嵐のベストソング20を発表!「聴くたび泣きそうになる」ファンから5人へ感謝の言葉

週刊女性PRIME / 2020年12月31日 11時0分

'20年12月11日に行われた「HELLONEWDREAM.PROJECT 夢の報告会2020」に出席した嵐

 '99年9月、ハワイ・ホノルルでのクルーズ客船で行ったデビュー記者会見から約20年。ついに国民的アイドルグループ・嵐が、12月31日をもって活動を休止する。

 週間シングル通算1位獲得作品数は54作、週間シングル連続トップ10入りは58作連続で、全アーティスト歴代1位。ミュージックDVD・BDの総売り上げ枚数は合計約1505・3万枚で歴代1位。YouTubeチャンネルの登録者数は、日本最速で100万人を突破。ジャニーズ1位となるファンクラブ会員数300万人超え(2位の関ジャニは約70万人/グループではないジャニーズジュニア情報局は除く)。昨年の天皇陛下即位を祝う『国民祭典』における奉祝曲披露──。

 快挙の数を挙げればキリがないほど、モンスターグループへと飛躍した嵐。しかし、その裏にはなかなかブレイクできない“夜明け前”があったことも事実。

 今回、週刊女性では『あなたが選ぶ嵐のベストソングを教えてください!』と題し、読者にアンケートを実施。読者の声に加え、書籍『嵐はなぜ史上最強のエンタメ集団になったか』に寄稿するなどジャニーズに詳しいライター・田幸和歌子さんの解説とともに、嵐の足跡を振り返る。なぜ、嵐は“国民的”な存在になりえたのか!?

聴くたび泣きそうになる嵐ソング

 ファンが選ぶ第1位は、『A・RA・SHI』。デビュー記者会見から2か月後の'99年11月、『バレーボールワールドカップ1999』のイメージソングとして発表された本作は、いきなりオリコンシングルランキングで1位を獲得。20年たった今も、人気が色褪せていないことを証明した。アンケートでは、

「嵐がデビューしたころに仕事で行き詰まっていたが、この曲が街で流れてくるとなんだか頑張ろうと思えて、口ずさんでいたことを思い出す」(38歳・販売業)

「デビュー曲で、高校のとき通学途中にいつも聴いていた。元気をもらえる」(27歳・主婦)

 との声が。実はこのデビュー曲、2020年に発売されたシングル『カイト』が更新するまで、嵐の全シングルの中で累計売り上げ枚数(97万枚)が最も多かった曲。また、上位にランクインする『感謝カンゲキ雨嵐』も初期嵐を代表する人気曲だ。

「自分たちは泣いて生まれてきたのだからピンチに強いんだ、というメッセージを聴くたび泣きそうになる。好きな嵐ソング数あれど、これが私のNo.1」(40歳・主婦)

「ライブでこの曲を聴いたときに、嵐からファンに感謝の気持ちを言っているように聴こえてすごく好きです! 最近あったアラフェスでも歌ってくれて、それを聴いたときに、21年ありがとうと言っているように聴こえました」(48歳・販売業)

 初期の嵐の魅力について田幸さんは、次のように説明する。

「櫻井さんのラップパートを含め、ほかのジャニーズグループが歌わないような曲を歌っていた。とてもチャレンジングな曲が多く、カッコいい音作りが印象的でした」

 2nd『SUNRISE日本/HORIZON』はグループ初の月間1位を奪取、続く3rd『台風ジェネレーション』もオリコン3位と健闘し、順風満帆にブレイクしているように見えるが、この時期の曲は今回のアンケートでは下位に沈んでいる。

「曲のクオリティーが高い一方で、みんなで踊ったり歌ったりできないアイドルらしからぬ曲が多かったため、一般層に届きづらいところがあったと思います」(田幸さん)

ワクワクしたドラマ主題歌

 では、アンケート上位に選ばれた楽曲は何か──。第2位に選ばれたのは'07年リリースの『Love so sweet』だ。

「『花より男子2』を見ていて、その主題歌として印象に残っています」(44歳・飲食業)

「いちばん大好きな漫画のドラマ化で、曲も内容に合って久しぶりにワクワクしたのを今でも思い出します」(37歳・主婦)

 そして、第3位に選ばれた楽曲は、同じく’07年リリース『Happiness』

「発売当時はそこまで印象に残らなかったけど、何年もたってから自分が一生でいちばん落ち込んでいたとき、テレビで嵐がこの歌を歌ってくれたのを見てすごく元気が出ました。感謝しかありません」(52歳・主婦)

「この歌詞を聴いていると、とても気持ちがポジティブになって頑張ろうと思えてくる。彼らの生き生きとした感じが、とてもキラキラしていた」(27歳・会社員)

'06年、'07年にブレイクの兆しが

 後述するそのほかの人気上位曲も、'07年周辺に集中している。「'06年は嵐にとって革新的な1年」と田幸さんは説明し、メンバーである櫻井翔と松本潤も、ともに'06年をブレイクのきっかけの年として挙げているほど。

「二宮さんがハリウッド映画『硫黄島からの手紙』に出演し、櫻井さんが『news zero』のニュースキャスターに就任したことで、アイドルに興味がない層に嵐の魅力が届き始めたのが'06年です。'07年1月からは大ヒット作となる『花より男子2リターンズ』がスタートしたことも大きかった」(田幸さん)

 もちろん、突如、花が開き始めたわけではない。これまでまいてきた種が、ようやく実を結んだと話す。

「嵐は、'01年に初の単独レギュラー番組『真夜中の嵐』の放送を開始し、その後、深夜枠で『Cの嵐!』『Dの嵐!』『Gの嵐!』と改編を重ねていきます。この時代の嵐って、身体を張るのは当たり前(笑)。意外とすぐキレる松潤、ヘタレな大野さんという具合に、素の個性がむき出しで、深夜番組好きやサブカル好きからも評価されていました。『まごまご嵐』('05年)では、メンバーのうち2人が老夫婦のもとを訪れ、1日だけ孫になる──など、すでに老若男女に愛される土壌が、ブレイク前夜の時点で耕されていたんですよね」(田幸さん)

 '03年には、二宮主演の『Stand Up!!』も話題を呼んだ。今では想像できないが、同作は童貞卒業を目標とする高校生たちの青春を描いたコメディー。「セックスしたい!オトナになりたい!」がキャッチコピーのドラマの主演を、ニノが務めていたから驚きだ。

 楽曲だけでなく、アイドルらしからぬ挑戦的な姿勢が徐々に評価され、じわじわとグループの魅力に加え、個々の面白さが浸透。しかし、決定打には至らず、「'05年くらいまでは、嵐と関ジャニはジャニーズ内で最下位争いをしているといった自虐話をしていたくらいです。初期からのファンの間では、『こんなに魅力的なグループなのに、なんで売れないんだろう』という思いもあった」と田幸さんは振り返る。

ドラマをきっかけに嵐にハマる人が続出

 そして、眠れる獅子が目を覚ましたが如く、'06年から嵐の大躍進が始まる。第4位の『One Love』は、'08年公開『花より男子F(ファイナル)』の主題歌だ。

「こんなにも直球の一途なラブソングはほかにはないと思う」(46歳・接客業)

「友達の結婚式で歌った曲。ウエディングの定番ソングで愛にあふれた歌だと思う」(40歳・主婦)

「好きなドラマの曲で、歌詞とドラマの世界観が合っていて好きだった」(35歳・主婦)

 といった声が挙がるように、ドラマをきっかけに嵐にハマる人も続出。先に登場した『Happiness』も、二宮と櫻井が主演の『山田太郎ものがたり』の主題歌だったように、さまざまな入り口から新規アラシック(嵐のファン)が増加していったことがうかがえる。ちなみに、『Happiness』のカップリング曲である『Still…』も人気が高く、「過去3回行われたアラフェスのカップリング部門において、ずっと1位だったから! 『ひみつの嵐ちゃん』最終回のエンディングで流れていたのも印象深いです」(41歳・販売業)といった声も。

「'07年に公開した嵐主演の映画で、犬童一心監督の『黄色い涙』も大きかったと思います。公開時、アイドルには珍しくカルチャー誌が特集を組むなど大きな注目を浴びました。かつて深夜枠で、嵐を見守っていたサブカル層が再び嵐に注目するなど、メンバーのバラエティーの豊かさがより顕著になった。そして、6位に選ばれている『truth』が彼らの人気を不動のものにする役割を担ったと思います」(田幸さん)

『truth』は、'08年、大野主演のドラマ『魔王』の主題歌。ネット検索サイトのドラマ満足度投票において1位を獲得するなど高い評価を受け、「主婦層が大野さんをきっかけに嵐の魅力に気がついた作品」と田幸さんは分析する。実際、投票者の声を見ると、

「この歌を歌う大野くんがすごくカッコよかったから」(56歳・主婦)

「彼の演技力に驚いた。MVもオーケストラを使用して、ダンスとともにとてもカッコいいものだった」(38歳・会社員)

嵐には大野の憂いのある歌声は不可欠

 そして田幸さんは、大野の“声”についてこう語る。

「『PIKA☆NCHI』にも言えるのですが、特に切ない曲は大野さんの憂いのある歌声がないと成立しないくらい。嵐の音に、彼の歌声は不可欠。声を張り上げずに、柔らかく歌い、哀愁を帯びた歌唱力を持つジャニーズの歌い手は、堂本剛さんと大野さんがツートップだと思います」『Monster』も大野が映画とドラマで主演を務めた『怪物くん』の主題歌だ。ブレイク前夜からタイアップが多かった嵐だが、人気曲アンケートを集計すると、同じタイアップ曲でも前夜とブレイク後では雲泥の差があることがわかる。

「私個人は、櫻井さんが出演した'02年『木更津キャッツアイ』の主題歌『a Day in Our Life』に衝撃を受けました。このときは、楽曲にしても番組にしても、作品のクオリティーが高くても、初期の嵐は人気に直結しませんでした。この当時の曲があまりランクインしていないということは、それだけ一般層に認知されてからの嵐の楽曲が強いということでしょうね」(田幸さん)

 そう考えると、『言葉より大切なもの』『サクラ咲ケ』といったブレイク前夜の曲は、初期から嵐を見ているファンにとっては、思い入れが強い曲だとわかる。

「『サクラ咲ケ』は中学受験をしたときに、何度も心の支えになってくれた1曲」(28歳・販売業)

 一方で気になるのは、アンケートを見ると’15年以降の楽曲が下位に低迷している点だ。デビュー曲『A・RA・SHI』の最高累計売り上げ枚数を更新し、米津玄師が作詞・作曲・編曲を手がけた最新曲『カイト』こそ健闘しているものの、'07年前後の楽曲群の人気度に比べると寂しい印象はぬぐえない。

「ここまで大きな存在になると、どうしても万人受けする曲になってしまう。嵐のすごいところは、何かのファンになったことがない人を数多くファンにさせてしまった点。老若男女を満足させるには初期のようなインパクトのある楽曲は難しい」(田幸さん)

後にも先にもないモンスターグループ

 楽曲アンケートこそ後期は影を潜めるが、彼らの人気はブレイク後、天井知らずとなる。ニホンモニターによる『2020タレントCM起用社数ランキング』によれば、1位(19社)の櫻井翔を皮切りに、2位(17社)相葉雅紀、3位(16社)松本潤、4位(14社)大野智、そして5位(13社)は二宮和也と、5人が上位を独占。

「今後、こんなモンスターグループは生まれるか?」と田幸さんに尋ねると、

「出てこないでしょう。アイドルグループ内で、誰がいちばん人気があるのかを競ったりすることが当たり前になる中で、嵐は常にフラットでした。リーダーこそ大野さんですが、お互いを尊重し、力関係がない。そういう安心感や横並び感が、時代性に合致したところがあると思います」

 だからこその「活動休止」という選択だったのではと推測する。ジャニーズから退所するタレントが相次ぐ昨今、5人のいい関係性を壊さないためには、いったん、小休止するのが英断かもしれない。

「嵐の魅力を語るとき、“わちゃわちゃ感”という言葉がよく登場しますが、初期のころからただ可愛らしくわちゃわちゃしていただけなら、嵐は売れていなかったかもしれません。いろいろなことをして、その中でメンバーの魅力や個性が磨かれていったからこそ、5人の“わちゃわちゃ感”ができあがったんです」

 また、ブレイクするまで時間がかかったこともあり、その中で得た経験も彼らの“力”になっているという。

「これだけ大きなグループになっても、活動休止までカウントダウンが迫っているのに、気負ったりせず、やっぱり今までのままだからすごい(笑)。そんな男性アイドルは、後にも先にも嵐だけだと思います」(田幸さん)


たこう・わかこ ドラマコラムの執筆や、ジャニーズウォッチャーとして活動。著書に『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)など

(取材・文/我妻アヅ子)

×


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング