スーツにスニーカーは当たり前。ヒールは無理してはかないで

女子SPA! / 2019年6月27日 15時47分

重要なのは色をそろえること(画像:WEARより)

【モードをリアルに着る! Vol.87/小林直子】

 ファッションの世界、特にモードの世界ではドレスにスニーカーを合わせるのはもう当たり前。

 ではスーツにスニーカーは? それはもうクラッシックの領域で、今さら誰もそれが変だとは考えていないほどのものとなっています。

◆80年代後半スーツにスニーカーが主流だった

 どれぐらい昔からなのかといったら、メラニー・グリフィスとシガニー・ウィーバーがニューヨークのキャリアウーマンを演じた1988年公開の映画『ワーキングガール』のときにはもう当たり前でした。ということは、もう30年も前からということになります。

 80年代後半から90年代に流行ったパワースーツと呼ばれる分厚い肩パッドの入ったスーツにスニーカーを合わせるというのが当時の主流でした。少しファッションに興味のある人だったら、知っている人も多いことでしょう。

 では、それから30年たった今、どんなふうにスーツにスニーカーを合わせたらいいか、何か見本がないかと思って探していたら見つけたのがこのエスカーダのルックです。

◆働く女性のためのハイパーフェミニンなパワードレッシング

 ドイツのキャリアウーマン御用達ハイブランドのエスカーダ。バーバリー、ハンターに在籍していたナイル・スローンが2017年に新たにグローバルデザインディレクターに就任。2018年9月にニューヨークで行われたコレクションにおいてスローンによる新生エスカーダのお披露目となりました。

 そして、このコレクションは映画『ワーキングガール』にインスパイアされたもの。働く女性のためのハイパーフェミニンなパワードレッシングがこれらのデザインの肝なわけです。

 黄色、ピンク、黄緑色の複雑な織地で、金ボタン、4つポケット、ノーカラーにタイトスカートのスーツに、このスーツに使われているのと同じピンクのスニーカー、半透明のピンクの柄のレインコート。ウエストはベルトでマークして、バーバリーで培(つちか)ってきたであろう「おしゃれの基本」をしっかり盛り込んで、隙のない、けれども十分に今風、つまり21世紀のワーキングガールスタイルになっています。

 高級な素材、色合わせの徹底、金ボタン、チェーン、バックルのゴールドがハイブランドならではの完璧性を示していて、文句なしのこのルックから、私たちも今風のスーツにスニーカースタイルについて学びましょう。

◆重要なのは色をそろえること

 まずはスーツです。多くの人が仕事用にスーツを着用することと思いますが、まずこのエスカーダのようなカラフルな色合いの生地のスーツを着用することはないでしょう。仕事の場で着用されるスーツは大体、黒、グレー、紺、白で構成されているのではないでしょうか。

 素材はギャバジンやサージなどの梳毛のこともあれば、ツイード、フラノなどの紡毛の生地のこともあるでしょうし、場合によってはチェック、ストライプ、または千鳥格子など、柄物も考えられますが、重要なのはこのエスカーダのスーツルックのように、色をそろえることです。

 多色になればなるほど遊び着の要素が強まりますので、仕事用でしたら、できれば3色以内を目安にするといいでしょう。

 よく、3色以上になる場合、どうしたらいいですかと質問されますが、白と黒の2色は、はみ出しても構いません。白、黒、グレー、赤なら許容範囲ということです。

◆白と黒の千鳥格子柄のスーツなら、スニーカーは白または黒で

 例を挙げます。もしスーツが白と黒の千鳥格子のツイードだったとしたら、スニーカーまで含めて白と黒でまとめましょう。

 時計やジュエリーはこの限りではありませんので、色をそろえる必要はありませんが、例えばボタンがゴールドだったらゴールドに、シルバーだったらシルバーに統一するといいでしょう。

 白と黒の千鳥格子の生地のスーツなので、スニーカーの選択は白または黒となります。

 ここで仕事用にスニーカーを選ぶ場合、注意してほしいのはスニーカーの素材についてです。

 素材にも格があります。大まかですが、コットンより化学繊維が、化学繊維よりも皮革のほうが格上だと考えたらいいでしょう。

 スーツに合わせる場合、スニーカーの素材の格を上げます。できれば皮革、もしくは化学素材と皮革の合わさったスニーカーを選びましょう。

◆ファッションの世界でも、ニューヨークでもスーツにスニーカーは当たり前

 使う色の統一性を徹底すること、スニーカーの素材を格が高いものにすること、もしそれ以上やるとしたら、仕立てのいい素材、高級な生地、優れたパターンなど、どんどんグレードを上げていけば仕事用としてなんら問題はありません。

 以前、ニューヨークに住んでいた友人が日本に戻ってきての最初の感想を私にこう言いました。「ニューヨークでは昼間の通勤にヒールの靴なんて誰もはいていないのに、日本の働く女性が通勤でヒールの靴をはいていて、なんでみんな無理してはいているんだろう、日本って変なのって思った」。

 ファッションの世界でも、ニューヨークでもスーツにスニーカーは当たり前です。洋服を着ている私たちがそれを取り入れて悪いわけがありません。いいところはどんどん取り入れて、毎日、快適に気分よく仕事をしましょう!

<文/小林直子>

【小林直子】

ファッション・ブロガー。大手ブランドのパターンナー、大手アパレルの企画室を経て独立。現在、ファッション・レッスンなどの開催や、ブログ『誰も教えてくれなかったおしゃれのルール』などで活躍中。新刊『わたし史上最高のおしゃれになる!』は発売即重版に

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング