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目がチカチカ・頭痛・吐き気、実は危ない!? 正しく使いたい「メガネ型拡大鏡」

週刊女性PRIME / 2021年11月23日 11時0分

目のトラブル ※画像はイメージです

 スマホや新聞の文字が見えづらいときに便利なメガネ型拡大鏡。100均でも売られており、今、中高年に人気の商品だが誤った使い方により、体調不良や眼精疲労、転んで骨折するケースも。選び方から快適で安全な使い方まで専門家に尋ねた。

CMで話題のメガネ型拡大鏡

 加齢とともに誰もが避けては通れない視力の衰え。一般に老眼の始まりは40歳ごろからと言われているが、近年はパソコンやスマートフォンなど日常的に目を酷使するシーンも増え、早くから老眼の症状を訴える人は多い。

 そんななか昨今人気を集めているのがメガネ型拡大鏡。両手が自由に使える手軽さと、ファッション性の高さで利用者が増加する一方、誤った使用によるトラブルや相談も目立つ。

 2015年度以降の5年間で、全国消費生活情報ネットワークシステムに届いたメガネ型拡大鏡に関する相談件数は計419件。国民生活センターによると、

「相談内容の中でも顕著だったのが、『拡大して見えない』、『ぼやけて見える』、『表示倍率どおり見えない』といった相談です。そのほか『クラクラする』、『頭痛がある』、『吐き気がする』、『歩いていたら転んで肋骨を折った』など深刻な事例も寄せられている」

 こういった不調を抱え、眼科医を訪れる人も多い。かわな眼科院長の川名啓介先生に話を聞いた。

「メガネ型拡大鏡の相談で多いのが、『見えない』、『見えづらい』、『疲れる』という声です。相談が増えたのは、やはりCMが盛んに流れ出したころからだったと思います」

 豪華俳優陣を起用したメガネ型拡大鏡のテレビCMは当時、大きな話題を集め、一般に広く浸透するきっかけにもなった。利用者が急増していって、相談も増えたというわけだ。

「患者さんの話をよくよく聞いてみると、老眼鏡を使わずにメガネ型拡大鏡を使っている。多くの方が老眼鏡とメガネ型拡大鏡を同じものだと思っているのでは」(川名先生)

老眼鏡とメガネ型拡大鏡の違い

 見た目が似ている老眼鏡とメガネ型拡大鏡だが、商品の分類が異なる。

「老眼鏡は一般医療機器として定められています。一方、メガネ型拡大鏡は雑品という扱いになります」(国民生活センター)

 一般医療機器には各種認可や法令が設けられているが、雑品であるメガネ型拡大鏡には法令や統一規格は定められていない。とはいえ、

「きちんと造られたメガネ型拡大鏡なら、適切な使い方をすればちゃんと機能する」(国民生活センター)

 トラブルの原因の中には、メガネ型拡大鏡に対する消費者の認識不足や間違った使い方も多い。まずは老眼鏡との違いを把握し、用途に合わせた適切な使用が求められる。

メガネ型拡大鏡とは

 そもそもメガネ型拡大鏡とは何なのか、老眼鏡との性質の違いとは?

「拡大鏡は凸レンズでできていて、対象物が大きく見えますが、ピントが合うわけではありません。

 一方、老眼鏡はピントを合わせるためのもので、くっきり見えますが、大きくは見えない」(川名先生)

 老眼の人が裸眼の状態でメガネ型拡大鏡をかけても、対象物がぼやけたまま拡大されて見えるだけ。

「間違った使い方をしてぼやけたまま見ていると眼精疲労の原因に。

 まずは老眼鏡でピントを合わせ、さらにメガネ型拡大鏡を重ねてかけることで初めて本来の機能が働き、はっきり見えるようになります」(川名先生)

忘れてはいけない購入時のチェック法

 国民生活センターでは、消費者から寄せられた相談をもとにメガネ型拡大鏡の調査を実施。眼鏡専門店や量販店、通販やインターネットで市販されている売れ筋銘柄計25商品を対象に製品テストを行ったところ、

「いずれの銘柄も、光学上の拡大倍率はそれぞれほぼ商品に記載されている表示倍率どおりの数値を示していました」(国民生活センター)

 しかしここで気をつけたいのが、「メガネ型拡大鏡をかければすぐにその表示倍率どおりに見えるわけではない」(国民生活センター)ということ。拡大鏡=ルーペであり、いわばメガネ型拡大鏡はルーペを2つ並べてメガネ型にした商品。ルーペを使う際は通常よく見える位置まで対象物との距離を近づける必要があるが、それはメガネ型拡大鏡を使う場合も同じ。

「対象物との距離を調整して初めて表示倍率どおりに見えるようになる。かけてもよく見えないという方の場合、そこを理解されずに使っているケースが多いのではないでしょうか」(国民生活センター)

場面によって選んで使う

 メガネ型拡大鏡とひと言でいってもさまざまで、眼鏡専門店のオリジナルブランドから100円均一までと幅広い商品が出回っている。加えて最近はLEDライト付きや軽量タイプ、紫外線カットにデザイン性など付加価値をつけた商品も登場。価格も100円台から数万円まであり、好みに合わせてあれこれ選べるのは大きな魅力だ。ただ、中には誤解を招く表記や注意書きが明記されていない商品もあるため、国民生活センターは、できるだけ購入前に試しがけをしてほしいと注意を促す。また、表示倍率の選び方に注意点が。

「あまり倍率が高いと視野が狭くなるので用途によっては使いにくい。例えば手元のものを見るくらいなら倍率が低めのほうが視野が広くなって、快適です」(川名先生)

 シーンに合わせた適切な倍率選びが重要になる。

 メガネ型拡大鏡はあくまでも手元のものを拡大して見るためのもの。長時間の使用や遠方を見るには適さず、かけたままの歩行は絶対に避けるべき。

「手紙やレストランのメニューなど、老眼鏡をかけていても見にくいときに、さっとかけて使うのがいいでしょう」(川名先生)

 もし目に違和感を感じた場合は、すぐに使用を中止し専門医に相談を。

物が見えづらいという人はそもそも老眼鏡の度数が合っていなかったり、何か目の病気が隠れていることもある。放置していると進行してしまうので、何事も早めの対処が望ましいでしょう。

 きちんとピントが合う老眼鏡をかけていれば近くを見るぶんには支障がないはず。それでも見えないシーンに併用してメガネ型拡大鏡を使うといい。老眼鏡とメガネ型拡大鏡は違うものだという認識が広まってくれたらと思います」(川名先生)

 年を重ねるほど視力低下は深刻な問題。拡大鏡の役割を理解し、賢く利用したい。

老眼鏡、拡大鏡の違い

 加齢により衰えたピントを合わせるのが老眼鏡で、小さく見えづらいものを拡大するのがメガネ型拡大鏡。老眼の人は老眼鏡の上からメガネ型拡大鏡の重ねがけを。


お話を伺ったのは……川名啓介先生●1999年筑波大学医学専門学群卒業。筑波大学附属病院、日製日立総合病院、総合病院土浦協同病院勤務を経て2006年から筑波大学大学院人間総合科学研究科講師。2009年千葉県松戸市でかわな眼科を開設。日本眼科学会認定眼科専門医医学博士

(取材・文/小野寺悦子)

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