年下男に振り回されて…トキメキとやきもきの最強マンガはこれ

女子SPA! / 2020年6月21日 8時44分

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美波はるこ『隣の男はよく食べる 1 (オフィスユーコミックス)』集英社クリエイティブ

『酒と恋には酔って然るべき』(はるこ名義 原案協力/江口まゆみ)の第4巻、『隣の男はよく食べる』の第1巻が相次いで発売された人気急上昇の漫画家・美波はるこ。

 年下の男に振り回されるOLを書かせたら、天下一品。大人ならではの切ない片想いも悲しいすれ違いも、全て胸キュンへと変えるラブコメメーカーだ。

 トキメキとやきもきの天才・美波はるこの魅力を徹底解析しよう。

◆美波はるこ作品のここがいい!①年下の男たちが魅力的

『隣の男はよく食べる』の主人公・大河内麻紀は、30代半ばのOL。バリバリ仕事をこなしているうちに、気づけば彼氏いない歴10年。

 ひょんなことから隣の部屋に住む20代の男・本宮と知り合いになり、手料理をお裾分けすることに。麻紀の料理を大喜びで食べる甘え上手な本宮と、そんな彼に惹かれながらもつい突っぱねてしまう麻紀。

 やっと素直に肌を重ねたその夜、「彼女はいないよね?」と確認すると、本宮は言った。「彼女になりたい?」

 優しく微笑む本宮→困惑する麻紀→「どう答えるのが正解?」というモノローグ。

 第1話のラスト3コマで、ドラマチックに読者を惹きつける。このやりとりだけでも、第2話以降、本宮の言動に何かとやきもきさせられることが想像つく。

 本宮は、優しくて正直で欲望に素直な青年だ。図々しくてちょっとデリカシーがないが、そこもまた彼の可愛げになっている。

 また、『酒と恋には酔って然るべき』では32歳婚活中の藤井松子が、クールで合理的な会社の後輩・今泉と少しずつ距離を縮めていく。

 自宅でサシ飲みしたり、一緒に初詣に行ったりと楽しく過ごしたのも束の間、今泉は別部署の若い女子社員と付き合い始めてしまう。

 今泉は、わざと思わせぶりな態度をとる確信犯だ。

「寂しいなら泊まっていきましょうか」「だったら俺と結婚します?」など、ドキッとさせるような台詞を連発する。

 しかし、たまに見せる素直さや寂しげな表情についほだされ、読者も松子と一緒になって振り回されてしまう。

 普段は無表情なのに、酔うと笑い上戸になるところも憎めない。

 人懐っこい年下のイケメンが、「酔うと可愛い」「今すぐ抱きたい」と、年上の女を口説き、気をひこうと一生懸命振り回してくれる。そんなアラサーにとっての桃源郷が、ここにあるのだ。

◆美波はるこ作品のここがいい!②主人公に感情移入しやすい

 主人公たちは、ごく普通のOLであることが多い。正直見分けはつきにくいが、読者は彼女たちに自身を投影しながら読むため、性格や見た目が突飛すぎない方がいいのだろう。

 適度に美人で適度に仕事ができる女。そんな「絶妙に身近にいそうな理想の女性」が若い男の一言一句にやきもきしたり、大人の余裕を見せようと意地を張る。その姿は親しみやすく、感情移入しやすい。

 また、会話のテンポが良く、臨場感のあるモノローグで読者をグイグイ引き込んでいくのも、美波はるこ作品の特徴だ。

 ちなみに、『酒と恋…』の松子は重度の日本酒オタクであり、恋愛漫画の主人公にはあるまじき表情をしたり(作中でも「顔がヤバイ」と言われている)、かなり個性的だ。

 作中の年下男子たちは、キュンとするような台詞やしぐさをギュッと凝縮させ、時速200キロ直球ストレートでガンガンぶつけてくる。

 それを主人公が読者の身代わりとなって全身全霊で受け止め、はしゃいだり傷ついたりしてくれるからこそ、我々は安心してイケメンとの疑似恋愛を楽しめるのだ。

 あんな豪速球を実際に受け止めようとしたら、『アウトレイジビヨンド』の加瀬亮のようになってしまうだろう(わからない方は映画を観てみましょう)。

◆美波はるこのここがいい! ③いろんな出会いを楽しめる

 美波はるこ作品は短編の数がかなり多く、男女の出会いのバリエーションが豊かだ。

「血の繋がらないイケメン兄と2人きりで住むことになったら?」

「道で拾った酔っぱらいが実は人気俳優だったら?」

「一度だけキスしたことある会社の後輩と同じホテルに泊まることになったら…?」

 など、誰もが一度は妄想したことのある、ありとあらゆるシチュエーションを楽しませてくれる。もはや胸キュンの総合デパートである。

 主人公がどんな職種であっても、職場での会話やちょっとした仕事のミスの描写にリアリティがあり、ただの夢物語では終わらせない説得力がある。取材を怠(おこた)らない作者の姿勢が伺える。

 また、短編作品には必ず濡れ場があるため、胸キュンだけでなくムラムラした気分も味わえる。女性ホルモン促進に一役買うだろう。

 筆者のオススメの短編漫画は、『ゆきずりの失恋オトコ』(『君の胸に愛を誓う』収録)と『忠犬男子はおねだり上手』(『美波はるこ男子に恋して胸きゅんセレクションvol.1』収録)。どちらも、お相手はもちろん年下男子だ。

 最近、仕事ばかりでトキメキに飢えている方に、是非読んで欲しい。

 いつもより少しだけお洒落して職場やバーに行きたくなるはずだ。素敵な年下との出会いに期待してみよう。

<文/藍川じゅん>

【藍川じゅん】

フリーライター。ハンドルネームは永田王。アダルトサイトにてコラム「鬼性欲ブスのOCCC道場」を連載中。著作は『大好きだって言ってんじゃん』(メディアファクトリー)、電子書籍『女の性欲解消日記』(KADOKAWA)

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