“日本一忙しい血管治療医師”が語る血管医療の最前線

WEB女性自身 / 2013年8月29日 0時0分

'09年から4年連続心臓カテーテル治療件数日本一の実績を持つ千葉西総合病院(千葉県松戸市)の三角和雄院長(55)。“医療界のご意見番”、医師で作家の米山公啓さんが三角院長を訪ねた。
 
米山 いま午後7時ですが、まだ治療の真っ最中ですね。
 
三角 毎日、朝9時から外来を始め終わるのが5時。私がカテーテル治療にかかるのはそれ以後なので、今日もこれから7件の治療が待っています。
 
米山 三角先生といえば、ロータブレーター(動脈硬化で硬くなった血管を、先端にダイヤモンドを付けた器具で広げるカテーテル治療)の日本の第一人者。12年間、米国で診療されてますね。日本人医師としては大変な経験量です。
 
三角 研修医を3年やって、米国に渡り、そこでカテーテル治療と出会いました。とくにロサンゼルスの病院では連日、1日15〜20例のカテーテル治療をやりました。この経験がいまの私の技術の土台になっていますね。
 
米山 日本人は手先が器用だからカテーテル医に向いているといいますね。
 
三角 まさにそうです。米国で指の太い不器用な外国人医師がやるのを目の当たりにしてきましたから、カテーテル治療は私の天職だと思いましたよ。ロスの病院では、出産してまもない女性がほとんど心臓が止まり、白目をむいた状態で運ばれてきました。
 
米山 産褥(さんじょく)心筋症(出産後に起こる急性心不全)ですか?
 
三角 それと冠動脈の3本のうち2本が詰まったダブルパンチでした。もう誰も助からないと思った。必死でロータブレーターを操作し、冠動脈を開き、心臓の回復を図り、完全に回復させました。2カ月後には彼女、ぴんぴんしてましたよ。
 
米山 その技術を日本に持って帰られたわけだ。
 
三角 帰国してからでは、川崎病の20代の女性のケースも忘れられません。
 
米山 川崎病は罹患するとその後、冠動脈疾患を起こしやすくなる病ですね。
 
三角 彼女は3本中2本の冠動脈が詰まって、もう死を待つしかない状態でしたが、冠動脈3本とも開通することができ、いまは2人のお子さんのママになってます。治療時は、まさか子どもが産めるようになるとは思わなかった。彼女から「子どもが生まれました」と手紙をもらったときはうれしかったですね。
 
米山 動脈硬化で血管はコンクリートのように硬くなっている。しかもそれが複雑にカーブしているところを削っていくんだから、ロータブレーターはまさに特別の治療です。
 
三角 車の運転にたとえると、ブレーキのない車を運転して時速200キロで首都高を突っ走る感じですね(笑)。一瞬で血管に穴があくなどのミスが生じかねません。
 
米山 それを使いこなすのは経験ですか?
 
三角 どんなときでもパニックにならない資質が大切。それと、私が心しているのは“カテーテル馬鹿”にはなるなということ。単にカテーテル技術だけがうまくても多くの患者さんは救えない。全身の血管に精通し循環器内科医として、ひいては内科全般に一流でなければ、本当に優れたカテーテル医にはなれない。後輩医師にも、これだけは厳しく指導してるんですよ。

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