育休を使って飲み歩く夫…“とるだけ育休”に怒る妻たち

女子SPA! / 2020年3月25日 8時45分

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 厚生労働省が、「2020年までに男性の育休取得率13%を目指す」と目標を掲げてから約5年。最近は育休を取得する男性を目にする機会も増えてきました。男性も女性も育児ができるよい流れである一方、「とるだけ育休」という新たな問題が浮上しています。

 ママ向けアプリ「ママリ」を提供するコネヒト株式会社の調査*によると、「育休を取得した男性の約3人に1人が1日あたりの家事育児時間が2時間以下」という実態が明らかになったそうです(夫が育休を取得した508名の母親の回答から)。あくまで一部とはいえ、このような質の低い育休「とるだけ育休」状態にある夫がいることに対して、世間では様々な声があがり始めました。

◆育休をとっただけで、何もしなくても「イクメンですね」?

 実際に夫が育休をとったという、春奈さん(仮名・32歳)に話を聞いてみました。春菜さんは昨年に第一子を出産。そのとき夫は2週間の育休を取ったといいます。

「周囲で育休をとった男性が珍しかったこともあり、夫が育休中という話をするだけで、『イクメンだね!』という言葉が返ってきました。『子育てが初めてでも楽勝だね』と言われたこともあります。その発言に悪意はないのですが、私の中ではモヤモヤが残りましたね」

 春菜さんが感じたモヤモヤとは一体どのようなものだったのでしょうか。

「産後2週間、夫が家にいるだけじゃどうにもならないんですよね……。もちろん、いないよりはいいと思います。けれど、産後すぐの我が子は、日中ほぼ寝ていたので、夫がやることがそんなになかったんですよ。肝心なのは食事や洗濯・掃除などの家事なんですけど、夫は『家事』を『育児』だとは思っていないようで、完全にノータッチでした。気まぐれに替えるオムツとミルクで育児をやった気になっていたんです」

 聞けば、哺乳瓶の消毒やうんちをした際のおむつ替えなど、面倒なことは全て春菜さんがやっていたといいます。

「食事の準備や洗濯は全部私がしました。なぜ、産褥(じょく)期と呼ばれる時期に私は夫の食事まで作っているのか、むなしくなりました。一方、夫は大満足。映画を何本も観て、簡単な育児体験もでき、会社では『イクメン』ともてはやされ、彼にとっては最高の2週間だったようです。『赤ちゃんってやっぱかわいいよね』という夫の発言に、最後は殺意すら湧きました」

 育休をとっただけで、内情を知らない周囲から「イクメン」と呼ばれる夫。春菜さんのモヤモヤはいまだに晴れません。

◆「男は泣き声に反応できないから無理」と言う夫

 育休中の夫への不満から、離婚まで考えているママもいます。昨年出産し、夫が3週間の育休をとったという真理子さん(仮名・38歳)です。

 真理子さんの夫は両親学級に通うなど、産前は育児に積極的だったと言います。

「最初は『いい父親になりそう』と期待していたのですが、育休中の彼は真逆でした」

 真理子さんは、緊急帝王切開で出産。高齢出産に加え出血多量だったのもあり体調がなかなか戻らず、退院後も2週間ほどほぼ寝たきりだったと言います。

「私の母親が家事を手伝いに来てくれたのですが、なぜか夫までほとんどの時間は横になって、テレビを見たりゲームをしたり漫画を読んだり。家事は全て私の母に任せて、一切何もしませんでした」

 産後2週間が経ち、真理子さんの母親は娘を心配しながらも仕事の都合で帰ったそうですが、その後も育休中であるはずの夫の様子は変わらなかったそうです。

「まだお腹の傷は痛むし、寝不足と貧血でフラフラな状態でしたが、全ての家事とほとんどの育児を私がやりました。育児の楽しいところだけ夫に体験させてあげる感じで、夜中の授乳や汚れ物の洗濯などを夫がすることはありませんでした」

 真理子さんは産後の不安定なメンタルもあり、時折泣きながら家事・育児をしていたと言います。

「子どもはかわいいのですが夜の授乳で寝不足が続いて体力的に辛くなり、『たまには夜通しゆっくり寝たいから、1日だけでも夜のミルクをお願いしたい』と夫に言ったら、『男は泣き声に反応できないから起きられないよ、無理』と断られました。それ以来、一度も夜にミルクをあげたことがないばかりか、そもそも夫はいまだにミルクが作れません」

 聞いているだけで、夫は育休中に何をしていたのかと首をかしげたくなります。

◆どういう神経?育休中の夫を飲みに誘う同僚にイラッ

 真理子さんのイライラはまだ続きます。

「夫は育休中、仲のいい同僚と平気で飲み歩いていました。育休中の夫をしょっちゅう誘うその同僚も、どうかしてますよね。夫を注意すると逆切れして喧嘩になるので、私は何も言わなくなりました。酔っ払って帰ってきて、やっと寝かしつけた赤ちゃんを起こして、危なっかしい抱き方をするのでヒヤヒヤしました」

 疲労が重なる真理子さんを横目に、夫は育休中にゲームを一本クリアしたそうです。一方で真理子さんは、疲れとストレスで一時母乳が出なくなったと言います。

 今は離婚を視野に入れて別居中だという真理子さん。「あのまま夫といたら私が精神的に参ってしまい、育児に支障が出ていたかもしれません。今は100%ワンオペ育児ですが、夫といた頃より精神的負担が減り、子育てに集中できています」と晴れ晴れした顔で語りました。

◆「2人で乗り切ろう」育休を有効活用したパパの例

 もちろん、「とるだけ」ではなく、育休を有意義に使った男性もいます。2歳の子供を育てるまどかさん(仮名・33歳)に話を聞いてみした。まどかさんの産後、夫は3週間の育休をとったそうです。

「産前の夫は、家のことを何もしない人でした。でも、両親・義両親ともに頼れなかったので、夫と『2人で乗り切ろう』と話しました」

 実際、まどかさんの夫はどのように育休期間を過ごしたのでしょうか。

「夫はほとんどの家事・育児をやってくれました。おかげで私はゆったりとした気持ちで赤ちゃんのお世話ができたんです。精神的に不安定な時期に夫が側にいて、話を聞いてくれたのもよかったです。夫は私の指示を待つのではなく、自分で積極的に家事・育児をしてくれました。慣れないながらも私と娘のためにがんばっている姿を見て、父親・夫としての信頼感が生まれました」

◆身をもって育児の大変さを理解し、寄り添ってくれた夫

 まどかさんの夫は、育休中にネットスーパーの会員になったり、ルンバを購入したり、育児書や育児グッズを購入して勉強したりと、育児環境をどんどん整えていったそうです。

「私は母乳が出なかったので、夜間のミルクは夫にお願いしていました。夫も寝不足と疲労が続いて辛そうな時期がありました。でも、子育ての大変さを、身をもってわかったようで、『大変な仕事をいつもありがとう』と言ってくれます。さらに、『無理なものは無理』と、いろんなことを割り切るようになり、家事は手抜きをモットーに、お互いできる範囲でやるようになりました」

 まどかさんによれば、夫が育休中に育児の大変さを理解して寄り添ってくれたことが、夫の育休で一番ありがたかったそうです。

「育休中は喧嘩をしながらも、育児・家事について目線合わせができたと思います。かけがえのない時間でした。夫は育休後の今でも、娘の世話を私以上に積極的にやってくれています。なにより子どものことを溺愛していますね」

 まどかさん夫妻にとっては、夫の育休が、とってよかったと言いきれる理想的な期間だったのではないでしょうか。

◆育休中の過ごし方が、その後の夫婦の幸福度を左右する

 冒頭で紹介したアンケートでは、育休の質が高まると、育休取得以後の妻の身体的・心理的負担や孤立感も低くなるという調査結果も出ています。育休をうまく活用し育休の質を高めることで、その後の夫婦関係も良好になりそうですよね。

 あなたの周囲で育休をとった男性は、どんな過ごし方をしていましたか?「パパ育休」「夫の育休」について思うところや体験談のある方は、ぜひツイッターで以下のハッシュタグを使ってツイートしてみてください。

#パパ育休の間違った使い方

#パパ育休の正しい使い方

 一部の「とるだけ育休」パパのために、まじめに育児をしたい男性まで育休が取りづらくなっては困ります。どのパパにとっても「育休」が、子どもや家族と向き合う時間として活用され、幸せな子育ての時間が日本中に広がっていくことを切に願います。

*調査概要

公益財団法人 日本財団とコネヒト株式会社が共同で実施した「パパ・ママの育児への向き合い方と負担感と孤立感についての調査」の回答を再分析

調査日 :2019年10月15日(火) ~ 2019年10月23日(水)

調査方法 :アプリ「ママリ」のユーザーに対してインターネット調査を実施

調査人数 :3,992名(有効回答3,899名、そのうち夫が育休を取得した方は508名)

調査対象 :子供が1人以上いるママ

<文/瀧戸詠未>

【瀧戸詠未】

ライター/編集者。趣味は食べ歩き・飲み歩き。

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