「荷物に触らないで」という客も…宅配配達員が語る、コロナ下の困った客

女子SPA! / 2020年8月2日 15時46分

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写真はイメージです(以下同)

 コロナウィルスの流行以降、対面や密になる場所への買い出しを避けるべく、ネットスーパーや通販サイト、各種お取り寄せなどの需要も急増しています。

 そんな中で、宅配業者は少しでも感染のリスクを避けるために、事前に玄関前や指定した場所に荷物を届ける“置き配”を推奨するなど、新たなルールも生まれました。

 日用品から、自粛生活のストレスを軽減するたまのご褒美の“お取り寄せ品”など、連日さまざまな荷物を届けてくれる宅配業者の方々。コロナの影響がまだ続く中、配達委員の方々に感謝をするならまだしも、なんと最近では彼らを困らせる言動をとりがちな迷惑客も増えつつあるそうです。

◆申し訳なさそうに“拒絶”と“嫌悪”される辛さ

 未知のウィルスを恐れる気持ちも分かりますが、ある宅配業者さんは配達の際にこんな言葉をかけられたそうです。

「飲料水や飲み物を大量に注文された方がいて、玄関前に荷物を置くように指定されました。インターフォン越しにやりとりをして、それじゃあ立ち去ろうとしたら、申し訳なさそうに『荷物にあまり触らないでもらえますか?』『できれば触ったところを拭いてもらいたい』と言われたんです。

 ああ、感染を怖がってるのかなと思ったのですが、わかっていても僕たちが“ウイルスを媒介している奴ら”と言われているみたいで、なんかやるせないですよね。社会的にもみんな余裕がなくなっている状況なので、とくに言い返したりもせずに対応しましたが……」(34歳・男性)

 また、「インターフォンを押さないでほしい」と強い口調で言われた配達業者の方もいたそうです。

「荷物をおいて立ち去ったあとに振り返ると、インターフォンや宅配ボックスをタオルでせっせとアルコール消毒されていたこともあります。予防に懸命なのはいいと思いますが、宅配業者自体がバイ菌扱いされているみたいで悲しくもなります」(42歳・男性)

 宅配業者の方々がいなかったら、今の私たちの生活は成り立たないし、買い物のための外出が増えることでますます感染が拡大していたかもしれません。それでも、漠然とした不安は怖れに変わり、そして排除と差別につながってしまうのでしょうか……。

◆「代引きの現金払いは、ちょっと怖い」と配達員さん

 さらに、現場の宅配業者のみなさんにお話しを聞く中で、ちらほらとあがっていたのが、「この時期、代引きの現金払いはちょっと怖い」という意見でした。

「僕たちも常にコロナの感染の恐怖と戦っています。そんなときに、対面が必須の“現金で代引き払い”というダブルコンボは僕たちだってちょっと怖い。どうしても向き合わないといけませんし、お札や硬貨は汚れているのでいつもより念入りに自分の手を消毒する必要があります。コロナ以前も消毒はしていましたが、状況が状況なので今は何度も除菌シートやスプレーで手をこすります」(28歳・男性)

◆お札をベロベロ舐める困った客も…

 ほかにもこんな意見も。

「対面で現金のやりとりというだけでもリスキーなのに、高齢の方だとお札を一枚一枚指でつばを付けて数えるんです。昔からの習慣なのは分かるけれど、こんな状況なので思わず『お札は綺麗ではないので、指を舐めない方がいいですよ』と言ったんです。

 すると、『ああ、そうだね』と一瞬は止まるのですが、今度は渡したお釣りのお札を舐めて数え初めてしまったり……。お互いのリスクのためにも、なるべき代引きはやめてほしいです」(44歳・男性)

 中には、「代引きの現金を用意するといって、玄関先で20分以上待たされた」というなかなかつらい報告も。

「伺う直前にお電話をしても、金額ぴったりの現金がなかったり、そもそも現金自体用意していなくて『今からすぐコンビニのATMでおろしてきます!』というお客さんもいるのですが、コロナもまだ完全に終息していないこの時期にそれは正直しんどいです。家の中だから住人はマスクをせずに咳をしていたり、そんな状況の中で何十分も待たされるのは……感染のリスクや不安を少しでも軽減するために、接触時間はなるべく短くを心掛けてほしいです」(47歳・男性)

◆しんどいときだからこそ、一言の労いの言葉が心に沁みる……

 届ける側、受け取る側、どちらもあまり余裕がないこの現状ですが、そんなときだからこそ「ほんの些細な一言でも、声をかけられると嬉しい」と配達員の方々は口を揃えて言います。

「同業者と話していても、最近よく心が折れそうな話も聞きます。でも風当たりが強いときだからこそ、たまにかけていただく“労いの一言”がすごく沁みるんですよ。『大変なときだけど、いつもありがとう』『お兄さん(お姉さん)も怖いだろう……ほんと助かっています』など。感謝をしてほしいわけではないのですが、ほんの一言声をかけてもらうだけで心にちょっとだけ余裕が生まれるんです。『大変だけど、お互い頑張ろうね』と言われたときには、それだけで報われた気がしました」(33歳・男性)

「コロナの影響で宅配ボックスを設置してくださる方も増えましたが、その説明の紙に一言『大変なときにありがとうございます! 助かってます!』と、イラストとメッセージが添えてあったんです。ボックスの設置はすごく助かりますし、手渡しはできなくてもすごく人の温かみを感じました」(33歳・女性)

 今、社会全体にまとわりつくピリついた空気と、行き場のない不安とモヤモヤ。闇雲に誰かを攻撃してしまうのではなく、ちょっとした思いやりを持てれば“優しさと余裕”も生まれていくのかもしれませんね。

<取材・文/赤山ひかる>

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