渋谷ハロウィン、今年も混雑?「コロナは怖くない」という20代も

女子SPA! / 2020年10月29日 8時45分

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ハロウィンの渋谷(2018)

時に若者が暴徒化するなど、たびたび世間を騒がせてきた渋谷のハロウィン。今年はコロナ禍で事実上の中止勧告が出ているが、果たして、あの異様な熱狂は、今年は鳴りを潜めるのか?それでも渋谷に繰り出そうと意気込む参加者たちの声を聞いた。

◆超厳戒下の渋谷ハロウィン

秋の風物詩として日本でもすっかり定着したハロウィン。渋谷では、’12年ごろから10月31日前後にスクランブル交差点などを若者たちが仮装をして練り歩くようになった。だが、流行の裏で暴動や痴漢、騒音トラブルが社会問題化。これに対抗するため、近年は警察による取り締まりが強化され、平穏なハロウィンナイトになりつつある。さらに今年は新型コロナウイルスの影響が加わり、渋谷区はSNSや区長による記者会見で“自粛”を呼びかける超厳戒態勢だ。渋谷で遊ぶパリピな若者たちは当日どうする予定なのか。

「3年前から毎年参加しているので、今年も当然行くつもり」と参加を誓うのは、神奈川県に住むDJの蒼さん(仮名・20代)。

「今年はキョンシーのコスプレで参戦します。特に理由はないけどかわいいしセクシーなので!去年は1000円くらいで買ったサイバー系キャラのコスプレでした。コロナは全然怖くない。やりたいことをやらないと死んだと一緒なので思う存分騒ぐ。むしろSNSで『こいつハロウィン行ってるぜ』と炎上するのが楽しみです」と誹謗中傷ウェルカムのスタンスだ。

◆専門家も「結局人混みができるのでは?」と予想

 医療事務をする森田亜衣奈さん(仮名・23歳)は「当日は友人と六本木のパーティにコスプレで参加するので、ついでに渋谷に寄ってセンター街を歩きます。マスクは着けるのでコロナは怖くない」と話す。

 感染拡大がひと息ついたこともあり、気の緩んだ若者も増えているようだが、今年も例年と同様、渋谷に大量の人がなだれ込むのか? 若者文化を研究する原田曜平氏は次のように予測する。

「今年はハロウィン当日が土曜日なので一定数は来るはず。仮装目的以外でも、郊外に住む地元好きの“マイルドヤンキー”と呼ばれる若者の中には自粛ムードが弱まっている人もおり、『今年も渋谷で騒いでやろう』と来るかも」

 また、「日本ハッピーハロウィン協会」会長の岡本恭和氏は「騒ぐことだけが目的の人は減る。けれど、テレビ中継を見て混雑してないようであれば駆け込みで集合してしまうかも。結局人混みができるのでは?」と見通しを語る。

◆行きたいけど…周りの目を気にして迷ってる人も

 堂々と参加表明する人がいる一方、周りの目を気にして参加するかどうかを決めかねている人も。

「今年初めて渋谷のハロウィンに参加するつもり」と話すのは美容関係で働く岡田夏希さん(仮名・24歳)。「ハロウィンといえば渋谷だし一度は行ってみたい。特に今年はコロナの影響ですいていそうなので」と意気込むものの、「自粛警察が怖いので、行こうか悩んでいる」と胸の内を明かした。

 さらに、毎年参加しているというミュージシャンの櫻井孝弘さん(仮名・34歳)も「参加はSNSで様子を見てから決める。行くとしたらコロナが怖いので、チャック付きマスクのコスプレ。一応マスク着用にはなるので」とコロナ感染のリスクを考慮していた。

 これについて原田氏は「若者の間ではSNSでの“自粛警察的ムード”が強い。コスプレ写真をインスタグラムのストーリーに載せると仲間内で批判を受けるので、参加に躊躇している人が多い」と分析する。

◆オンラインは不評?やっぱりリアルで楽しみたい

 渋谷区公認の配信プラットフォーム「バーチャル渋谷」では、オンラインイベントを実施予定。仮装コンテストやきゃりーぱみゅぱみゅなどのライブが配信される。初の試みに対して若者の意見は?

「サイトの使い方がわからない。楽しそうではあるけど、そろそろ外で遊びたい」と前出の森田さんと岡田さんは本音を漏らす。

「実際に楽しむ人は少ないと思います。授業がオンライン、仕事もテレワークが推奨されていて若者もストレスが溜まり、リアルな付き合いを欲している」(原田氏)

「初の取り組みでどうなるかわからないが、画面上でトラブルが多そう。ネットを使わない人は結局リアルに集まるので入場規制などの措置をすべき」(岡本氏)

 今年のハロウィンは満月でブルームーンが見られる。「ハロウィンといえば満月のイメージがありますが、実は数十年ぶりと貴重。お月見ハロウィンを渋谷で穏やかに楽しんで欲しい」と岡本氏は願う。

 コロナで厳戒下となる渋谷で、今年はどんなバトルが繰り広げられるのか?大人は静かに見守りたい。

◆毎年頭を抱えている渋谷区の意見は?

 渋谷区は昨年、ハロウィン期間中の安全対策として、区内での酒類販売自粛を含む「路上飲酒禁止条例」を施行した。また警視庁も数百人の機動隊員を投入。万全の態勢で当日に備えた。これにより大きなトラブルは回避できたものの、網の目をかいくぐり酒類を持ち込む者や、改造車での侵入による騒音、ゴミ問題、痴漢被害など、少なからずの課題を残す結果となった。渋谷区住民や商店街は、一部の訪問者たちのマナーの悪さに毎年頭を悩ませているという。

「県外のコや普段渋谷で遊んでいないコたちが大騒ぎしているだけであって、僕を含めて渋谷でずっと遊んでいるやつらからすると迷惑でしかない」

 こう語るのは、渋谷区観光協会の観光大使、あっくん。

「渋谷のギャルってハロウィンで遊んでるって思われがちなんですけど、逆に街を守るために『渋谷を汚すなよ、暴れるなよ』って呼びかけているんです」

 昨年は周囲のインフルエンサーたちに声をかけ、ゴミ拾い活動を行ったという。「今年もやります。みんな渋谷の街が大好きだから、マイナスのイメージを持ってほしくない気持ちは同じ」

【渋谷区観光大使・あっくん】

日本一のお祭り男、「渋谷で会える」パリピの教祖、サウナアドバイザーなど多彩な顔を持つ。現在はアーティスト業やタレントとして活動中。

◆著名人たちによるハロウィンのマナー啓蒙PR動画も

 また、渋谷区観光協会は昨年、ラッパーのZeebra氏を筆頭に、著名人たちによるハロウィンのマナー啓蒙PR動画を配信した。

「区がイベントを主催すれば、人数を分散させることも明確なルールを決めることもできる。しかし、そのための場所がないのが現状。僕たちは規制をすることの難しさも理解しています。いま僕たちにできることは、マナー啓蒙をしていくことなんじゃないかと」

 今年、渋谷区は「感染“0”」「迷惑行為“0”」をスローガンに掲げ、マナーの向上に努めるという。「今年渋谷区はバーチャルハロウィンを推奨しています。それが成功するか失敗するかと悩むよりも、ポジティブに考えたい。今後はリアルでもバーチャルでも世界が広がってくれたらうれしいですね」

 コロナ禍で世の中が大きく変化していく中、渋谷ハロウィンも新たな課題を迎える。区の努力をムダにしないために、今年は「参加しない」「バーチャルで参加する」という選択肢も必要になりそうだ。

【マーケティングアナリスト・原田曜平氏】

若者研究とメディア研究を中心に、次世代に関わるさまざまな研究を行っている。著書に『ヤンキー経済』(幻冬舎)、『さとり世代』(KADOKAWA)ほか。

【「日本ハッピーハロウィン協会」会長・岡本恭和氏】

自身を”かぼちゃ王子”と名乗り、日本におけるハロウィン文化の普及のために地域でのイベント協力や商店街、企業へのアドバイスや情報提供などをしている。

<取材・文・撮影/瀬戸大希 櫻井れき 時弘好香>

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