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実家を救うために結婚した女性が、40代で不倫の恋をしてわかったこと

女子SPA! / 2021年7月11日 8時47分

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 結婚したら恋をしてはいけない。かたくなにそう信じてきた女性が、ふとしたことから「恋って楽しい」と思うようになった。

 自分の心と欲望のおもむくままに生きてもいいのではないか。今恋しなければ一生後悔しながら生きていくだけだ。そう思いながら、恋に生きている既婚女性がいる。

◆親戚の紹介で2回会っただけで結婚

 タエコさん(45歳)が結婚したのは24歳のとき。相手は親戚の紹介で知り合った10歳年上の男性だった。

「私はある地方の出身ですが、当時、実家の商売が傾いて、あげく父が病気で倒れて、本当に大変だったんです。私は長女で下に弟もいる。両親は弟には大学へ行ってほしいと言っていました。

 私ができることは親戚の紹介で知り合った男性と結婚すること。私が結婚すれば、実家のことは悪いようにはしないという話でした」

 夫となった男性には二度会っただけで結婚した。嫌なところを見て結婚への決意がにぶるのを恐れていたのだという。

「夫は東京の会社に勤めていたので、私も東京へ。結婚した翌年には長男が生まれ、2年後に長女、その1年後に次男。30歳までに3人の子を産みました」

◆母に「あんたが帰されたら、一家全員終わりだから」

 夫はギリギリの生活費しかくれなかったが、タエコさんは文句も言わず、自宅でできる仕事をしながら子育てと家事を必死でこなした。

「夫は文句の多い人で、おかずが少ない、手をかけた料理がない、アイロンは丁寧にかけろと口うるさかったですね。

 結婚するとき、母親に『あんたの帰る家はもうないんだからね。あんたが帰されたら、一家全員終わりだから』と言われたこともあって、夫には従順に尽くしました。それでもしょっちゅう文句は言われたけど、子どもが3人いれば夫の文句なんて正面からは受け止められない。聞き流す知恵がつきました」

◆収入が減り夫はいばらなくなった

 下の子が1歳を過ぎてからは、子どもたちを保育園に預けて彼女も働き始めた。短時間のパートから始まって、フルタイムとなり、今では正社員となっている。

 現在、子どもたちは20歳、18歳、17歳。まだまだ学費がかかる。だが夫は50歳を過ぎて出向を余儀なくされ、収入も減る一方だという。

「収入は今、夫と私、とんとんです。最近、夫はもう威張らなくなりました。男の人は収入が減ると威張れなくなるのかもしれませんね」

 ずっと家族のためにがんばってきたタエコさん。夫の文句が減り、子どもたちが大きくなったことで、ようやく身の回りを見渡す余裕ができてきた。

◆少しおしゃれをしてみたら

 21年の結婚生活の間、彼女はずっと節約を心がけてきた。だが自分が正社員になったとき、さすがにもう少し自分にも目配りをしなければと思うようになった。

「仕事上、社外の人に会うことも多くなったので、まずはパーマでもかけてみようか、と。私、パーマひとつかけたことがなかったんです、独身時代から。年下の同僚に聞いて美容院へ行き、彼女につきあってもらって化粧道具も買いました。もう素顔でいられる年齢でもないですからね」

 安物ながらスーツも新調、本革の靴も買った。40歳を過ぎてからの初めての“おしゃれ”をしてみたら、周りの反応が激変したという。

「タエコさんって美人だったんだねとか、大人の色気があるとか、いろいろ言ってもらってうれしかったですね。そんなこと言われたことなかったから。

 仕事もますますがんばらなくちゃと思ったし、週末には飲み会なんかにも出るようになりました。もちろん、子どもたちに迷惑がかからない程度に。でも私がいないと子どもたちは解放されるみたい。大学生の長男が、妹と弟に外でラーメンを奢ったりして、きょうだい仲はよくなっていますね」

 そしてタエコさん、仕事で知り合った他社の男性とデートもした。食事だけだが、デートらしいデートは生まれて初めてだった。

「純粋に楽しかった。男性と二人で食事くらいしたっていいんだ、と思いました。実はお酒もいけるほうだったので、行きつけのバーもできたりして。まっすぐ帰りたくない日は、バーで1杯だけ飲んで気分転換をする。そんなことも覚えました」

◆もう自分を止められなかった

 自分を甘やかしたり解放したりすることを覚えたタエコさんは、ついに3年前に恋に落ちる。自分でも、おそらくいつかは、自由に恋をすることになると予感があったそうだ。予感というより、希望だったのかもしれないとタエコさんはつぶやく。

「恋なんてしてはいけないと思っていたし、不倫なんて最低だとも思っていました。でも、夫ではない男性を好きになってしまったんです。相手も好きでいてくれるとわかったら、もう自分を止められなかった。短かったけど燃えるような恋でしたよ。去っていく相手を追うつもりはなかった」

 その数ヶ月後、彼女にまたも好きな人ができた。相手も既婚者だから、密かに静かに恋は進んだが、8ヶ月で恋は終わった。

「2回恋してわかったんです。既婚者は短く太く燃える恋をすればいいんだ、と。長くつきあうからバレるし、執着が出てくる。バッと燃えに燃えてさらりと冷める。それが40代既婚者の恋としてはいちばん楽しいかもしれない」

◆ようやく本来の自分でいられるように

 恋が本物かどうかなんて期間で決めるものではない。この人が好きだと思ったら一直線に向かっていくのだという。

「コロナ禍でこの1年はおとなしくしていますが、恋したい欲求は高まっています。私、ようやく本来の自分でいられるようになった気がする。50歳になるまであと4年、40代でとことん恋をして燃え尽きたい」

 20代半ばで、実家のために半ば自分を犠牲にした結婚をしたタエコさん。30代は夫と子どもに尽くしてきた。40代で初めて恋する気持ちを知った彼女は、家庭と恋を完全に分け、これからは楽しんで生きていきたいと笑みを浮かべた。

<文/亀山早苗>

【亀山早苗】

フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio

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