大阪市の学力テスト最下位 成績UPに教員の査定反映は意味があるのか?

JIJICO / 2018年9月4日 7時30分

大阪市全体で見ても世帯年収平均が400万円以下と全国平均よりも低く、各学校毎では学校がある地域の大卒率・世帯収入の違いが学力テストの結果と強く相関していると推測されます。大阪市全域(とりわけ家庭の社会経済的背景の低い地域)の学校では、学習指導に加えて家庭環境・経済問題の改善が必要でしょう。下校後も学習・指導できる場所を整備し、福祉の観点からも家庭問題の解消を図る方法が必要です。

教員と保護者の相互理解、格差是正など課題は山積み

今の大阪市の学力低迷問題の解決にあたり、教員を査定して教える側にのみプレッシャーをかけたとしても、改善は難しいと思われます。「たこやき共和国」と揶揄される大阪独特の県(府)民性を理解したうえで、公教育現場における教える側(教員)と教えられる側(保護者)との相互協力、学校施設の整備、「家庭環境・経済格差」の是正、子育て世代への支援など、学力低迷の原因となりうる諸問題を段階的に複合的に解決していく必要があると思います。

学校・保護者・行政の歯車が噛み合わなければ低迷は続きそう

しかし、吉村市長の気持ちも十分に理解できます。個人的には公教育という特殊な世界に一石を投じた吉村市長の発言は教育問題を考える上で評価できるものだと思っております。

もっと踏み込んで言うならば、長年大阪市内とくに子供の学力に異常に関心を示す地域で教室を運営してきた私の感想ですが、たとえ家庭の社会経済的背景が立派であっても、保護者の「教えられる側の子供の学力に関する偏った思い込み」を変えない限り、教える側(教室)と教えられる側(保護者)との指導内容をめぐるミスマッチを避けることが出来ないように、公教育においても、子ども達の真の学力向上を図るための学校・保護者・行政の歯車がかみ合わない限り、大阪市の学力低迷問題はまだまだ続くのではないでしょうか。

(栢原 義則/進学塾塾長)

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