二度も天国へ逝くのを待ってくれた…難病FIPで亡くした3歳の愛猫ツナ

女子SPA! / 2021年3月2日 15時46分

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左から、ツナくん、タクトくん

【○○さん家の猫がかわいすぎる Vol.43】

 愛猫の死は「ペットロス」という言葉で片づけられないほど、苦しいもの。特にある日突然、病気が判明し、あっという間に愛猫が天国へ逝ってしまうと、気持ちをどう整理すればいいのか悩んでしまいます。

 3歳という若さでツナくんを亡くしたmabu0408さんも、いまだに言葉で表せない感情と闘っているひとりです。

◆男気があり、甘え下手だったツナ

 mabu0408さんは先住猫のお友達として、保護猫カフェから茶トラの子猫・タクトくんをお迎え。その後、2匹の歳の差を考慮し、タクトくんの遊び相手として、ツナくんを迎え入れました。

 実はmabu0408さん、長女のように思っていた猫を亡くしてからずっと男の子ばかりを迎えてきたため、タクトくんの後に迎える「人生最後の子」は女の子にしようと決めていました。

「でも、ツナの柄や表情がなぜか亡くなった長女と似ていて。性別関係なく、この子にしようと決めました」

 家族の一員となったツナくんはすぐにタクトくんと打ち解け、先住猫とも仲良しに。3匹で猫団子を作ることもありました。

◆ツナくんとの2人だけの秘密

 ツナくんはそれほど月齢が変わらないのに、自分が甘えるよりもタクトくんに甘えさせてあげることを好んだそう。2匹はよく、抱き合いながら眠っていました。

「ただ、ツナは私にだけは甘えん坊な姿を見せてくれました。夜中や朝方にトイレへ行くと、目で抱っこを要求してくるので、ツナの気がすむまで何時間もトイレでお尻を出したまま抱っこをしていたのは、2人だけの秘密です。一方で、主人とは一度も寝ませんでしたが(笑)」

 共に暮らす中で、mabu0408さんはツナくんの意外なギャップも知りました。

「いつもクールなのに大嫌いな爪切りやシャンプーの時は暴れ倒す(笑)、豹変ぶりがユニークでした」

 人生初となる長毛種との暮らし。それはmabu0408さんにとって、とても楽しいものとなっていました。

◆大好きな愛猫がFIPになってしまった…

 ところが、3歳を目前にしたある日、突然、ツナくんの偏食がいつもよりもひどくなり、mabu0408さんは動物病院へ。一度は回復したように思えたものの、すぐに再び食欲不振に。何かおかしいと感じ、動物病院を再受診。

 最初は病気の診断が難しかったため、免疫力を高める薬を飲ませつつ、検査をしていくことに。その結果、判明したのは「猫伝染性腹膜炎(FIP)」であるという悲しい事実でした。

 FIPは現段階では効果的な治療法が分かっておらず、若くして発症した場合は亡くなる可能性が高いといわれています。症状によって「ドライタイプ」と「ウェットタイプ」に分けられますが、ツナくんの場合はドライタイプ。体重の減少や顔の震え、黄疸などが見られていました。

 突然始まった闘病生活にmabu0408さんは心を痛めつつも、快適に眠れるように配慮したり、フェリウェイを使用してリラックスしてもらおうとしたりと、懸命にサポート。

「正直、闘病中にはツナがツナでなくなってお世話をするのも大変になるから……と安楽死の話もでました。でも、命を育てるのなら最期はきちんと看取ると決めていたので、私の中で、その選択はありませんでした」

◆発症からわずか3か月でお別れ…

 別れは、突然訪れました。それはFIPであることが発覚して3か月ほど経った頃のこと。その日、ツナくんは珍しく朝から体調がよく、家の中を一周。大好きな窓辺で日向ぼっこを楽しみました。

 通院の予定があったため、mabu0408さんと共に病院へ。しかし、病院に到着した途端、発作が起き、ツナくんは危険な状態に。

「心臓が止まりかけましたが、以前、主人が主治医に愛猫を看取れなかったと話したことがあったので、主人が病院に来るまでの間、先生は懸命に手で心臓マッサージをして下さいました。そしたら、ツナは主人が病院に到着するまで頑張って生き続けてくれた。病院に到着した時と主人が病院に到着するまでの2回も、止まりかけた心臓が動いたんです」

 最後の力を振り絞ったツナくんはその後、タクシーでの帰宅中、mabu0408さんの腕の中で静かに息をひきとりました。

「もっと一緒にいられると思っていたから、ゆっくり時間をかけて少しずつ関係を築こうとしていました。自分なりに愛情は注いでいたつもりですが、もっとたくさん気持ちを伝えていたらよかった。タクトが甘えん坊な分、寂しい思いをさせていたんじゃないかと後悔しています」

 初めての長毛種だったため、共に暮らす中では試行錯誤したことも。しかし、そうした日々も、いま思い返せば宝物のよう。だからこそ、自分の気持ちは本当にちゃんと伝わっていたのか、愛情は足りていたのかとmabu0408さんはずっと自問自答をしています。

◆FIPの治療法が1日も早く確立されてほしい

「答えを聞くことはできないので、おじいちゃん猫とタクトのケアをしっかりしていくことがツナの供養になると信じ、毎日を過ごしています」

 病気を治してあげられなくて、薬や病院などたくさん嫌なことをして、ごめんね――。そんな後悔はあるものの、コロナ禍によって在宅勤務となったこの時期だったからこそ病気を早期発見でき、いつもの何倍も一緒にいられたことや夫婦で看取れたことに、mabu0408さんは大きな意味があったと感じています。

「短いけど濃い3か月でした。最後まで病気と闘ったあの子は私の誇り。FIPで苦しむ猫や悲しむ飼い主さんがこれ以上増えないよう、1日も早く治療薬や治療法が確立されるようにと願うばかりです」

 ツナ、今でもずーっと大好きだよ――。その想いは、どれだけ時間が経っても色あせません。

<文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>

【古川諭香】

愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291

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