ミドル世代の男女4人で“家族”に。女性2人と同時恋愛でもモメない理由

女子SPA! / 2019年4月2日 15時45分

写真はイメージです(以下同じ)

「ポリアモリー」とは、関わるパートナー全ての同意を得て、複数のパートナー間で恋愛などの親密な関係を持つことを指します。

 この言葉が広く認知されるずっと前から、結婚や従来のパートナーシップにとらわれることなく、幸せのカタチを模索し続けてきたアラフィフ男性がいます。

 山田さんは現在、元妻・やす子さんとその夫・聡さん、そしてパートナーの真弓さんの4人に飼い猫2匹を加えた“6人家族”。この変わった家族構成は、どうやって形作られたのでしょうか?
(※名前はすべて仮名)

◆複雑な関係を、すんなり飲み込む男性登場

「SM」という性癖を持つ山田さん(仮名)。パートナーであるやす子さん(仮名)と、性格は合うけど性的な相性が絶望的に悪いというジレンマに陥り、話し合いのすえ「ポリアモリー夫婦」という選択を取ることに。

 それから10年。お互い家庭の外で恋愛や体の関係を楽しんでいたのですが、ある時2人の関係性に転機が訪れます。妻・やす子さんと、やがて夫となる男性の聡さん(仮名)との出会いです。

 共通の趣味を通じて出会った2人。当時30代だったやす子さんに対し、交際を始めた当時の聡さんは11歳下。20代前半だったとか。

「まだ若い聡さんが、ポリアモリーという複雑な事情を受け止められるものだろうか…」と山田さんに不安がよぎりますが、予想に反して聡さんはこの状況をすんなりと受け入れてくれたそうです。

「正直この関係が保てているのは、聡のなんでも受け入れる度量の深さに助けられています。出会った頃、やす子から夫である僕を紹介されても『あ、どうも』みたいな感じでした。そこから3人、家族ぐるみ(?)の付き合いが始まりました」

 当初は山田さんとやす子さんが一緒に住み、そこへ聡さんが遊びに来るという関係だったそうです。しかし聡さんにはやがて結婚願望が芽生え、交際から4年ほどたった頃、山田さんに「やす子さんと結婚させてほしい」と伝えます。

◆離婚と結婚と再婚と…それでも家族は仲良し!

「聡の『結婚がしたい!』という感覚は、至極(しごく)当然だと思います。僕はやす子と結婚していましたが、2年ほど前から真弓というパートナーがいました。そのため聡には『やす子とは離婚後も普通に遊ぶし、交友関係を持つ』という条件などを男2人で話し合い、夫のポジションを譲ることにしました」

 こうして山田さんはやす子さんと離婚。やす子さんと聡さんは結婚するわけですが、なんと山田さんの住むマンションの隣室がタイミングよく空き、夫婦はそこで新婚生活をスタートさせます。

◆そして“6人家族”になるまで…

 少し時間軸が前後しますが、やす子さんと離婚する2年ほど前、山田さんは現在のパートナーである真弓さんと出会います。

「彼女はSMという性的嗜好が合っている人であり、僕の恋人です。そのため関係が始まってすぐ、今の家族の事情は真弓に話しました。でも最初は全く理解されませんでした。やす子と初めて会うという日も、僕と真弓は大喧嘩。真弓はやす子に会いたくないの一点張りで、当時は本当に大変でした」

 真弓さんが混乱する気持ちは当然のような気もしますが、山田さんには確固たるルールがありました。それは「全員納得しないとダメ!」「付き合うなら一生付き合うと思って向き合う」というもの。そのため真弓さんにはやす子さんにも会って欲しかったし、1回説明してダメでも、じっくり時間をかけて理解を深めてもらいたかったそうです。

「最初は真弓もしぶしぶ…という感じで、この関係を受け入れていました。でもやす子と聡が結婚し、僕の部屋から出ていった頃を境に、真弓の中でも整理ができてきたのか、だんだんやす子や聡への壁もなくなっていき、この関係を受け入れていったように思います」

 真弓さんが加わって約7年。現在は男女4人+飼い猫2匹の“6人家族”として関係は安定しているといいます。

◆複雑な関係だからこそ。理想の家族でいるために必要なこと

 ハタからみるとかなり特殊な家族であることは間違いない山田さん一家。どうやってバランスを取っているのか秘訣を聞くと、山田さんは少し控えめに教えてくれます。

「いくつか要因はあると思いますが、全員性格が違うことで、バランスが取れていたのもあると思います。あとトラブルの際はもちろんですが、日頃から元気がなさそうだなと思ったら声をかけたり、何か気になることがあったら話し合う時間を設けたりします」

 ちなみにある研究によると「夫婦間の満足度を高めるには、1日1時間以上のコミュニケーションが必要」というデータもありますから、山田さんの「密なコミュニケーションを取る」という姿勢は、きっとプラスに働いているのでしょう。

◆他人とは違う家族。これからどうなる?

 最後に山田さんは、現在の関係を振り返り、恋愛や家族についてこう話します。

「僕は恋する相手が2人いても3人いてもいいと思っています。役割を分けて関係性を築くというのは、悪いことではありません。ただしそれは、全員が納得感を持っていればこその話です」

 そう話す山田さんですが、今現在も関係性の変化は起き続けているといいます。

「真弓とは恋人でありSMのパートナーでもあるのですが、最近彼女とそういうことが、上手くできていない時が増えつつあります。でもこれも話し合いをしており、このまま上手くいかなければもう一人パートナーを探してもいいかもね…なんて話し合いはします。まだ行動には移せていませんが、関係性は常に変化し続けるんだと思い、向き合うようにしています」

 6人家族が7人家族になる日も近い!? なんだかさらに大変そうな気もしますが、きっと誠実に向き合い続けることで、また新たな家族のカタチを築くのでしょう。

 結婚すると「夫婦は理解し合えて当たり前」くらいに思いがちです。しかし、いま合っているものが明日も合い続けている保証はなく、また合っていないものが何もせず自然に合っていくこともありえません。

 そう考えると、パートナーシップとは、人数うんぬんよりもコミュニケーションの質をどれくらい担保し続けられるかが需要になってくる。山田さんの話からは、そんな大切な気づきが得られたように思います。

―シリーズ「結婚・出産を“しない”と決めている人たち」―

<文/しおえり真生>

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