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大腸がんのリスクも、ハムにソーセージ「食べてはいけない加工肉」の見極め方

週刊女性PRIME / 2021年5月10日 5時0分

※写真はイメージです

 

 コロナ禍の巣ごもり消費が続くなか、さまざまな食品の需要が伸びている。ウインナーソーセージやハム、ベーコンといった加工肉もそのひとつで、伊藤ハム米久ホールディングス、プリマハム、丸大食品の大手食肉加工品3社は今年度の3月期連結決算で増益になるほどの好業績。

 手軽に使えて便利な加工肉だが、実は選び方によっては大腸がんになるリスクが高まるという指摘がある。

「2015年10月に、世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)が『ハムやソーセージ、ベーコンなどの加工肉を1日50g食べると大腸がんになるリスクが18%高まる』という発表をしました。これは人間が生涯にわたるほどの長期間食べた場合のリスクと考えられますが、消費者にとってはショッキングな内容です」(渡辺さん)

食品添加物の一種が大腸がんの原因

 お弁当や朝食など加工肉が食卓にのぼる頻度は高い。なぜ、加工肉を食べると大腸がんになるリスクが高まるのだろうか。

「原因として考えられるのは、食品添加物のひとつである発色剤の亜硝酸Naです。ハムの原材料である豚肉にはミオグロビンなどの赤い色素が含まれていますが、これらの色素は時間がたつにつれて酸化して赤黒くなるため、ハムは茶色っぽく変色してしまいます。それを防ぐために使われるのが亜硝酸Naです」

 亜硝酸Naは豚肉に含まれるミオグロビンなどに反応して赤い色素を作り出す働きがある。そのため、おいしそうな見た目の色を保つことができる。

「亜硝酸Naは反応性が高い成分で、肉に含まれるアミンという物質にも反応します。その結果、ニトロソアミン類という物質が生じます。このニトロソアミン類には強い発がん性があるのです」

ソーセージの中にも……

 このニトロソアミン類は、酸性状態の胃の中でできやすい物質だ。

「亜硝酸Naを含むハムやウインナーソーセージ、ベーコンなどを食べると、体内でニトロソアミン類ができる可能性が高いということです。また、加工肉自体にニトロソアミン類が含まれている場合もあります」

 いずれにしても、加工肉を毎日食べているとニトロソアミン類の影響によって、がんが発生しやすくなると考えられる。

「少し過激な表現をすると、日々の食事やお弁当に加工肉を使うということは、自分や家族を大腸がんに導く危険性があるということです」

安全に食べられる加工肉を見極める

 聞けば聞くほど恐ろしい“加工肉の真実”だが、市販の加工肉を絶対に食べてはいけないというわけではない。

「最近は、亜硝酸Naを使っていない加工肉の販売が増えてます。セブン&アイ・ホールディングスの『セブンプレミアム 無塩せきスライスハム モモ』、同『無塩せきポークウインナー』、同『無塩せきベーコン』は、亜硝酸Na不使用の製品です。商品名にある“無塩せき”とは、亜硝酸Naを使用していないという意味です

 また、イオンの「トップバリュ グリーンアイ」シリーズの加工肉も亜硝酸Na不使用の製品だ。

「『トップバリュ グリーンアイ ローススライス』というハムの原材料表記は、『豚ロース肉(アメリカ)、乳たん白、糖類(水あめ、砂糖)、食塩、たん白加水分解物(乳成分・豚肉を含む)、酵母エキス、植物油脂/卵殻カルシウム、香辛料抽出物』のみ。“発色剤”“亜硝酸Na”という文字はありません」

 つまり、亜硝酸Naを添加していないということで、ニトロソアミン類ができる心配はない。

「原材料名にある添加物は“卵殻カルシウム”と“香辛料抽出物”。卵殻カルシウムは卵の殻から得られたもので、香辛料抽出物は香辛料から抽出された成分。どちらも安全性に問題はありません」

具体的に買える安全な加工肉

「トップバリュ グリーンアイ」の製品には、ほかにも同「ポークあらびきウインナー」、同「ポークほそびきウインナー」、同「ベーコンスライス」など、亜硝酸Na不使用の加工肉がある。

「『セブンプレミアム 無塩せき』シリーズも『トップバリュ グリーンアイ』シリーズも、製造しているのは信州ハムというメーカー。信州ハムではもともと亜硝酸Na不使用の『グリーンマーク』というシリーズを販売しており、それを『セブンプレミアム 無塩せき』シリーズや『トップバリュ グリーンアイ』シリーズという形でも売り出したようです」

 信州ハムの「グリーンマーク」シリーズの加工肉は、一般のスーパーなどで販売されている。ほかにもJA高崎ハムの「Sマーク」シリーズの加工肉や日本ハムの「アンティエ」シリーズも亜硝酸Naを使っていない製品として挙げられる。

「市販の製品でもがんになるリスクを高める心配のない製品が数多く売られています。購入する時には、製品名や原材料をしっかり見て選ぶように心がけてほしいです」

原材料表示でほかに注意するべき点は?

 私たち消費者は、亜硝酸Naのほかにはどのような成分に気をつければいいのだろうか。

“赤色2号”“赤色3号”“黄色4号”など、色名と数字が書いてあるものは避けたほうがいいでしょう。これらは『タール色素』という添加物で、現在、日本では12種類が認められていますが、その中にはアメリカで使用禁止になっているものもあります。それは、発がん性の疑いがあるからです

 慌ただしい日常の中では、製品の原材料を吟味する余裕のない時もある。亜硝酸Naやタール色素入りの加工肉を買った場合、リスクを軽くする食べ方はあるのだろうか。

「亜硝酸Naもタール色素も水に溶ける性質があるので、ウインナーソーセージなら切れ目を入れてボイルすると多少はましになるでしょう」

 自分自身や家族の健康のためには、亜硝酸Naやタール色素が入っているものは食べないという選択をすることがいちばん、安全だ。

お話を伺ったのは……渡辺雄二さん●1954年生まれ。栃木県出身。千葉大学工学部合成化学科卒。消費生活問題紙の記者を経て現職。食品、環境、医療、バイオテクノロジーなどの諸問題を精力的に執筆。最新刊に『がんがイヤなら、これは食べるな』(ビジネス社)など著書多数。

(取材・文/熊谷あづさ)

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