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JTが飲料事業から撤退、英断か?

JIJICO / 2015年2月11日 9時0分

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JTが飲料事業から撤退、英断か?

JTが飲料製品の製造販売事業から撤退すると発表

JT(日本たばこ産業株式会社)が、飲料製品の製造販売事業から撤退すると発表し(自販機オペレーター事業は継続)、話題を呼んでいます。 今後は、たばこ事業の競争力強化に優先投資するとしていますが、利益は出せなかったものの500億円相当の売上げを失うため、経営的には痛手でしょう。

私は、1985年の日本専売公社からJTに移行した前後に、事業開発、業態開発、広報戦略、商品企画、流通対策などのマーケティング面において戦略提案をしていた経緯があり、その頃から見てきたので、今回の戦略展開は感慨深いものがあります。

事業撤退が経営危機に直結する道となることが多い

私が携わっていた30年ほど前にも、JTのたばこ事業への依存の高さは指摘されていました。たばこ事業法で、たばこ製造の独占を認められている(国産葉タバコの全量買取契約が義務づけられてもいる)ことによる強みが、いつかは弱みになることは明らかでした。

今では新規事業として、医療器具や医科向け医薬品、加工食品などの製造にも領域を広げてはいますが、依然として売上高の約8割がたばこ事業です(2012年)。 今回の撤退が売上高2兆円超産業のJTの経営危機を招くことはないでしょうが、私のフィールドである「小規模零細企業における経営危機」の視点で見ると、このような事業撤退が直結する道となることが多いのです。

撤退は「順応するための変化」のひとつの現われか?

それでは、経営危機に遭遇しない事業経営の指針はあるのでしょうか。この質問には、事業の性質や規模が関わるため一概には言えませんが、私はダーウインが残したといわれている言葉をよく引き合いに出します。いわく「最も強いものが生き残るわけではなく、 最も賢いものが生き残るわけでもなく、 唯一、生き残ることができるものは、変化できるものだ」。私は、この言葉の中に生き残れる経営者の資質があるように感じています。「強い経営者」や「賢い経営者」は必ずしも生き残れない、という逆説的なことを示していることが重要です。キーポイントは「変化」。それもアダプタブル・トゥ・チェンジ、すなわち「順応するための変化」です。

単に変化することが目的ではなく(そう誤読する人は多い)、あくまでも「適合、順応するための変化」というのがポイントです。「強い経営者」になるためのトレーニングはできるでしょう。「賢い経営者」になろうとしている人はたくさんいるかもしれません。しかし、「順応するための変化」を身につけようとしている経営者はあまり見かけないように思います。

経営危機に陥った経営者の相談に対応していると、この言葉の重みがよくわかるのです。JTの飲料部門からの撤退は「順応するための変化」のひとつの現われであることを願ってやみません。

(内藤 明亜/経営危機コンサルタント)

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