人気BLドラマ「チェリまほ」に原作漫画ファンもグッときまくったワケ

女子SPA! / 2020年11月19日 15時45分

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通称「チェリまほ」ドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(画像:テレビ東京公式サイトより)

 まさか、この作品が実写化する時代が来るなんて思ってもみませんでした……。『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(テレビ東京系)、通称「チェリまほ」は『パパと親父のウチご飯』でも知られる豊田悠の漫画が原作のドラマです。

 筆者はもともと原作漫画を読んでいたのもあり、密かに「実写化するなら誰がイイかな~」なんて勝手にキャスティング会議を脳内で繰り広げていた者としては、見逃すわけにはいかなかった今作。自分なりにグっときまくったポイントをつづっていきますので、まだ視聴していない方や見るのを迷っている方、ぜひ参考にしてくださいませ。

◆陰キャの童貞魔法使いの成長物語

 主人公は、30歳の誕生日に「触った人の心の声が聞こえる魔法」を手に入れた安達清(赤楚衛二)。同期のイケメンエリート・黒沢優一(町田啓太)が自分に好意を抱いていることを知ってしまったことで、2人の関係が次第に変化していきます。

 全てにおいて完璧な黒澤の中からあふれ出る、狂おしいまでの自分への恋心に、戸惑いを隠しきれない安達。しかし、その想いを知ってからは少しずつ黒澤に特別な感情を抱き始めていることに気づきます。

 近年すっかり市民権を得て増加しつつある実写のBL作品。今作の特筆すべき事項は、何と言っても主人公が「人の心が読めるようになった」というファンタジー要素です。三十路の童貞=魔法使いというある種のスラングを、ここまで愛を持って昇華した作品は他にないでしょう。

 安達は魔法使い化したことで、これまで知らなかった周囲の人々の真実に触れていきます。そのひとつが、自分とは違うステージにいる人間だと思い込んでいた黒沢の真意です。自分への恋愛感情だけでなく、自分を同僚として認めて尊重していること、彼自身にも悩みが迷いがあること……それを知ったことで、安達は陰キャでモテないと思い込んでいた自分から少しずつ脱却していきます。

 魔法を手にしたことをきっかけに一歩一歩成長していく安達の姿には、「頑張れ!」とついつい応援の声をかけたくなります。そのため安達を想う黒沢の気持ちにも説得力があり、彼の心が発する「可愛い」にも完全同意できてしまいます。

 そして、現実には人の心が読める魔法なんかはないけれど、「どうせ自分なんか」と卑屈になっているだけは前に進めないのだと、このドラマは語りかけてくれているようにも思うのです。

◆ダダもれしていく黒沢の心の声

 安達が「モテオブモテ」「同期であることと性別以外は共通点ゼロ」だとばかり思っていたパーフェクトエリートの黒沢。実は意外にも努力家でそれなりに悩みもある、普通の男である一面も持っています。

 とはいえ、普段の生活の中で黒沢はそんなことは億尾にも出しません。仕事がデキるイケメンとして如才(じょさい)なく振舞い、自分でもボロが出ているなんて一切思っていません……安達に心を読まれてさえいなければ。

 黒沢が脳内で考えていることは、安達が触れたら最後、すべてダダもれです。安達への恋心も、煩悩も、後輩の六角(草川拓弥)や藤崎(佐藤玲)への嫉妬心も。

 黒沢の饒舌かつ暴走気味な心の声は、普段の彼との凄まじいギャップを生み出し安達を混乱させます。しかしながら、その気持ちに安達もドキドキし始めてしまっていることも事実。そう、この一方通行な心のやりとりや表情に、見ているこっちは思わずキュンとしてしまうのです!

 特に個人的に推せるのが、安達が触れていないけれど何かしら思うところがある時の黒沢の表情。特に6話のたこ焼きパーティーでは、六角に対して確実にジェラシーを燃やしてるのに表に出そうせず頑張っているという絶妙な顔つきがツボに入りました。ここ、演じる町田啓太の演技力が感じられる部分でもあって非常に面白いです。

◆もう一人の魔法使いの恋

 このドラマには主人公とは別に、もう一人の魔法使いが登場します。安達の大学時代からの友人であり小説家、そして安達と同様に童貞である柘植将人(浅香航大)。

 少々偏屈でやはり陰キャ系の彼もまた、30歳で人の心が読める魔法を手に入れました。ある日、パッと見が完全にパリピである宅配員の綿矢湊(ゆうたろう)に荷物の受け渡しで触れたことで、人生が激変。綿矢の優しい心根にときめいて、自分より遥かに年下の若い男子に恋心を抱いてしまったのです。

 こちらは安達と黒沢の物語とは別枠で進んでいるため、柘植の恋心はゆっくりゆっくり加速中。綿矢に会いたいがために大量の宅配を頼んでしまうなど、柘植が自身の感情を否定しながらも恋にハマっていく様がなんとも愛おしいのです。

 6話では安達の後輩の六角が綿矢と大学時代のサークル仲間だったような描写が出てきました。もしかしたら、こちらの話が本編とつながる瞬間が今後あるのかもしれませんね。

 7話では、ついに黒沢が安達に想いを告白。安達はどう受け止めるのか。さらに柘植と綿矢の関係はどうなっていくのか。実はこのドラマ、全何話なのかが明言されておらず、原作のどこまでを描いてくれるのか気になるところなのですが……。2人の魔法使いの恋模様、ラストまでしっかり見届けたいと思います!

<文/もちづき千代子>

【もちづき千代子】

フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。度を超したぽっちゃり体型がチャームポイント。

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