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ユニクロ初のカフェ「UNIQLO COFFEE」に、ちょっと物足りなさを感じた理由

女子SPA! / 2021年9月29日 8時45分

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 ニューノーマルのお手本、ここにあり。

 2021年9月17日、ユニクロのグローバル旗艦店としてリニューアルした「ユニクロ 銀座店」。

◆ユニクロ初の飲食業態「ユニクロコーヒー」

 その中で新しい取り組みとして注目されているのが、「UNIQLO COFFEE(ユニクロコーヒー)」です。

 こだわりのコーヒーが楽しめるカフェが最上階の12階にオープンしたというので、さっそく足を運んでみました。どんなメニューで、どれほどコーヒーがおいしいのか? どんな空間なのか……?

 結論から言うと、ユニクロコーヒーの空間、人の流れ、サービスのあり方などに、これからの時代を無理なく心地よく活きていくための“ヒント”をたくさん見つけることができました。

 今回はユニクロコーヒーの実体験レポートをお届けしながら、コーヒーの感想や考えさせられたことを正直に綴ってみたいと思います。

◆メニューはたったの4種。潔い

 どんなドリンクがあって、どんな食べ物があるのだろう? とワクワクしながら足を運んでみたところ、なんとメニューは4種。

・ユニクロ オリジナルブレンドコーヒー(HOT/ICE)/200円

・ゲイシャ種ハンドドリップコーヒー(HOT)/450円 ※数量限定

・銀座ウエスト バタークッキー/200円

◆ユニクロコーヒーが目指すのは?想像してみた

 プレスリリースを見たとき、これはあくまでも一例だと思っていましたが、本当にこれがすべてでした。サイズのバリエーションもないので、悩む余地もありません。私が注文したのは、数量限定のゲイシャ種ハンドドリップコーヒーとバタークッキー。

 さまざまなフレーバーのドリンク、サイズやカスタマイズが身近に感じられるようになった今、このシンプル過ぎるメニューの洗練感や潔さは、目からウロコの感覚でした。

 冷静に考えてみると、このユニクロコーヒーが目指しているのは、「主役はあくまでも衣類などの買い物。買い物を快適に楽しみながら、ほどよい癒やしを提供すること。ここでの体験を通して“銀座”を感じること。ユニクロ銀座に来た記憶を素敵に印象づけること」なのでしょう。

◆目の前で丁寧にドリップコーヒーを淹れてくれる

 コーヒーを待つ間にカフェスペースを見渡すと、客席は4席のみ。テーブルや椅子は長居したくなるようなものは置かれておらず、テイクアウトがメインになっています。

◆コーヒーは爽やかな味わい。クッキーとの相性も◎

 そして、提供されたコーヒーとクッキーを並べてみました。

 コーヒーを飲んでみたところ、酸味を感じる爽やかな風味が印象的で、後味が実に軽やか。香り高いバタークッキーとの相性も良く、コンビニやハンバーガー店で手軽に買える100円台コーヒーとは一線を画する上質さが明らかでした。

 また、コーヒーのお供として使われる砂糖やミルクを見てみると、限りなくシンプルで最低限のものが簡素にそろっています。

 ウエストのクッキーはどこか懐かしい空気が漂います。海外客の反応は気になるところですが、日本在住の老若男女多くの人々が気に入りそうな“昔ながらのずっと変わらないバタークッキー”を味わうことができます。

 店内の雰囲気、カウンターでのサービス、コーヒーやクッキーの存在感を含めて、トータルとして「Less is More(≒少ないほうが豊かである)」を想起させる体験となりました。そして、最後に考えてみたいことがあります。果たしてこのコーヒーは、多くの人々に受け入れられて成功するのか? という点です。

◆ユニクロコーヒーは時代を牽引するアイコンになりうるか!?

 やりすぎ感がないこと。シンプルで上質であること。華美過ぎることなく、丁寧であること。私は今回のユニクロコーヒーでの体験を通し、これからの時代を快適に過ごしていくためのヒントや気付きをたくさんもらったような気がします。ただし、すべてにおいて大満足したということでもありません。

 シングルオリジンのコーヒー豆で丁寧に淹れてもらえるハンドドリップコーヒーが、1杯450円。希少なスペシャリティコーヒーなのにこの値段という理解もできますが、1杯のブラックコーヒーを飲むことを考えると、決して安いわけではありません。高級コーヒーを紙コップで出すからこの値段なのだという解釈も心地よくはありません。

 重視したいのは、このコーヒーを飲む体験が、心をほっこり温めてくれるか? という点です。フタやスリーブなどの形状や素材、存在感はもっとずば抜けて先駆け感やユニークさであってもいいのかも、と感じたのです。1杯のコーヒーを手にしたとき、ユニクロのぬくもりや楽しいアイディアを感じながら、最終的にお客の笑顔が溢れるのか?ということが気になるところでした。

 他フロアのインスタレーションやテクノロジーの進化が最先端なだけに、このカフェが今後のライフスタイルを考える上で、“快適さのヒントになるようなアイコン”としては若干弱いかなと、辛口ながらに思いました。

 とにかく、これからの生き方について、ふと考えるきっかけを与えてくれる素晴らしいカフェであることは間違いありません。コロナ禍ではありますが、気になる方はチェックしてみてくださいね!

<取材・文・写真/食文化研究家 スギアカツキ>

【スギアカツキ】

食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12

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