認済みで新型コロナウイルス感染症への承認拡大を目指す治療薬

イーライリリーの免疫抑制剤バリシチニブ

○逐次審査中の新たに開発されたモノクローナル抗体薬

イーライリリーのバムラニビマブ/エテセビマブの併用療法
スイス製薬大手ロッシュのカシリビマブ/イムデビマブの併用療法
韓国製薬大手セルトリオンのレグダンビマブ
英国製薬大手グラクソ・スミスクラインのソトロビマブ

いずれの治療薬についても、EMAは承認時期を明らかにしていないが、欧州委は治療薬の早期確保に向けた共同調達契約を加速させている。今回のイーライリリーとの共同調達契約に加えて、欧州委は既に、2021年3月にロッシュと、7月にはグラクソ・スミスクラインとそれぞれ共同調達契約を締結しており、今後も新たな共同調達契約の締結に向けた交渉を続けるものとみられる。

(吉沼啓介)

(EU)

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