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『ドクターX』はコロナ禍の今こそ観て!全6シリーズ5回転した女性が熱弁

女子SPA! / 2021年10月14日 15時45分

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(画像:テレビ朝日 木曜ドラマ『ドクターX ~外科医・大門未知子~』公式サイトより)

 全シリーズで高視聴率を記録し、多くのファンに愛されてきた『ドクターX ~外科医・大門未知子~』。待望のシリーズが、10月14日からいよいよ始まります(テレビ朝日系、毎週木曜夜9時~)。今年10年目を迎えた国民的人気ドラマである本作は、今回で第7シリーズ目に突入。

「私、失敗しないので」「いたしません」の決め台詞でおなじみ、群れを嫌い、権威を嫌い、束縛を嫌い、専門医のライセンスと叩き上げのスキルを武器に突き進むフリーランスの外科医・大門未知子(米倉涼子)を主人公に描く医療ドラマ。

 熱烈なファンを持つ本作ですが、一方で「シリーズが長すぎて今さら見る気には……」「再放送で少し観たけどよくわからなかった」なんていう人も少なからずいるのでは? そんな人にこそ、ぜひぜひ伝えたい! このコロナ禍で、不条理とストレスにまみれた今だからこそ観て欲しいドラマとして、『ドクターX』の各シリーズを5回転以上観た筆者が、僭越(せんえつ)ながらご紹介します。

◆社会の理不尽さや不公平感を、爽快に一刀両断!

 舞台となる「東帝大学病院」は、有名国立大学病院で本院があり各地方に分院があるマンモス病院という設定で、大門未知子が嫌う「群れ・権威・束縛」の象徴。そこには利権争い、出世レース、ありとあらゆる欲が渦巻いており、多くの人が社会に出て感じたことがあるであろう、本来の理想とはかけ離れた“理不尽さや不条理さ”が表現されています。

 大門未知子を雇う病院(本院だったり分院だったり)や組織が直面している問題には、シリーズ毎にその時々の世相が反映されています。徹底した取材から脚本を執筆することで有名な脚本家・中園ミホ(『やまとなでしこ』『ハケンの品格』でも有名ですね)の作品らしく、思わず「こういう理不尽、あるある」「こんな上司いる」とうなずくことも多々。

 そんな医療現場に颯爽(さっそう)と現れた大門未知子が、無理だといわれる高難度の手術を「私、失敗しないので」と次々と成功させるお仕事ドラマ……に、留まらないのが『ドクターX』の更なる魅力! 難易度の高い仕事(オペ)を通して、社会・病院の理不尽さや不公平感を一刀両断してくれる痛快さが、多くのファンに愛される所以(ゆえん)でしょう。

 このコロナ禍でモヤモヤイライラする時期に、改めて『ドクターX』の過去シリーズを観返したファンも多いようです。現に筆者も、すでに何度も鑑賞済みだった全6シリーズを新たに2~3回転(※ながら見も含めて)しました! それは、勧善懲悪の安心感と爽快感に元気をもらえるから。2020年の不安な世の中で『半沢直樹』(TBS系)がヒットしたのも同じ理由だと思われます。

 10月14日から始まる待望の第7シリーズは、世界中で感染症が猛威を振るう100年に1度のパンデミックによって医療崩壊が起こっている「まさにコロナ禍じゃん!」という設定。いま、私たちが日々感じているモヤモヤを思いっきり吹き飛ばしてくれるはず!

◆「私、失敗しないので」の決め台詞に隠された背景

 大門未知子は「特技:手術、趣味:手術」。医師免許がなくてもできる仕事(例えば、論文のお手伝い、愛人の隠蔽工作、飲み会のお付き合い)は「一切いたしません」と言い切り、難しい手術でも「私、失敗しないので」と決め台詞を言い放つ。これだけ聞くと、大門未知子をプライドが高くてめっちゃ腕のいい医者なんだろうなと思ってしまうのですが……実はそれだけではありません。

「私、失敗しないので」の決め台詞は、「失敗された患者に次はない」からこそ、患者自身(肩書やお金ではなく)と正面から向き合い、あらゆる事態を想定した入念な準備と、技術と知識のアップデートをし続けるプロ意識からきています。患者のために自らの退路を断つ、超絶かっこいい一言なのです。

 大門未知子の医師としてのプライドに触れ、思わず涙してしまうシーンがあります。それは、第5シーズンの最終話。自分自身が難病(ステージ3の後腹膜肉腫)を患い苦しみながら、敵対していた内神田景信(草刈正雄)の手術中に語った台詞。

「外科医の手術力は、最初のトレーニングで決まる。どれほどの熱意をもって、手術を学ぶか、どれほどの上手い外科医の手術を見るか。川の水が流れるように、基本手技を反復し、美しい最終術野を作る。それが理想の手術。そして、一番大切なことはどんなに厳しいオペでも、決して患者を見捨てないこと」

 絶対に患者を見殺しにしない大門未知子の姿は、今の私たちが抱えがちな絶望や不安からも、救ってくれるかのようです。

 大門未知子に惹かれるのは、外科医としての姿勢だけに留まりません。すかっとする歯に衣着せぬ発言に、モデルのような美しいプロポーション、マスクをしていても表情がわかる強烈な目力、仲間内に見せるチャーミングな笑顔も見どころのひとつです。2020年3月に所属事務所から独立し、より強い輝きを放っている米倉涼子が、10年間かけて築き上げた大門未知子という愛すべきキャラクターに今回も惚れ惚れしてしまうでしょう。

◆岸部一徳、内田有紀、遠藤憲一、名優たちの人間味ある演技

 大門未知子をとりまく人間模様も『ドクターX』の人気を支える要因のひとつです。

 彼女が所属する「神原名医紹介所」の所長・神原晶(岸部一徳)は、元医者であり、大門未知子の師匠。手術のたびに高級メロンと請求書をもってあらわれ、法外な金額をゲットしスキップしながら帰っていく。医学会の各方面にパイプをもち、天才的な腕をもつ愛弟子が大学病院や権力者たちに利用されないように裏でも暗躍します。

 同僚のフリーランス麻酔科医・城之内博美(内田有紀)は、ひとり娘を育てるシングルマザー。大門未知子のオペ技術についていく一流の腕をもち、何でも言い合える唯一の友人でもあります。

 医者として同じ信念をもつ凄腕たちの絆にはときに涙がこぼれる展開も。仲間内で銭湯に行ったり、麻雀・卓球を嗜んだりするシーンも名物です!

 そのほか、大学病院の医局に所属する医師たちもいい味を出しています。大門未知子からいつも「顔怖いよ」といわれる、上に弱く下に強い海老名敬(遠藤憲一)は、直属の上司である病院長・蛭間重勝(西田敏行)に頭が上がらないコバンザメタイプ。大門未知子を「デーモン」とあだ名で呼び、出世や肩書よりもお金が大好きなのが、“腹腔鏡の魔術師” 加地秀樹(勝村政信)。そして、患者に寄り添うことをモットーとするも気が弱く、第1シーズンから登場するのに大門未知子に名前を覚えてもらえない原守(鈴木浩介)は今シーズンも健在!

 彼らは大学病院のなかで、常に「御意(ぎょい)」(ドラマでよく登場する人気フレーズでもあります)を強要され院内政治に巻き込まれているからこそ、大門未知子の「失敗しないので」を秘かに尊敬し、彼女の「いたしません」を羨ましく思っているのです。外科医としての理想の在り方と権力抗争の狭間で、ときに苦悩し、ときに開き直し、ときに立ち向かおうとする姿は、実に人間らしくてつい共感してしまいます。

◆悪役すら愛おしくなってくる! 大ボスを演じる大御所たち

『ドクターX』で毎回注目されるのが、権力者として大門未知子を利用したり、つぶそうとしたりする “大ボス”。これまで毒島隆之介(伊東四朗)や、天堂義人(北大路欣也)、黒須貫太郎(ビートたけし)、内神田景信(草刈正雄)に、ニコラス丹下(市村正親)など数々の大御所たちが演じてきました。

 今シーズンが始まるにあたり、ここで絶対に紹介しておきたいのが、第2シーズン以降毎回登場する“永遠の大ボス”蛭間重勝(西田敏行)です。表向きは温厚ですが、とにかく権力が大好きで女癖も悪い蛭間。欲と野望にまみれ、権力抗争ではかなり腹黒く、患者の命を利用するような冷徹な面すら見せる男です。病院長として登場することが多いのですが、解雇されたり逮捕されたりすることも(!!)。それでも裏工作で不死鳥のごとく大門未知子の前に舞い戻ってくる蛭間は、演じている西田敏行の人間性がにじみ出るからなのか……私利私欲にまみれているのに、なぜか憎めない……どうしても憎めないキャラクターです。自分の欲に忠実で、諦めずに手段を選ばず突き進んでいく姿に一種の羨ましさを感じてしまうのかもしれません。

 さて今シーズンの大ボス、内科部長・蜂須賀隆太郎を演じるのは、狂言師であり、民放連続ドラマ初出演をはたす野村萬斎です。未曽有のパンデミックに直面する「東帝大学病院」で発言力を増した内科部長。院長代理として「薬治療」と「ケミカルサージェリー」を軸とした内科主導の組織にしようともくろみ、大門未知子の手術力を、内科の実験的先進医療の道具として利用しようとします。完璧主義者がゆえに、100%のオペができない自分が許せなくて内科医に転身した蜂須賀に「失敗しない」オペをする大門未知子がどう対峙するのか、どう展開していくのか。大きな見どころになるでしょう。

◆第7シリーズ、第1話の注目ポイントは?

 前述したとおり、今回のシリーズはコロナ禍を想起させる未曽有のパンデミック状態の大学病院が舞台。ここでの「失敗しない」大門未知子の振る舞いは、私たちに大きなパワーをくれることでしょう。いつもの愛すべき常連メンバーが築き上げた『ドクターX』の世界に、大ボス・蜂須賀(野村萬斎)の右腕である広報室長役の杉田かおる、“腰巾着”な副部長役の小籔千豊、アメリカで腕を磨いたスーパードクター役の要潤、初期研修医たちを演じる一ノ瀬颯、宮本茉由、上川周作……と、豪華な顔ぶれが新しい風を吹き込んでくれるはず!

 毎話登場する「ゲスト」も必見で、第1話には岡田将生と冨永愛が出演。『交渉人~THE NEGOTIATOR~』(2008年、テレビ朝日系)以来14年ぶりに米倉涼子と共演する岡田将生が演じるのは呼吸器外科医。猛威を振るう感染症を前に、医師として無力さを感じ、医者であることに悩み迷ってしまいます。

 そして冨永愛が演じるのは、SDGsに精力的に取り組む敏腕政治家。胆石症のオペを未知子に依頼した矢先、急性胆のう炎で倒れてしまう役どころ。大門未知子とのバトルもあるそうで、迫力ある美女同士の対決は見ものでしょう。

『ドクターX』は「定番なのに、飽きがこない」作品です。それは高視聴率であっても慢心することなく、視聴者を置き去りにしない綿密なリサーチに基づいた舞台設定や丁寧なキャラクター設計、医療ドラマとしての高いクオリティに名優たちの心ゆさぶる演技があってこそ。第7シリーズであるものの、いまだ観たことのない人にも、途中で離脱してしまった人にも、ぜひぜひ観て欲しいです!

<文/鈴木まこと(tricle.llc)>

【鈴木まこと(tricle.llc)】

雑誌編集プロダクション、広告制作会社勤務を経て、編集者/ライター/広告ディレクターとして活動。日本のドラマ・映画をこよなく愛し、年間ドラマ50本、映画30本以上を鑑賞。Instagram:@makoto_s.1213

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