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忍び寄る地震の恐怖…戸建て・マンションなど中古住宅の耐震性をすぐに見分ける方法

JIJICO / 2018年2月28日 18時6分

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忍び寄る地震の恐怖…戸建て・マンションなど中古住宅の耐震性をすぐに見分ける方法

人気が高まる中古物件、一方で地震の際に大丈夫かどうか気になる耐震性

いま、中古マンション、中古住宅が人気です。新築が高値の華になって久しく、30年前の「バブル景気」を思い出す人もいるそうです。

一方、気になるデータがあります。先日、南海トラフ地震が今後30年以内に発生する確率が「70%程度」から「70~80%」へと引き上げられました。静かにせまる大地震への心配。いざというとき、自分や家族の命、それから財産を守るためにも、中古マンション、中古住宅の耐震性にも着目してみましょう。

中古マンションの耐震性のポイント=図面審査が「昭和56年6月1日」以降かどうか

コンクリートで作られたマンションの耐震性は、築年月を見ればおよそ判断できます。「昭和56年6月1日」この日付はぜひ覚えておきましょう。

法律では、建物を建てる時、設計図を役所に提出して図面審査を受けなければいけません。この図面審査を通過した日付が「昭和56年6月1日」より新しいものであれば、地震に対してまずは一安心です。

これらは、「新耐震基準」をクリアした建物として、その耐震性の程度は阪神淡路大震災で確認されました。逆に、この新耐震基準をクリアしていない古い建物は、同じ地震で致命的な被害にあう確率が高かったのです。

そして、この「新耐震基準」をクリアしているかどうかは、中古マンションの価格にも大きく影響しています。

最近何かと気になる大規模地震に対して、建物が「新耐震基準」をクリアしていないとなれば、中古マンション市場では捨て値の取引となっていることもあります。

格安マンションだからと安易に飛びつくと、いざ震災というときに取り返しのつかないことになってしまうのです。

DIYで手軽にできる木造住宅の耐震補強

しかし同じ中古でも、木造住宅の場合は話が少し違います。「新耐震基準」は木造住宅にも適用されます。しかし、耐震性に疑問のある古い木造住宅でも、カナヅチとノコギリがあれば自分で改造できるのです。

たとえば、近くのホームセンターに行って1枚980円の「構造用合板」を購入し、「N50釘」という長さ5センチのくぎを15センチ間隔で壁に打ち付ければ、計算上、筋かいが入った壁と同じだけの強度が得られるのです。

壁一面に合板を打ち付ければ、最低限の費用で地震に強い壁があっという間にできるのです。これらの材料はすべてホームセンターの定番品。欠品していることはまずありません。

と同時に、これは構造用の板、荒削りの材料です。木目も目立ち、節も多いですが、それがかえって優しい木目の雰囲気になることもあります。

合板には製造元の刻印も無造作にスタンプしてありますが、これも考えようによってはデザインととらえることもできます。ちょうど、コーヒー豆の入っている麻袋の刻印がオシャレ感を増すようなものでしょう。

合板を打ち付けるだけで十分味のある空間になるのですが、気になる人は珪藻土や漆喰を塗ってしまいましょう。湿気や化学物質を吸着し、耐震性も美しさも空気環境も高レベルに実現した健康住宅に大変身させることが可能なのです。つまり、木造住宅は古くても、自分で補強できる点がマンションと違うのです。

南海トラフ地震、首都直下型地震…何かと気になるニュースが流れますが、知恵と工夫で中古ライフをエンジョイしてみましょう。

(中山 聡/一級建築士・不動産鑑定士)

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