定年後のお金の不安を解消するためにやるべき「お金の三分法」

WEB女性自身 / 2021年3月3日 11時0分

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人生100年と言われる時代。定年を過ぎた後も長い時間を快適に過ごすためには、“定年前”の心構えがとっても大切。過度な楽観は禁物ですが、決して悲観しすぎることもありませんーー。

夫が定年を迎えたら、そのときに入る退職金で海外旅行をしたい、ブランドもののバッグを買いたいなどと、使い道をあれこれ考えたことはないだろうか?

「多くの人が、『退職金は長年働いた自分へのごほうび』と勘違いしていますが、あくまでも『給料の後払い』です。数千万円という単位で振り込まれた通帳を見ると、豪華な旅行に出かけてしまったり、投資をしてしまったりして、病気や介護が必要なときにお金がない、という話をよく聞きます。定年後にまつわる“勘違い”をなくして、“定年前”の今から夫婦で準備をすれば、安心した生活を送ることができますよ」

そう語るのは経済コラムニストで、著書に『定年前、しなくていい5つのこと「定年の常識」にダマされるな!』(光文社)がある大江英樹さん。大江さんは、自身が大手証券会社に定年まで勤務した経験をもとに、資産運用やライフプランニングに関する講演や執筆活動を行っている。

大江さんによれば、“定年前”の準備は定年のタイミングの5年前には着手しておくことが、快適な老後につながるという。

そこで、定年前の「お金」の準備について大江さんが解説してくれた。

■やるべきこと

【「加給年金」「振替加算」など受け取れる年金を忘れず確認】
「ねんきん定期便」に載っていない「加給年金」を忘れないように。

「加給年金は、夫が20年以上、厚生年金や共済年金保険料を納めていることが受け取るための条件。65歳に到達したとき、妻が65歳未満であれば22万4,900円もらうことができます。妻が65歳になったら『振替加算』として、妻の年金にプラスされます」

【保険について細かく点検しておく】
夫の死後、家族が生活に困らないように生命保険に加入している人もいるが、子どもが独立していれば不要な場合も。

「一定の貯蓄があれば、生命保険や医療保険は必要ありません。ただし、すべての保険が不要というわけではなく、自動車保険、火災保険や地震保険など、“蓄えや公的保障ではまかなうことのできないリスク”に対する備えはしておきましょう」

【住宅ローンは、定年後も働くことを考慮して返済する】
退職時に住宅ローンが残っていると、退職金で一括返済したくなる。

「1,000万円以上の残債を退職金で返済してしまうと、『一時出費』のためのお金が足りなくなることがあります。今は低金利なので、金利の低いローンに借り換える方法もあります。どちらがお得かシミュレーションしてみましょう」



■やってはいけないこと

【定年後の豪華海外旅行の計画を立てる】
退職金も出るとあって、無計画に散財してしまう人が多いという。

「割高なパッケージツアーに申し込むのではなく、宿や飛行機をネットで予約したほうが安く抑えられるケースはよくあります。夫は会社員時代に部下が全部用意してくれるのに慣れているので、自分たちで手配するクセをつけておいたほうが定年後の旅行で無駄な支出を避けることにつながります」

【流行にのって、のんびり田舎暮らしへシフト】
コロナ禍でリモートワークが定着したこともあり、地方に移住したいと考えている人が増えている。ただし、いちばん大切なのは「夫婦での同意」があること。

「病院などの社会インフラが整っている都会の生活に慣れてしまうと、田舎暮らしはなにかと不安になります。それでもあこがれが強いのであれば、定年前に短期滞在などで試してみることをおすすめします」

【退職金を充てて投資デビューの計画を立てる】
退職者向けに、通常よりもかなり高い金利の付く金融商品が売り出されることもしばしば。

「よく見ると、高い金利は当初3カ月ぐらいの期間のものがほとんどで、次に満期を迎えるときは手数料の高い投資信託をすすめられることも。メリットにすぐに飛びつかないで、中身をよく検討しましょう」

「60歳以降、夫に再雇用で働いてもらうのか、それともリタイアしてのんびり暮らすのか、といったことを決めるより、定年後の収支をチェックしてお金の不安を解消することが先決です。まずは1カ月の収入と支出、残っているローンはあるのかどうかを含めて資産の確認からスタートしましょう」(大江さん・以下同)

大江さんが提唱するのが、収入と支出の使い道をそれぞれ3つずつのカテゴリーに大きく分ける「お金の三分法」だ。

老後の収入は〈1〉年金(公的年金、個人年金、企業年金など)、〈2〉働いて得る収入、〈3〉退職金や貯金、の3つに分ける。

同時に支出も〈1〉月々の「日常生活費」(食費や水道光熱費、日用品代など)、〈2〉旅行や趣味など老後を楽しく暮らすための費用「自己実現費」および家のリフォームや家電の買い換えにかかる「一時出費」、〈3〉将来かかってくる医療や介護のお金など「医療・介護費」に分けて考える。

日常生活費は年金でまかない、自己実現費は働いて得る、一時出費は退職金を充てる、というように、お金の入口と出口を分けると、必要な金額が見えてくる。

「子どもや孫たちと旅行や食事に行きたいと思ったら『自己実現費』にあてはまるので『働いて得る収入』から捻出するようにしましょう。私が定年したときに現金は150万円程度しか持っていなかったので定年後も働くという選択をしました。そのとき、年金収入だけで1カ月の生活が成り立つように、家計のダウンサイジングに着手しました。食費は平日のランチ代や会社帰りの飲み代がなくなったので月額約3万7,000円減。洋服も外へ出る機会が減ったので月額で3万7,000円減。そのほか合わせて、1カ月の支出は34万円から22万円になりました」

住宅ローンは完済しているので、退職金は将来、病気や介護になったときのために手をつけていないという。もらえる年金はいくらか、ローンの残債や加入している保険も含めて見直しをしよう。

「女性自身」2021年3月9日号 掲載

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