霜降り、マヂラブら学生お笑い出身がM-1連続優勝するワケ
女子SPA! / 2021年1月21日 18時46分

(画像:M-1グランプリ Instagramより)
マヂカルラブリーが優勝したことが記憶に新しい『M-1グランプリ2020』(テレビ朝日)。
ここ数年のM-1優勝芸人にはある共通点があるといわれています。それは、NSC(吉本総合芸能学院)などの芸能事務所の養成所ではなく、学生お笑いシーンの出身者だということ。
マヂカルラブリー(2020年優勝)、ミルクボーイ(2019年優勝)、霜降り明星(2018年優勝)は、いずれも高校生や大学生の頃から学生お笑いで活躍し、養成所に入らずオーディションを経て吉本興業に所属しています。
◆なぜ学生お笑い出身芸人は強い?
この3組以外にも、大学のお笑いサークルに所属していた若手芸人が多数活躍しています。
例えば、早稲田大学「お笑い工房LUDO」からはひょっこりはん、にゃんこスターのアンゴラ村長、ハナコの岡部大。大阪芸術大学「落語研究寄席の会」からは、ミルクボーイ、ななまがり、空気階段の鈴木もぐら。上智大学「お笑いサークルSCS」からはラランドなどです。
学生お笑い出身の芸人が賞レースで活躍する理由をお笑い評論家のラリー遠田さんにうかがいました。
――学生お笑いシーンは近年レベルが高くなっているのでしょうか?
「私自身も学生芸人のお笑いコンテストの審査員を務めたこともありますが、レベルは年々高くなっていると思います。今は各大学にお笑いサークルがあり、自分たちが主催するライブやコンテストなどを通じてサークル同士の交流も盛んです。その中で学生芸人同士で切磋琢磨することで芸を磨いているのだと思います」(ラリー遠田)
――なぜ、ここ数年の学生お笑い出身者が賞レースで活躍しているのでしょうか?
「お笑いサークルで活動をしている学生は、デビュー前からプロの芸人のような経験を積んでいるため、基本的な技術レベルが高く、舞台慣れしているという強みがあります。
スポーツの世界でも学生のときに活躍している人がプロに入ることがあるように、お笑い界でも学生とプロが地続きになりつつあるのです」(ラリー遠田)
では、賞レースで活躍する3組のこれまでの軌跡を紐解いてみましょう。
◆霜降り明星 高校生のお笑い賞レースで出会った若き天才芸人
『M -1グランプリ2018』優勝の霜降り明星は、ツッコミの粗品(28)が高校1年生で『R-1ぐらんぷり』に挑戦し、せいやが小学生からテレビ番組で漫才をするなど、お笑いの才能を発揮していました。
そんな2人が出会ったのは、高校生お笑いNo.1を決める「ハイスクールマンザイ」。粗品は高校2年生の時、同級生とコンビを組み決勝進出を果たしました。せいやはその翌年の2010年に高校3年生で初出場し、近畿地区予選で2人は初対面し交流がスタートします。
その後、粗品は同志社大学、せいやは近畿大学へそれぞれ進学。粗品は大学1年生で吉本興業のオーディションを受け、ピン芸人として所属することになりました。
せいやは国語教師を目指し大学生活を送っていましたが、粗品から熱烈な誘いを受け、「粗品の相方」として吉本興業に所属することに。
しかし、粗品はピン芸人として史上最年少で『2012年オールザッツ漫才』のFootcutバトルに優勝するなど、すでに「若き天才」として評価されていたため、せいやは吉本入りした当初「粗品が連れてきた素人」だと周囲から芸人としてなかなか認めてもらえず、大変な苦労を重ねることになりました。
そんな2人は「M-1グランプリ2018」で史上最年少で優勝します。今年4月からは初のゴールデンタイムのMCを務めることが発表されており、若手芸人を牽引(けんいん)するコンビとしてますます期待が高まっています。
◆ミルクボーイ 大阪芸大出身 暗黒時代を経て王道の漫才師に
「コーンフレーク」ネタで『M-1グランプリ2019』で優勝したミルクボーイ。ツッコミの内海崇(34)とボケの駒場孝(35)が出会ったのは、2004年に入学した大阪芸術大学の「落語研究寄席の会」でした。
内海は高校生時代から「M–1甲子園」(後の「ハイスクールマンザイ」)に出場し、駒場は高校の学園祭で漫才を披露していました。2人は大学1年生で「ミルクボーイ」としてコンビ結成します。
大学在学中から、『M-1グランプリ2006』の2回戦に進出し、同年の「大学生M-1グランプリ」で優勝してからプロを意識するようになります。そして2007年にオーディションを受けて吉本興業に所属することに。
2008年に無事大学を卒業し、M-1優勝を目指そうとした2人でしたが、2010年にM-1グランプリという番組そのものが終了してしまいました。
人生の目標を失なったまま、ミルクボーイは数年間を過ごします。しかし2015年にM-1グランプリが復活。病を抱えた内海の母からの激励や、周囲の人々に後押しされ、再び漫才に真摯に取り組み始めました。
そして2019年10月に「関西演芸しゃべくり話芸大賞」グランプリに輝き、同年の『M-1グランプリ2019』で初の決勝進出を果たすと見事優勝します。「自分達は漫才師」という矜持を持ち、東京進出せず劇場の舞台に立ち続けています。
◆マヂカルラブリー 地下芸人を自称、賛否両論を巻き起こした独自のスタイル
学生時代からコンビを組んでいた霜降り明星やミルクボーイと違い、マヂカルラブリーのコンビ結成はツッコミの村上(36)の大学卒業後でした。
ボケの野田クリスタル(34)は高校生時代から同級生と組んだコンビでM-1の3回戦に進出し、16歳で東京吉本に所属しました。一方、村上は法政大学在学中に「大学お笑い日本一決定戦」に出場し、2005年、2006年と連覇を果たしています。
村上が大学を卒業し、同級生が就職したことから相方を探していた時に野田クリスタルと出会いコンビを結成しました。その頃すでに東京で「地下芸人」として活躍していた野田クリスタルの影響で、マヂカルラブリーはマニアックな笑いを追求していきます。
結成後すぐにM-1グランプリの3回戦まで進出し、『THE MANZAI』(フジテレビ)の2011年、2012年の認定漫才師に選出されるなど、賞レースに挑戦し続けます。
『M-1グランプリ2017』では初めて決勝進出しますが、審査員の上沼恵美子に酷評され10組中最下位という結果に。ひどく落ち込んだ2人でしたが、昨年ついに優勝を果たしました。
優勝後も「地下芸人」を自負するマヂカルラブリーは、今年1月に地下芸人達を集めた配信イベント『マヂカルラブリーno寄席』を主催。お笑いマニア向けのイベントにも関わらず、チケットの配信枚数は1万4000枚を超え、吉本興業の配信ライブチケット歴代最高記録を更新しました。
学生お笑いで活躍した若者がオーディションを経てプロになる流れが確立されつつあるようです。これからオンライン化が進む世の中で、また新しい芸人への道が開かれるのかもしれません。
<文/都田ミツコ>
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