シングルマザーの約半分が貧困に苦しんでいる現実。養育費の未払いも…

女子SPA! / 2019年5月2日 15時45分

※写真はイメージです

 働く女性の活躍が重視される一方で、日本の女性の貧困化が深刻だ。国立社会保障・人口問題研究所によれば、単身女性の3人に1人が貧困(手取り月収−家賃=8万4999円以下)で、現役世代の多くで相対的貧困率(所得の中央値の半分を下回る人の割合)が男性を上回る。

 そこには女性のライフスタイルと、労働市場における女性の扱いが乖離している点から女性の貧困を生む大きな要因となっているという。

◆なぜ日本のシングルマザーの貧困率は突出しているのか?

 未婚の母、夫との離婚や死別。OECD(経済協力開発機構)の調査によると、さまざまな理由で、ひとりで子供を育てることを余儀なくされたシングルマザーの54.6%(親が就業している場合)が相対的貧困に苦しんでいる。この数値は、アメリカ(35.8%)、カナダ(29.6%)などほかの先進国を大きく上回る。なぜ日本のシングルマザーはこれほどまでに貧困なのか? 経済アナリストの森永康平氏に聞いた。

「まずはシングルマザーの約半数が非正規雇用で、低賃金労働を担っていること。厚生労働省の調査(以下同)では’16年度の母子世帯における母自身の平均就労年収は200万円と、子育てをしていくにはかなり厳しい状況です」

 養育費の未払いも問題だ。

「離婚してシングルマザーとなった場合は、元夫からの養育費も貴重な収入源となります。その平均額は4万3707円。ですが、56%のシングルマザーはそもそも養育費を受け取っていません。さらに、途中から養育費が支払われなくなったシングルマザーが15.5%。養育費を支払わなくても口座を差し押さえられたりはしないので、踏み倒す男性が増加しています」

 シングルマザーを援助する社会福祉の利用率も低い。

「生活福祉資金、母子福祉資金といった公共の援助サービスがあっても、知らない人が多い。長時間労働と育児で疲れていて調べる暇もない人がほとんどなのです」

 正規雇用のシングルマザーも、時短勤務で給料が抑えられたり、バックヤードの部署に異動させられたり、仕事が忙しいときにベビーシッターを頼むのが悪とされていたりなど、日本ならではの慣習に阻まれて、正規雇用なのに出世できず下働き状態という人は多い。

「結婚や子育てでキャリアが中断されてはいるものの、能力の高い女性はたくさんいます。人手不足を解消すべく女性の活用に力を入れ始めてはいますが、シングルマザーの活用にまでは至っていない。少子化だって、シングルマザーが子育てしやすい環境を整えたほうが解決に近づくと思いますよ」

【森永康平氏】

経済アナリスト。子どもたちへの金融教育事業を展開するマネネ(東京)代表取締役社長CEO。証券会社や運用会社にてリサーチ業務に従事

― [オンナの貧困]最前線 ―

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