乳がん治療最前線「タイプによって治療法を選択」

WEB女性自身 / 2013年6月24日 7時0分

「乳がんは、ひとつの病気のように思われがちですが、最近いくつかの違うタイプの病気に分かれていることがハッキリしました。以前は、がんの進行度が治療法を決める要でしたが、今はがんをサブタイプに分類し、これにより治療法を選択していきます」
 
これまで2,100人の女性を治療してきた虎の門病院乳腺内分泌外科部長の川端英孝先生が、乳がんのタイプと治療法について教えてくれた。
 
【ルミナルA型】
全体的におとなしいとされホルモン療法が効きます。A型とB型は、がん細胞の増殖のスピードKi67で分類します。この数値の低いのがA型で約50%がこのタイプです。
 
ホルモン療法とは――乳がんの70%がホルモン依存症で、女性ホルモンの働きでがんが増殖します。その量を減らし働きを阻害し、がんの増殖を止め萎縮させる療法です。がん細胞のホルモン受容体の有無を見て判断します。術後のホルモン療法で転移・再発がほぼ半分になることはわかっています。費用(保険3割)は、5年間で約20万〜30万円です。
 
【ルミナルB型】
Ki67が高いのがB型です。このなかでHER2受容体が陰性のタイプはA型と似ていますが、違いは増殖能と再発率が高いため、抗がん剤が有効です。B型のHER2受容体陽性のタイプは、どの治療も効果が期待できます。
 
抗がん剤とは――薬の毒性により、がん細胞を殺傷します。現在は副作用とのバランスを考慮し、効果が期待できるタイプのみに使われるようになりました。費用(保険3割)は6カ月で約20万〜30万円です。
 
【HER2陽性型】
元来タチが悪いとされていたタイプ。がん細胞の特性に的を絞り狙い撃ちする、分子標的治療薬『ハーセプチン』の登場で、治療成績がよくなりました。
 
分子標的療法とは――薬物療法で、今も開発途上にあるものは保険が利きません。逆にいうと、治療効果が確立されたものは、保険治療として受けることができます。ハーセプチンも、日本で許可されるまで時間がかかりました。現在は新タイプの『ラパチニブ』も登場し、進行・再発がんに保険適用となります。分子標的薬(保険3割)費用は、1年間約70万〜80万円です。
 
【トリプルネガティブ】
アンジェリーナ・ジョリーで知られるようになった『遺伝性乳がん・卵巣がん症候群』は、このタイプのがんが多く発生することで知られます。どの受容体ももたないため、ホルモン剤・分子標的療法薬が効かない難しい乳がんといわれています。
 
全摘については、乳頭、乳輪を残す皮下乳腺+インプラント再建のようにクオリティの高い再建術も可能になりました。乳房温存と並行して乳房再建が選択されていくと思います。1人ひとりのがんのタイプ、広がり、年齢、体形などに応じて治療法の選択肢が広がったととらえてほしい。そして大多数の治療は現在、保険でカバーされています。

女性自身

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