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SNSブームの草分け『mixi』の“足あと”、ピークを過ぎても使い続けるマイミクたち

週刊女性PRIME / 2021年7月3日 11時0分

初期のトップ画面(mixi提供)

 SNSブームの草分け、日本発祥の『mixi』。Twitter、Facebook、LINEなどさまざまなサービスが誕生する中で現在でも根強い利用者がいる。そんな彼ら、彼女らの使い方をのぞいてみると……。

 2004年に誕生した『mixi(以下、ミクシィ)』。SNSブームの草分け的存在となった老舗サービスだ。

 機能は日記、コミュニティ、ゲームなどを中心に多岐にわたる。自分以外のユーザーはマイミクシィ、通称『マイミク』として登録。リアルの友人はもちろん、ミクシィ内で出会った人など、交流の幅は無限に広がっていった。

 さらに面白いのが相手のページを訪れると“見たよ”という合図となる「足あと」機能が反応すること。

 好きな人からの足あとに胸躍らせたり、マイミクの元を何度も訪れてしまい「暇なやつ」と思われないかとひやひやしたり……。そんな思い出がある人もいるだろう。

 連絡は電話かメールの時代には革新的なサービス。若者たちは熱狂した。その理由をITジャーナリストの三上洋さんが解説する。

「いちばんはコミュニティに代表される交流でしょう。友人や同級生など仲のよい人たちはもちろん、趣味、考え方、面白いと思ったジャンルで集まる人、半分閉じた世界で安心して出会えたのは大きい」

 当時は同じ趣味がある人と出会うには個人が開設したホームページやブログ、掲示板などを見つけるしかなかった。おまけにそこで交わされた会話は不特定多数の目に晒された。そんな中で現れたのがミクシィだったのだ。

コミュニティに参加、ドはまりしたあのころ

「ジャンルごと、アーティストごと、考え方ごと、学校ごとなどで部屋(コミュニティ)が作れた。そこに入れば共通の話ができ、参加者同士が仲よくなっていったんです」(三上さん、以下同)

 誕生から17年。SNSの世界はミクシィ一強の時代から、戦国時代さながらの様相を呈している。次々に新しいサービスが誕生し、ミクシィもその座を明け渡した。だが、10年以上利用するユーザーも多く、層も厚いが……。前出の三上さんが指摘する。

「正直、最盛期のようにユーザーを獲得するのは難しいでしょう。残念ながらインターネット上のサービスの栄枯盛衰は機能のよしあし、メリット・デメリットじゃないところにあるんです。集うユーザー数です。利用者が減れば盛り下がり、ほかのソーシャルメディアに流出する。それはミクシィに限らずほかのSNSでも同様。新陳代謝が起きるのは自然なことです」

 だから多くの人が「懐かしい」と言うのは時代の流れ。

いま、ミクシィをやるわけ

 では今のミクシィはどのようになっているのか。青空と草原が広がっていたトップページを思い出しながら現役利用者に話を聞いた。

 1人目は九州在住の会社員、小林康彦さん(34歳・仮名)。'05年に友人からの紹介で登録し、利用を続ける。

「ニュース記事を読んだり、好きなアイドルの情報を探すことがメインですね」

 そして仕事の愚痴やつらさ、好きなアイドルのことなど日常的な気持ちを日記に記す。

「初めてのSNSがミクシィなので学生時代を思い出すような純粋な気持ちで思いを打ち明けられるんです。ほかのSNSは見られすぎている感じがして本音が書きづらい」

 2人目の東京都の会社員の吉田由香子さん(40歳・仮名)は趣味に利用している。

 好きなロックバンドのコミュニティでの情報交換とほかのファンとの交流だ。

「周りは理解してくれないので、同じバンドのファンと出会えてうれしいです!」

 実はこれらの使い方こそがミクシィの強みのひとつ。

このコミュニティこそが現代人に必要なんです。多くのSNSは個人間ではつながれるけど、同じ場所を拠点に集まることはできない。居場所がないと困っている人たちはミクシィのような形のサービスが響きます」(三上さん、以下同)

 とはいえ、弱点も。

「拡散です。『バズる』ことはできなかった。ただ、現在展開されているSNSの多くにミクシィを彷彿とさせるサービスが備わっているんです。誕生がもう少し遅かったらもっと広がっていたでしょう。早すぎたのかもしれない」

現在はツイッター幽霊ユーザーの本音

 そこでアカウントは残っているが利用はしていない『幽霊ユーザー』にも聞いてみた。

 '11年以降にミクシィから離れた橋本拓さん(34歳・仮名)。

「利用当時はワールドカップのペイントした顔の写真をアップしたり、日記もまじめに書いていました。それに個人的なコミュニティを作り、友達と集まって掲示板に書き込みをして……いまでいうLINEグループのような使い方をしていましたね」

 その後、Twitterに移動。だが……

「フォロワーの多くがマイミクだったんです(笑)」

 前述のミクシィユーザー3人とも日記やコミュニティで交流する、まさにミクシィ的な楽しみ方を経験したユーザーたちなのだと三上さんはいう。

 ユーザー数は非公開だが、メインは30代、40代が中心とみられる。

 同社の渡部喜正部長にユーザーの様子を聞いた。

「日記やコミュニティに書き込み、交流するなど自分の使い方を見つけ、生活の一部として利用している人が多いです。“やめると交流がなくなっちゃうんだよね”という声もよく聞きます。サービス機能だけでなく、そこでできあがった人間関係を大切にしている人たちがたくさんいるんです。登録者数のピークは過ぎていますが、安定して使い続けていただいていますよ」

 また現在はどのSNSにも熱心なユーザーがおり、どれかひとつではなく複数のSNSを目的別に活用するユーザーがほとんど。多様化したことで、SNSの世界は戦国時代から太平の世へ変わった。

リモート飲み会で昔の日記を

 さらに、ミクシィとしては1度は飛び出したユーザーとの再会も待ち望む。

「私たちはこの先20年、30年続けていく中で1度は離れたけどまた使ってみたい、という方やシニア層などにも気軽に使ってもらえるよう改良を重ねていきます」

 コロナ禍が続く今年にピッタリの楽しみ方も聞いた。

「リモート飲み会でミクシィを見て、昔の日記を読むと盛り上がりますよ。恥ずかしくなることや懐かしいことも書いてあるはずです。みなさんが情報を蓄積してきたからそういう楽しみ方もできるんです」(渡部さん、以下同)

 情報がオンタイムで流れるように飛び交う時代。1度立ち止まって今日1日を書き込み、マイミクたちと共有するのもいいかもしれない。

「そうすればまた、将来への楽しみができます」

 ミクシィの足あとを追ってきたら、その先にさらに長い道が続いていた。


お話を聞いたのは……ITジャーナリスト ・三上洋さん●専門はインターネットのセキュリティーやネット事件など。ほかにもスマートフォンやネット動画、携帯料金などにも詳しい。番組を制作、配信するほかセミナー講師なども務める

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