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いじめ20万件時代を生き抜く子どもの心理

JIJICO / 2014年11月4日 12時0分

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いじめ20万件時代を生き抜く子どもの心理

インターネットによるいじめの割合は過去最多を記録

2013年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」が、10月16日に文科省から発表されました。これによると、全国の国公私立の小中高校、特別支援学校で認知されたいじめ件数は18万5860件となっています。

いじめの態様は「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」が小学校、中学校、高校の合計で64.4%、次に大きな割合を占めるのが「仲間はずれ、集団により無視される」で20.2%です。最近注目を集めているインターネットによるいじめは、小学校1.4%、中学校8.8%、高校が19.7%となっています。

ネットによるいじめの割合は過去最多となっており、今後も増えていくことが予測されます。また、大きな割合を占める二つの態様を合計すると84.6%ですが、このようないじめは学校に限らず、集団であればどこにでも見られます。

「いじめ」は精神を病んでいる一つの形

文部科学省のサイトに「いじめ対策Q&A」という資料があります。この中で、「いじめはなぜ起こるのか」との問いに対し「不満やストレスのはけ口として起こりがちです」との回答が見つけられます。しかし、私は「いじめをする側」が幸せではない環境にあり、自己肯定感が低いからだと考えています。いじめも、精神を病んでいる一つの形ということです。

また、私もトラウマ治療を行う中、「いじめられた体験」を「過去のものにしたい記憶」として挙げる人は少なからず存在します。大人が「幼稚園のころ、〇〇君にほっぺをつねられた」と相手の名前をフルネームで話すこともありました。このように、「いじめられた側」は悔しく、不快な思い出としてそれを何十年も記憶にとどめているのです。

いじめに関わる子どもはどこにも居場所がないと感じている

いじめ対策には、現在いじめを受けて苦しんでいる子どもたちを救うと同時に、防止するための教育が大切です。いじめている子もいじめられている子も、家庭や学校が「安心安全な場所」でない、「助けを求める」ことができない、求めても対応してもらえないなど、どこにも居場所がないと感じています。

「叱ること、厳しく指導すること、罰を与えること」でいじめが一時的に収まるかもしれませんが、根本の不満、ストレスは解消していないので、またどこかで別の形でいじめが起きる可能性があります。いじめを受けた側は精神的に病んだり、あるいは復讐したりという形を取ることもあります。

大人の態度が子どもにとって人と接する際のモデルになる

いじめの予防は可能です。民主主義の理念「ひとりひとりが人としては対等の価値がある」を意識し、それを態度、行動に移すのです。具体的には、子どもに「大切な友人」に対応するように接します。この大人の態度は、子どもにとって「人に接する時のモデル」という役割を果たします。

日々の生活の中で自分も他者も大切にする態度を育むのです。このことが家庭、学校、会社などで実践されれば 不満やストレスが減り、日本からいじめを減らすことにつながると思います。

(福田 育子/心理カウンセラー)

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