1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

結婚して一度もセックスなし「愛情は給料で示してる」と言う夫に、悩んだ妻の決断は

女子SPA! / 2021年10月2日 8時47分

写真

 30代夫婦のすれ違いやセックスレスの悩みをリアルに描く、松本まりか主演のドラマ『それでも愛を誓いますか?』(ABC・テレビ朝日系)が、10月2日(関西地区では10月3日)からスタートします。

 これまで女子SPA!でも繰り返し取り上げてきた、夫婦のセックスレス問題。セックスレスから不和が生じて不倫や離婚に至る夫婦もいれば、身体の繋がりはなくとも問題なく円満な夫婦もいます。この違いは一体どこにあるのでしょうか。

「問題は、夫婦のコンセンサス(合意)が取れているかどうかです」と語るのは、夫婦関係を長年取材し『夫の不倫がどうしても許せない女たち』(朝日新聞出版)など著書多数の亀山早苗さん。話題の作品と夫婦の問題を、亀山さんが読み解きます(以下、亀山さんの寄稿)。

◆セックス=愛と信頼? セックスレスの何が問題なのか

 愛し合うカップルならセックスをするのが当然、セックスは愛情の証だとする考え方がある。一方で、「愛していない人と性欲だけで結びつくこともある」と知っている人も多い。

 性をふたりの関係の中でどの程度、重視するのか、あるいは個人として相手との生活を送る上でどのくらい比重を占めるのか、それは個人差が大きいところでもある。

 結婚して夫婦となり、子どもを望んでいるなら「セックスして当然」だろう。ただ、相手が「今、子どもをもちたくない」「今はセックスする気がない」と感じていたら、夫婦間で大きな齟齬(そご)が起こる。

 お互いを思いやっているのに、ことごとくすれ違ってしまう夫婦の心理を緻密(ちみつ)に描いている萩原ケイクさんの漫画『それでも愛を誓いますか?』(双葉社)が話題となっている。これが松本まりかさん主演でドラマ化するとのことで、大きな注目を浴びそうだ。

◆『それでも愛を誓いますか?』相手を思うほど本音を言えない

 35歳の主人公・純は、4歳年上の武頼と結婚して8年目、セックスレスになって5年が経過している。子どもはまだいない。武頼は大手ゼネコンに勤め、多忙な日々を送る。一度は専業主婦になった純だが、「夫に養ってもらっている」ことに引け目を覚え、再就職を決意するも、一度、専業主婦になるとそう簡単に就職先は見つからない。ようやく派遣社員として仕事をするようになるが、夫は「無理して働かなくても、オレが養ってやるから」と言う。

 この言葉、ありがたいと思う女性もいるかもしれないが、現代では複雑な思いを抱く女性も多いだろう。老人施設にいる純の母についても、武頼は温かく接してくれるのだが、夫の行動をありがたいと思えば思うほど純の本音は「なぜセックスしてくれないの?」につながっていく。

 一方の武頼にも事情はありそうだ。幼い頃に虐待家庭に育ったらしいトラウマ、「いい父親になりたいからこそ、子どもを持つのが怖い」こと、そしてがんばっている妻への引け目もある。「妻は本当は料理が得意じゃないし好きでもない」と夫は見抜いている。だが、それを妻には言えない。

 お互いに相手を追い詰めてはいけないと思うからこそ、本音を言えずにギクシャクしていくのだ。

 そんなとき、純は夫が外で女性と子どもと一緒にいる姿を目撃してしまう。それも夫には言えないままだ。純もまた、再就職した会社でともに仕事をする一回り下の篤郎のことが徐々に気になっていく。

 セックスレスだから不倫をするとは限らない。不倫をする人は、夫婦仲がうまくいっていてもするものだし、「愛妻家を自他ともに認める男性」であっても不倫することはある。

 一般的に言って、夫婦間のセックスレスというのは何が問題なのだろうか。

◆「オレはもういい、ごめん」セックスの話はタブー

「その話題がタブーになって、そこから双方がどんどん引け目を感じていくことでしょうね」

 自身もセックスレスの経験があるチホさん(39歳)はそう言う。結婚して10年たった今年の春に離婚したばかり。

「うちは“出来ちゃった婚”だったんですが、それっきりレスでした。だから結婚してから一度もしていないんです。

 私から何度も誘ったけど、夫は『疲れているから』の一言だけ。子どものことはかわいがっていたけど、ふたりの会話はどんどん減っていった。そのうち『子どもがいるんだから、今さらする必要もないだろ』と言ったんです。セックスって必要だからするものなの? 私はあなたに触れたいし、愛されていると感じたいと言ったけど、夫は『オレはもういい、ごめん』と」

 みじめだったとチホさんは言う。女として見られていないことが、そしてひとりの人間として敬意をもってもらっていないことが。

「そうなるともう、私からセックスの話題は出せない。夫もその話はしない。日々の会話は子どものことばかり。次第に子どもを通してでなければ会話ができなくなっていきました。寂しかったし、自分の中で夫への愛情が薄れていくのも感じていた」

◆「愛情は給与で示している」と言い放った夫

 子どもが8歳のとき、チホさんは学生時代の同期に再会、一度だけ関係をもってしまう。まだ自分は女として見てもらえることがわかり、うれしかった。一方で、「結婚しているからといって、女として扱ってくれない夫と一緒にいなければいけないのだろうか」と考え始めた。もちろん収入的にはふたりで仕事をしたほうが余裕がある。だが、このまま一生、夫とセックスしないで過ごすのか、自分の性欲を封じ込めたまま暮らすのかと考えるとめまいがしたという。

「性欲を外で満たして、家庭は維持する方法もありましたが、正直言って、私はもう夫を愛せないとわかってしまった。だから離婚を切り出しました」

 最初は絶対に離婚はしないと言っていた夫だが、チホさんは「だったら愛情を行動で示してよ」と詰め寄った。「愛情は給与で示している」と言い放った夫に「価値観が違う」と吹っ切れたそうだ。

「夫婦ふたりともセックスしなくていいよねとコンセンサス(合意)がとれていれば問題はないと思うんです。でも一方がしたくて、一方がしないのなら、きちんと話し合わないと生活にひずみがきます。レスになりかけたとき、私もやはりオープンには働きかけができなかった」 

◆恋愛は女性を自由にするのに、結婚は女性を不自由にしている

 バリバリ仕事をして自分の主張をきちんと表現し、独身時代はセックスについてあっけらかんと語っていても、結婚するととたんに「夫には自分からしたいと言えない」と話す女性は少なくない。結婚したら性的なことは夫のリードに任せるもの、妻から言うのは「はしたない」。今の時代でもそういう価値観が残っているのだろうか。そうだとしたら、恋愛は女性を自由にするのに、結婚は女性を不自由にしていることになる。本来、どういう関係であれ、カップルは対等であるべきなのに……。

 女性と仕事、女性と介護、女性と子ども、女性と結婚、女性と恋愛……。この漫画に出てくるのは、「人生を自分らしく楽しむことができず、どこかで我慢してしまう女性のありよう」である。それは一昔前の感覚ではなく、今もなお日本の女性たちに巣くっている悪しき遺伝子のなせる業なのかもしれない。だからこそ、この漫画が女性たちに支持されるのだろう。

 果たしてドラマではどう描いてくれるのか、楽しみだ。

<文/亀山早苗>

【亀山早苗】

フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング