「老後のお金」を徹底想定、まず“年金の基礎”からおさらい

WEB女性自身 / 2020年4月8日 6時0分

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いまや人生100年時代。健康で長生きしたいと思うと同時に、老後も安心した生活が成り立つのか不安がどうしてもつきまとう。

「老後に2,000万円必要と言われても、退職金もアテにできそうもないので、将来が不安で……」

そう語るのは専業主婦のA子さん(52・都内在住)もその1人だ。一人息子はすでに社会人になり独立。住宅ローンは完済のめどが立っているものの、夫(54)が管理職から外れる役職定年を目前にして、老後の生活が気になり始めた。

「昨年6月、金融庁から報告書が出てからは『老後はそんなにお金が必要なのか』『どうやってお金をためたらいいのか』と、戸惑った人も多いでしょう。そもそも報告書は、総務省の家計調査がもとになっています。『高齢夫婦無職世帯』の毎月の赤字額は約5万円なので、年金で暮らす期間を30年とすると、約2,000万円資産の取り崩しが必要、とされていました。『老後に不足する額はライフスタイルなどによって大きく異なる』ともあり、2,000万円もかからない人もいれば、もっとかかる人もいます。一喜一憂しないことです」

そう解説するのは『受給額が増える! 書き込み式 得する年金ドリル』(宝島社)の著者で、ファイナンシャルプランナーの井戸美枝さん。総務省家計調査(’18年)を見ると、高齢夫婦無職世帯の年金を含めた実収入は月額22万2,834円で、支出は26万4,707円。4万1,873円の不足だ。

「ここでよく見ておきたいのは、実収入の大半を占めるものは年金収入であるところです。公的年金は会社員か自営業か、夫婦共働きかなど現役世代の働き方によって受け取る年金額にかなりの差が出てきます。一方で、年を重ねると食事の量が減って食費がかからなくなったり、行動範囲も自宅の周囲に限られて交際費などの支出が減ってきたりすることも考えられます。家計調査の支出ほど使わないという人もいるでしょう。住宅ローンを完済していない人、賃貸住まいの人は居住費がかかるので、収入が減る分、支出の負担が大きく感じられるでしょう。老後の生活費を把握するためには、受け取れる年金額を知っておくことが大切です」(井戸さん・以下同)

まずは、年金に関して基礎からおさらいしよう。公的年金は職業などによって種類が異なり、自営業者やフリーランス、学生が加入する第1号、会社員や公務員は第2号、会社員や公務員の配偶者がいる妻(または夫)は第3号に分類される。

20歳になると、全員が国民年金(老齢基礎年金)に加入する。会社員と公務員はさらに厚生年金(老齢厚生年金)にも加入するため、受け取る年金額は多くなる。

国民年金は保険料が一律で、加入期間(保険料を納めている期間や保険料を免除されている期間)の長さに応じて支給額が決まるが、厚生年金は収入によって保険料が異なるため、支給額は加入期間と平均年収によって決まる。

将来、年金がいくら受け取れるのかは日本年金機構から送られてくる「ねんきん定期便」で確認できる。年に1度の誕生月にははがきで、35歳、45歳、59歳の年には封書で届く。

「最初に加入期間を見てみましょう。特に女性の場合、20歳で国民年金に加入したら第1号、就職して厚生年金に入ると第2号、結婚退職して夫の扶養家族になったら第3号と、立場が変わるたびに、加入する年金の種類が変わってきます。過去に会社員や公務員だった期間が1カ月でもあれば、この期間に応じた額の厚生年金が支給されるので、加入歴がきちんと反映されているかどうかご自身の職歴とあわせて必ず確認しましょう。また、50歳以上の人に届く『ねんきん定期便』には、現在の収入のまま、60歳まで保険料を支払った場合の年金見込み額が記載されています。この金額が65歳以降に受け取ることのできる年金額の目安になります」

Aさんの夫は、20歳から国民年金を納めて、22歳から60歳まで厚生年金に加入。平均年収は500万円。65歳から受け取れる老齢基礎年金は年額78万円(月額6万5,000円)、老齢厚生年金は年額105万円(月額約8万7,500円)だ。

一方のAさんは国民年金に未納の期間はなく(受取額が月額6万5,000円)、7年間会社員だった期間がある。老齢厚生年金は年額13万4,750円で月額1万1,230円。1カ月の年金収入は夫婦合わせて約22万8,000円となった。

「概算した金額に不安があるという人は、積み立てをしたり、受給開始を先延ばしすることで受け取る年金を増やすことが可能です」

「女性自身」2020年4月14日号 掲載

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