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“妻だから”夫に尽くしてきたのに「頼んだ覚えはない」と言われたら?|松本まりか『それ誓』で考える夫婦関係

女子SPA! / 2021年11月20日 15時47分

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画像:ABCテレビ・テレビ朝日『それでも愛を誓いますか?』公式サイトより

 ドラマ『それでも愛を誓いますか』(ABCテレビ・テレビ朝日系)の第6回目。結婚して8年セックスレス5年の純(松本まりか)は、ついに夫・武頼(池内博之)に近づいている彼の高校の同級生・沙織(酒井若菜)と対面する。

 妻と愛人は会わないほうがいい。三角関係の三角は結ばないほうがいい。だが、男をはさんでの女性ふたり、どちらかが意図して会ってしまうこともある。

 こういうケースでは多くの場合、愛人(このドラマの中では関係は持っていないが)のほうが緊張すると思われがちだが、年齢にもよるものの、実際には妻のほうがより神経を張り巡らせているものだ。自分の夫に近づいている女性に対して怒りと警戒心が強まって緊張を強いられるのだろう。

◆“それ”は本当に、夫が望んでいることなのか?

「私は武頼を支えてあげる義務がある。それが妻の務めだから」

 そう力む純に対し、沙織は脱力した様子でこう言う。

「それってタケくんが望んでいることかな」「妻だから、夫だから、夫婦だから。そういうのが誰かを追い詰めているのかもしれませんよ」

 とはいえ、シングルで息子を育てている沙織も、実は武頼を頼りにしている。誰かに寄りかからなければ生きていけない状態なのだ。

 それにしても、「武頼を支えてあげる」という純の言い方がひっかかる。妻という立場にプライドをもっているように見せかけてはいるが、「あげる」とは上から目線だ。尽くしているようで、尽くすことそのものに恩着せがましさが垣間見える。

 純は正社員になることを見越して、泊まりがけの研修に出かけることになる。その前の晩、夫に翌日の夕飯を作り置きする。誰に頼まれたわけでもなく、自ら作るのだ。それが妻の務めだから。そして武頼は翌晩、それをひとりで食べている。純から電話がかかってきて、「多かったら全部食べなくていい」と言われ、一度はタッパーの蓋を閉めるのだが思い直してまた箸を伸ばす。すべて食べる、それが夫の義務なのだろう。

 夫妻ともに義務感に縛られ、関係が行き詰まっていく。それは現実にもよくあることなのではないだろうか。その象徴が、夫からのセックス拒否なのかもしれない。

◆10年も尽くしてきた夫に「頼んだ覚えはない!」と言われて

 結婚して10年。8歳のひとり娘がいるルリコさん(39歳)。3歳年上の夫とは共働きだが、ほぼワンオペで子育てと家事と仕事をこなしてきたと自負している。

「つい先日、夫と些細なことで口げんかになったとき、『私がこんなに尽くしてきたのに、あなたは何もしてくれなかった』と私が叫んでしまったんです。すると夫が『尽くしてくれなんて頼んだ覚えはない』と言い放って……。え? と頭がフリーズしてしまいました。

 私は妻だから、夫の洗濯物にきちんとアイロンをかけ、毎日お弁当を作り、夫が帰ってくるときまでは化粧を落とさず笑顔で迎える努力をしてきた。でも夫はそれを望んでいなかったのか、とショックを受けました」

 それを機に話し合ってみると、夫はアイロン掛けが嫌いではないと言う。ただ、気づくといつも妻がかけてしまっているので自分がやるとは言い出しづらかった。お弁当も考えてみれば、夫に頼まれたわけではなかった。自分が持っていくから作り始めただけだ。夫はたまには社員食堂で食べたいことがあり、「正直言うと、弁当を若手社員に食べてもらったりしていた」そうだ。

◆夫が喜ぶことでなく「夫婦はこうあるべき」にとらわれていた

「もちろん夫は、自分が帰るまで妻に化粧を落とさず起きていてほしいとは思っていない、と。そういえば『今日は遅くなるから先に寝て』と新婚時代、よく言われていたんですよね。でも私はそれは妻の正しいあり方ではないと思っていた。そのうち夫も慣れて何も言わなくなった。だから私はいつまでも起きて待っていなくてはいけないと信じ込んでいた」

 何もかも、「妻はこうするべき、夫婦ならこうあるべき」というルリコさんの思い込みだった。もちろん、それを早いうちに是正(ぜせい)しなかった夫も思いやりが足りないが、こうすると夫が喜ぶという目線ではなく、「妻ならこうすべき」にとらわれていたのは彼女自身だったのだ。

◆「もっと気楽に」手抜きし始めてから、夫婦仲に変化が

「もっと気楽に行こうと夫に言われました。それ以来、いきなり手抜きしています。今まできっちり手作りしていた料理も、冷凍食品などを多用するようになった。私が作るよりおいしいと思えるものがたくさんありますね(笑)。夫が夕飯はいらないというとき、娘に何を食べたいか聞いたら『マックのハンバーガー』と答えるんです。以前だったら、それは夕飯としてはどうかなと言って、きちんとご飯とおかずを食べさせたんですが、最近はそれでいいなら楽だわと」

 手抜きするようになってから、夫婦仲には変化があった。夫も自分の心のうちを正直に話してくれるのだ。

「日々の生活の中で、適当でいいことと夫がこだわりたいところなどざっくばらんに話すようになりました。

 そういえば私もこれだけはきちんとやりたいということと、やらなければいけないと思っていたところがある。たとえばどんなに疲れていてもキッチンだけはきれいに片づけて休みたい。でも部屋に掃除機をかけるのは毎日でなくてもいいかなと思う。以前は毎日やっていたんですけどね。

 夫は『毎日掃除機をかける必要なんてないでしょ。忙しくしていいことなんて何もないよ。週末、オレがやるよ』って。なんだ、それでいいのかという感じです。10年たってやっとお互いに本音を言い合えて気楽になれたんですね」

◆純と武頼も「あと一歩、踏み込んで本音を」

 夫婦であっても遠慮はある。相手が「役割」に固執していると、そこを切り崩すのはむずかしいと感じ、見て見ぬふりをしてしまう。諍(いさか)いを起こしたくない、相手を傷つけたくないからだ。ドラマの中の夫婦も現実の夫婦も、あと一歩、踏み込んで本音を話せるようになれば、何かが新たに展開していくのかもしれない。

<文/亀山早苗>

【亀山早苗】

フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio

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