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大切な人の健康寿命までも縮める喫煙の恐怖

JIJICO / 2014年10月13日 10時0分

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大切な人の健康寿命までも縮める喫煙の恐怖

健康寿命を縮める最大のNG習慣は、やはり「喫煙」

10月1日の厚生労働省の発表によると、介護を受けずに日常生活を支障なく送れる期間を示す「健康寿命」は、2013年は男性71.19歳、女性74.21歳でした。10年に比べ、それぞれ0.77歳、0.59歳、伸びました。

しかし、言うまでもなく、この数字は平均値であり、健康寿命が長い人もいれば、短い人もいます。健康寿命を縮めるNG習慣は様々ですが、その中でも最も関連する範囲が広く、また、膨大な健康被害を起こす最大のものは、やはり「喫煙」でしょう。

「ニコチン依存症」は全身に計りしれない被害をもたらす

2012年の統計で、日本では約2200万人、世界では約12億5千万人のの喫煙者がいるといわれています。喫煙は「ニコチン依存症」という病気であり、保険治療が認められています。

この「ニコチン依存症」、脳卒中、狭心症、心筋梗塞などの循環器疾患、また、肺、口腔、舌、喉頭、食道、胃などのがんになったり、COPDといわれる肺の病気、歯周病や胃潰瘍などの消化器疾患、さらには小児科領域、産婦人科領域、皮膚科領域、眼科領域、麻酔科領域、泌尿器科領域、精神科領域の疾患など、全身に計りしれない被害をもたらします。

また、生活習慣病のリスクファクターとして、高血圧症、脂質異常症、糖尿病などがありますが、循環器疾患やがん等の全死亡に占める原因として、最も高いのが喫煙なのです。

たばこを吸わない人も、たばこの健康被害で苦しむことに

これらは、たばこを吸った人自身がニコチンなどの有害物質によって引き起こされる健康被害で、一次喫煙による被害といいます。しかし、吸った人本人だけに影響がとどまらないのが喫煙の怖いところです。一般的に「受動喫煙」といわれている被害もあります(別の言い方で二次喫煙)。例えば、お母さんがたばこを吸っていると、同じ部屋の子どもたちも知らず知らずのうちにたばこを吸っていることになります。おなかの赤ちゃんも同じことが当てはまります。子どもの気管支喘息や花粉症、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患の増加の原因ともいわれているのです。

さらに、最近では「三次喫煙」といわれる被害があることも徐々にわかってきました。たばこの煙が消えて長い時間経った後でも衣服や髪の毛、体、また、部屋の中では壁や天井、カーテン、エアコンのフィルターなどに、たばこの有害物質が長時間付着することによって、複雑な化学反応を起こし、より有害な物質に変貌と遂げるのです。

その結果、日本では喫煙に関連する病気で毎年約13万人が亡くなっているといわれており、WHOによると、世界全体では実に540万人に上り、今後もますますこの数は増えると推測されているのです。もちろん、これらの病気で苦しんでいる人はこの何倍にもなります。

このように、「たばこを吸うのは自分の勝手」では済まされない側面が多々あります。また、「自分は吸っていないから大丈夫」と思わず、家族や職場などの周りの人がたばこを吸っていたら、間接的に影響があるということを知ってもらうことも大切だと思います。

(久保 清景/医学博士)

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