伊勢谷友介の大麻逮捕で勃発、かつて木村拓哉も“被害者”「作品無罪」論のご都合

週刊女性PRIME / 2020年9月11日 21時0分

2018年、足を骨折した伊勢谷友介

 俳優の伊勢谷友介が自宅で大麻を所持していたとして、9月8日に大麻取締法違反容疑で現行犯逮捕された。当初は「何も言えない」と供述していたという伊勢谷だが、現在は取り調べに対して所持・使用を認めているようだ。

 人気俳優の逮捕劇に、逮捕翌日の情報番組やワイドショーでは彼の経歴や人柄など、関係者の証言を交えながら番組を構成。それに対して、番組コメンテーターが意見を言うのだが、多数の出演作を抱える伊勢谷だけにやはりというか、あの“議論”にも及んだ。

罪を犯した個人と、俳優として関わった作品とは別に考えるべきだという、いわゆる“作品に罪はない”論争です。そもそも多くの制作費をつぎ込んでいるわけで、テレビ局や映画配給会社にしてみれば、たった1人の出演者の不祥事で“自粛”か否かの判断に頭を悩ませられるわけです」(スポーツ紙記者)

かつては木村拓哉の作品も

 近年では、昨年3月12日に麻薬取締法違反で逮捕されたピエール瀧。出演していたNHK大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』は降板となり、急遽、代役が立てられた。また映画『アナと雪の女王』『アナと雪の女王2』でも同様の措置が取られた。

「レギュラー番組なども含めて実に10作品以上に影響が及びましたが、木村拓哉さんも“被害者”です。初のゲームキャラとして登場した『JUDGE EYES:死神の遺言』には、ピエールさんが最重要キャラの1人として出演していましたが、逮捕後に1度出荷を停止してキャラクタービジュアルを変更し、別の声優に差し替えての再販となりました。話題作だっただけに木村さんにも“ミソ”がついた格好に」(広告代理店関係者)

 一方で、封切り目前だった映画『麻雀放浪記2020』は、白石和彌監督がまさに「作品に罪はない」と公開に踏み切った。ほかにも、瀧の代役を立てずにそのまま公開する作品も見受けられたのだった。

 同じく昨年11月16日に麻薬取締法違反容疑で逮捕された沢尻エリカの場合も、出演映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』は公開スケジュールを変更せず。かたや、撮影が始まっていたNHK大河ドラマ『麒麟がくる』は降板になり、またWOWOWで放送予定だった映画『食べる女』は放送中止と、作品によって対応が異なった印象を受ける。

 では、伊勢谷の出演作品は、どんな論調になっているのだろうか。すでに出演していたドラマ『未満警察 ミッドナイトランナー』(日本テレビ系)は、一部地域で予定していた最終回の放送中止を決めた。またNHKは有料配信していた2つの出演ドラマの配信を停止している。

 そして10月31日に公開を控えていた『とんかつDJアゲ太郎』、そしてコロナで来年に延期されていた『るろうに剣心』などの映画は、それぞれ「事実確認中」「対応を検討中」としている。一方で、撮影中だった『いのちの停車場』(2021年公開)は、配給会社の東映・手塚治社長が「作品と個人は別物。作品を守る」と、伊勢谷の出演シーンをカットせずに放送することを発表した。

各コメンテーターの意見は

 これらの対応に、伊勢谷と共演経験のある女優の須藤理彩は『スッキリ』(日本テレビ系)に出演し、《テレビだったりスポンサーさんがいるものに関しては、スポンサーさんの意向が大事》とドラマなどのテレビ番組関連は難しいとする一方で、

《映画やCD、自分で選べるものに関してはお客さんに選択権があると思うので、全部が全部ダメっていうのはちょっと違う》

 と、消費者が自らお金を払う作品の“販売”に理解を示した。

 フジテレビの『バイキング』に出演したタレントの松尾貴史も、

《問題を起こした人の名前は一切出さず、できるだけカットして無理なところはそのまま。“この人の名前はない”って形で放送なり、上映なりして》と、映画であれば“条件付き”での公開を促した。

 同じく、出演者のおぎやはぎ・小木博明はテレビ番組に関して《“何月何日までに撮影は終了いたしました”って先に言っちゃえばOKじゃないですか?》と、逮捕前に撮られたものと表記すればセーフと言及。

『モーニングショー』(テレビ朝日系)では、「AERA」元編集長の浜田敬子氏が《過去の作品は一切封切り、公開させないみたいな動きが強まっている》という世論に対し、

《その人は有罪かもしれないが“作品無罪”という言葉があって、過去の楽曲だったり、映像作品には“作品には罪はない”という議論も起きてくる。伊勢谷さんが出られた作品がどうなるのかに注目したいし、作品自体、一切見られなくなるのはおかしい

 総じて、各局が「作品には罪はない」という論調を展開させる動きが目についたのだが、そもそもこうしたことを「言い出し始めたのはここ数年のうちから」と話すのは芸能ジャーナリストの佐々木博之氏。

かつては当然のようにCDの回収、DVDの発売中止などが行われてきたわけで、おそらくはギャラを含む作品の制作費が、以前よりも巨額になっている影響もあると思います。芸能界は“商業ベース”ですので、何か起きた時はなるべく被害を最小限に抑えようとするわけで、(作品を)出せるなら出したいのが本音です」

 また近年の映画は「製作委員会」を立ち上げて複数企業から出資を受けることが多いが、

「そこにテレビ局も“スポンサー”として名を連ねていることが多く、制作費を回収しなければなりませんから、各局で(作品無罪の)風潮が起きやすいのかもしれません。

 それに第一に、作品を観たい人、聴きたい人がいることは確かですし、作品=芸術のような考え方を持っているクリエイターもいます。また作品によっては共演者もいるので、世に出せなければ、その人たちも“被害者”になってしまう」(前出・佐々木氏)

明確な被害者がいない犯罪

 では、「作品に罪はない」と議論すること自体ナンセンスではないだろうか。先のピエール瀧は昨年6月に懲役1年6か月、執行猶予3年の有罪判決を受けながらも、今年2月に来年公開の映画『ゾッキ』の撮影に参加し、復帰することを『週刊女性』が報じている。

「そもそも逮捕された、罪を犯した人が出演する作品の公開を規制する法律はなく、どう扱うかは各社の判断に委ねられます。しかし、それは犯罪の種類にもよること。例えば殺人事件を起こした、女性に暴行した、詐欺を働いたなどの被害者が出た犯罪となると、誰もが嫌悪感を示して見たくはなくなるでしょう。

 一方で、ケースにもよりますが、薬物は明確な被害者がいることが少ない犯罪ですよね。そこが作品を世に出せるか、出せないかの判断の差にもなっていると思います。よって、今回の伊勢谷さんの場合も“作品に罪はない”の論調が目立つのでは」(前出・佐々木氏)

 それでも犯罪であることには変わりない。復帰は置いておき、しっかり反省してほしい。

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