マルチ商法に引っかかった女性「こうして勧誘されました」

女子SPA! / 2019年8月1日 15時46分

写真はイメージです(以下同じ)

「まさか自分が関わることになるとは夢にも思ってなかったです。今思い返しても、だれか私に嘘だと言って、って気分になります」

 眉間にシワを寄せながら「マルチ商法に引っかかりそうになった」話を聞かせてくれたのは、メーカー勤務の裕子さん(仮名・20代後半)。国民生活センターに寄せられる、マルチ取引についての相談1万件のうち、最多の4割は20代※だそうですが、当事者になるかも…なんて誰も想像していませんよね。

※消費者庁「平成29年版消費者白書」より

◆出会いは年末、居酒屋で隣の席に

「年末、大学時代の親しい友人と新宿で飲んでいると、隣に座っていた同い年くらいの男女二人組に話しかけられました。『何かオススメのメニューありますか?』って」

 柳原可奈子似の女性とチュートリアル・福田充徳似の男性で、話しかけてきたのは女性の方だったので、裕子さんは特に警戒もせず、そのまま世間話を続けました。

「めちゃくちゃフレンドリーなんですよね。仕事のこととか、出身校のこととか、プライベートなことを向こうから話してくるので、こちらもなんとなく流れで話してしまって」

 その日は連絡先を交換して別れた裕子さん。年末の忙しい時期だったため、連絡を取り合うこともないだろうと思っていたのですが、「メリークリスマス」から「あけましておめでとう」まで、驚くほどマメにLINEが飛んできたといいます。

◆仲間を集めた飲み会に呼ばれるように

「最初は本当に疑っていなかったので、初対面の人間にここまでマメになれるコミュ力凄いな~くらいに思っていました。何度か誘われたので、飲みに行ったりしてみたのですが、特に変わったことはありませんでした。しばらくしたら仲間内で飲み会やるからおいでよ、と誘われるようになったんです」

 様々な業種の人が集まるといわれたので、異業種交流会くらいの軽い気持ちで参加することにしたという裕子さん。

「本当にいろんな業種の人がいて、普通に面白かったです。その時、新宿で会った二人組の男性の方、中川さんに、綾香という年上の女性を紹介されました。『最近仲良くなった裕子ちゃんです』と。後々調べたら、マルチって自分のターゲットを仲間うちに知らせるんですね……。もう本当にいろいろショックです」

 そんなこととは露知らず、中川さんも綾香さんも「気さくでいい人」だと思っていた裕子さんは、たびたび飲み会に参加するようになります。

◆やたら薦めてくるバイブル

「『起業したい』っていう夢の話を頻繁にしてくるし、私のキャリアプランも詳しく聞かれるんですよ。ちょうど私も転職とかに興味を持ち始めた頃だったので、転職経験も豊富な綾香さんの話はよく聞いていました。『熱い人たちだな』くらいにしか思ってなかったんです」

 しばらくすると、とある本を強く薦められるように。「本当に役に立ったから、裕子ちゃんも読んだほうがいい」と二人はしきりに繰り返します。

「気になって、ビジネス書コーナーに行ったら、すぐに見つかりました。有名な本なんだ~と思って、安くはなかったですが、買ってみたんです。お金に使われる人間じゃなくて、お金を回せる人間になろう、みたいな内容だったんですけど、起業にまったく興味がなかったので、正直、最後まで読めませんでした」

◆突如現れた尊敬する師匠

 とはいえ一応「本を買った」と綾香に報告すると、さらに綾香と中川の夢語りは熱くなっていったといいます。

「そのあたりから、中川さんと綾香さん二人の“起業の師匠”話が始まったんです」

 大企業を20代で退職して起業し、タワーマンションにオフィスを構え、両親をファーストクラスで海外旅行に連れていけるくらい稼ぎ、高級車を持っている、次々と「THE・成功者」な紹介が並べられます。それとは裏腹に、具体的な事業の内容については、「輸入雑貨のお店とかやってて~」と曖昧な説明ばかりだったことに、うさん臭いと思いつつも、すごい人がいるもんだな~くらいに聞き流していた裕子さんですが……。

「突然、『本当に忙しくてなかなか会えない人なんだけど、今近くにいるから会いに行こう』って言われました。いや、なんで私が会いに行くの?! って思いましたが、勢いに押されて会いに行くことになったんです」

 それまで三人でいたのに、師匠のもとへ裕子さんを連れて行ったのは、なぜか中川一人だったとか。綾香はあくまで、中川のサポートで、ボスに“カモ”を紹介するのは中川一人じゃないといけなかったのだろう、と裕子さんは分析します。

「道すがら、中川さんに『聞きたいこと考えといてね、忙しい人だから』と言われ、有名人に会いに行くわけじゃあるまいし、本当に意味が分からなかった。師匠のナナさんは確かに出来る人っぽい雰囲気でしたけど、やたら緊張している中川さんの方が印象的でした」

◆本の名前から調べてみると…

 さすがに怪しさを感じ始めて、誘いのLINEが来ても理由を付けて断わるようになったという裕子さん。自分の中だけでモヤモヤを抱えきれなくなり、当時付き合っていた彼氏に、意見を聞いてみることにしたと言います。

「そしたら、『俺も20代の時に似たようなことあって、その本薦められた! マルチだったよ』って。やっぱりか~、ってなりましたね。そういうのには絶対引っかからないと思ってたので、分かってたけどね、みたいな素振りを必死で彼にはしましたけど」

 家に帰った後、改めて「書名 マルチ」でインターネット検索したら、まさしく自分と同じような道を辿った人の体験談がズラリ。もうこれは、間違いないと観念した裕子さん。

「本当にいい人そうだったので、ショックですけど、とにかく腹が立ちます。ただ、私に声かけてきた人も、上京してきて1年半とかだったので、そういうところを付け込まれたのかな~と思うと、可哀想だなって気もしてくるんですよね」

 筆者も会社の忘年会で、「マッチングアプリで知り合った人とご飯に行ったら、マルチの勧誘だった」とヘコんでいた先輩の話をふと思い出しました。確かに、アプリのプロフィールに「インターネットビジネス勧誘お断り」と書いている人、よく見かける気がします。

 同級生と久しぶりにご飯に行ってみたら……、という体験談もよく耳にしますし、思った以上に悪質なビジネス勧誘は自分の近くに潜んでいるようですね。

<文/女子SPA!編集部>

【女子SPA!編集部】

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