秋の花粉症対策のウソ・ホント。マスク、洗顔…などの効果を医師に聞いた

女子SPA! / 2019年10月21日 8時45分

写真はイメージです(以下同じ)

「風邪だと思ったら花粉症だった!」なんてこともあり得るという秋の花粉症。前回、NPO花粉情報協会理事で「医療法人社団左門ふたば会 ふたばクリニック」院長の橋口一弘先生に、秋の花粉症の特徴についてお聞きしました。

 今回は、巷でウワサの秋の花粉症対策の真偽と、見落としがちな注意点について教えていただきます。

◆巷でウワサの花粉症対策はウソ? ホント?

――秋の花粉症ならではの対策などはあるのでしょうか?

橋口一弘先生(以下、橋口)「基本的には春の花粉症と同じで大丈夫です。ただ、前回お話した通り、秋の花粉症は花粉の飛散エリアが草花の周辺のみと局地的なので、原因となる草花に近寄らないことがいちばんの対策になると思います」

――ネットを中心に、さまざまな秋の花粉症の対策やマナーが噂されています。それぞれの真偽を教えてください。

◆ウール素材は花粉がつきやすいから着ないほうがいい

橋口「これは正しいです。春でも秋でも、ウールやアクリルのような花粉が絡みやすい素材は避けた方がいいでしょう。花粉の舞う時期は、花粉がつきにくく、もしついてもはたけばすぐ落ちる、表面がツルツルした素材がおすすめです」

◆帰宅後すぐに洗顔すれば発症しない

橋口「洗顔で落とせるのは顔の表面についた花粉だけで、すでに鼻の中に入ってしまった花粉は落とせないので、絶対に発症しないというわけではありません。ただ、まつ毛など粘膜に近い部分の花粉を落とせるので、しないよりはした方がいいでしょう。鼻の中の花粉については、鼻うがいが効果的です。洗顔にプラスしておこなえば、なにもしないよりは症状を抑えられると思います」

◆花粉症の予防には「リンゴ・甜茶・ヨーグルト」がいい

橋口「まず、リンゴは『花粉―食物アレルギー症候群(PFAS)※』になる場合もあるので、反応する花粉の種類によっては、口にするとかえって危険な場合があります。

 甜茶は含まれる成分がアレルギーに効くといわれていますが、有意差は出ておらず、人によるといった感じのようです。

 ヨーグルトは菌種によるので、ヨーグルトであれば何でもいいというわけではありません。花粉症の予防や改善にいいのは「BB536株」や「LGG株」などといわれており、こちらも有意差は出ていないものの、摂取し続けることである程度症状を抑えられた人もいるようです。菌種違いのヨーグルトでは、いくら食べ続けても花粉症の効果は期待できないと思われます。

 なお、ヨーグルトは腸内環境から免疫を変えていこうというものなので、今日食べて明日すぐに効果が表れるわけではありません。症状を抑えるためには、花粉症シーズンの2,3ヶ月くらい前から食べ続けていないと意味がないです。『食べたらすぐ効いた』という人は、たまたま花粉の飛散が落ち着いたタイミングだったのかもしれないですよ(笑)」

※「花粉―食物アレルギー症候群(PFAS)」:野菜や果物の根源にかかわるたんぱく質が、花粉症の原因となる草花の花粉抗原と似かよった構造を持っていると、これらの野菜や果物を摂取することで咽頭や唇が腫れたりかゆくなったりすること。

◆目や鼻の周りにワセリンを塗ると花粉をブロックできる

橋口「100%ブロックできるわけではありませんが、鼻の穴の内側に塗ると、ある程度花粉の侵入を防いでくれると思います。マスクと併用すると、より効果的でしょう。目の周りは、眼科医などに相談してからの方が安心です」

◆小鼻のくぼみを50回擦ると症状が軽くなる

橋口「ツボの刺激で効くということかもしれませんが、医学的な根拠は聞いたことがないので、効果のほどはよくわかりません。でも、刺激に敏感になっているときに50回も擦ったら、皮膚を傷めてしまいそうですよね」

◆花粉症は移らないから、咳やくしゃみを手で押さえなくてもいい

橋口「花粉症は飛沫にウィルスがいないので、移るなどの心配は確かにありません。でも、風邪と花粉症の症状は見分けがつきにくいので、もし風邪だったら……と考えるとカバーしないのは危険ですよね。それに、たとえ花粉症という前提に間違いがなくても、秋は風邪が流行る季節という点から、周囲の人への配慮として、手で押さえたり、マスクをしたりするのがマナーかと思います」

◆花粉症でも、マスクの2度使いはしてはいけない

橋口「風邪やインフルエンザの流行時期は接触感染の恐れがあるため、マスクの使い回しは良くありませんが、花粉だけの場合は、裏返しに使うなどしなければ2度使いしても大丈夫です。もしマスク表面に触れたとしても、すぐに手を洗えば、花粉を吸い込む心配はないでしょう。逆に気を付けてほしいのは、マスクを外すとき。外す勢いで表面についた花粉が舞い上がり、それを吸ってしまう心配があります」

◆ペットの花粉媒介に注意

――眉唾モノのウワサも「効く」という人がいるのはなぜでしょうか?

橋口「市販の風邪薬などでもいえることですが、『効く』と思い込むことで効果が得られる場合もあります。そのように、気の持ちようでプラスに働くことはあるので、実際に症状が軽くなったり治まったりするのであれば、気休めでも取り入れてみる価値はあるのかもしれませんね」

――秋の花粉症対策で、見落としがちな注意点があれば教えてください。

橋口「秋は花粉の飛散エリアが局所的なので、対象の草花に近づかなければ発症しづらいとお話しましたが、犬や猫などのペットを飼っている人は、ペットの毛に付着して家に持ち込まれる花粉に注意してください。犬や猫は毛でおおわれている上、人間より低い位置を歩くし、草の中にも入って行ったりするので、全身に花粉がつきやすいんです。

 可能であれば草花のない散歩コースに変え、散歩から帰ったら家に入る前にブラッシングをするとか、花粉のつきにくい素材の服を着せるなど、ペットを介して花粉が家に侵入することがないように対策をしてほしいと思います」

――外に出さない室内飼いのペットであれば大丈夫でしょうか?

橋口「室内から出さないペットであれば、花粉を媒介する心配はありません。ただ、ウサギやインコ、ハムスターなど動物に対するアレルギーも存在するので、花粉症で敏感になっているときは、ペットとの接触方法にも気を付けたほうがいいですね」

<文/千葉こころ、取材協力/ふたばクリニック院長 橋口 一弘先生>

■橋口一弘先生プロフィール

1982年慶応義塾大学医学部を卒業後、同年に慶応義塾大学病院耳鼻咽喉科に入局。大学時代から扁桃疾患を中心に研究をはじめ、その後も鼻疾患、特にアレルギー性鼻炎の治療を中心に研究を続けた。済生会神奈川県病院、北里研究所病院などを経て、2011年よりふたばクリニックの院長に。現在も、自身が設計・開発に関係した、人工的にスギ花粉を一定濃度で飛散させることができる花粉症調査研究施設(OHIO Chamber)で、スギ花粉症治療に関する研究を続けている。

【千葉こころ】

ビールと映画とMr.Childrenをこよなく愛し、何事も楽しむことをモットーに徒然滑走中。恋愛や不倫に関する取材ではいつしか真剣相談になっていることも多い、人生経験だけは豊富なアラフォーフリーライター。

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