【注目】中高年がハマる「週末カジュアル農業」“いい年”してからの収入源と健康づくり
週刊女性PRIME / 2023年10月21日 13時0分
「コロナ禍以降、新規契約者が約2倍に増えました。たくさんの方に野菜作りをお楽しみいただいています」
と話すのは、全国に貸し農園を展開するシェア畑運営事務局の広報担当。
カジュアルにできる貸し農園が人気
庭や畑はないが土いじりがしたい、自分で野菜を育ててみたいといったニーズを受け、農業体験がカジュアルにできる貸し農園が人気だ。
耕作放棄地や遊休地などを整備して用意された区画を利用者が月額利用料を払って区画をレンタルする。
利用料は場所によって異なるが、例えば神奈川県郊外にある農園では3~10平方メートルの区画が月に7000~1万円ほど。アドバイザースタッフのサポート付きなので初心者も安心だ。
「子どもが大きくなって手が空いたというご夫婦や、定年後にひとりでできる趣味を持ちたいとおっしゃる単身の方、お孫さん含めて3世代で利用しているケースも。
利用者さん同士が農園で顔見知りになり、交友関係が広くなったという声をお聞きしますね。利用者様を対象にワークショップなどのイベントも農園では行っています」(シェア畑広報担当、以下同)
土づくりから始まる野菜作りは無農薬。太陽の下、健康的に汗を流し、たとえ形や大きさが不ぞろいでも無事に収穫できたという達成感は格別だ。
「食に対しての意識が変わる方も多いようです。育ちすぎてかたくなったソラマメや間引いた菜っ葉など、スーパーで出合えない野菜の意外な調理法が美味しかったりといった発見も。
たくさん収穫できたときは周りにおすそ分けして喜ばれるのも醍醐味ですね」
定年後、家にこもりがちだった夫が外に出て積極的に身体を動かすいい機会となったと、話す人も。野菜をほったらかしにするわけにはいかないので、定期的に畑に通ううちに、自然と体力がつき、やりがいにもなっているようだ。
「そんなに広くない区画でも鍬(くわ)で耕すのは相当な運動量」と明るく話していたそう。
食費も助かりお小遣いにも
「こうした体験農園は農具の貸し出しがあり、手ぶらで行けるのがメリット。お試し栽培や、自然体験をしたいといったレジャー感覚で始められます。
いっぽう市民農園は自治体や農協などから土地を借りて行うもので、主に自治体が管理しています。年間契約で1~2月のみ募集しているところが多く、基本的に指導員は不在。
月額料金が安く、畑の広さも選びやすくて自由に野菜を育てられます。それぞれに特徴があるので、自分に合ったところを選ぶのがいいですね」
とアドバイスするのは株式会社農協観光・地域共創事業部の石井唯之さん。農家の働き手を増やす事業に関わっており、多くの就農希望者に就農情報を提供している。
ちなみに、農園での収穫物を販売するのは可能?
「自宅の軒先で自分が作った野菜を売るのは農薬の使用に関する法律を守ることが前提となりますが、OKです。思いのほかたくさん収穫できた野菜を自由に売れます。
ご自身の敷地内で簡易的な小屋を設置した無人販売などでも。路上や店舗で販売したい場合は、行政や民間などその場所を管理している機関への申請が必要です」(石井さん、以下同)
販売して稼ぐなら、立地や商品の量にもよるが、例えば100円の作物を1日で50個販売すれば、15万円/月(年間180万円)ほどの収入が得られる。
一見、よさそうにもみえるが、肥料などのコスト、労働時間を考えると大きな収益は期待しないほうがよいと石井さんは指摘する。
天候や栽培技量などにより計画どおりの収量を見込むのは難しく、害虫被害や盗難などのリスクもある。
「家庭菜園の野菜などはインターネットでの販売も可能です。ただ、あくまで個人取引ですから、鮮度が命の野菜は発送方法などがきちんとできないと当然クレームにつながる。それぞれの野菜に合った方法を調べて、迅速に行う必要はあるでしょう」
ちなみに、農薬を使わずに育てた野菜を許可なく“有機野菜”として販売することは法律で禁じられているので注意が必要。
有機野菜として販売したい場合は、認証機関の許可を受けるか、JASが認可している方法で生産しなければならない。
農業に興味がある人はここをチェック!
●週末農業体験
全国農業体験農園協会/サポート付き貸し農園 シェア畑
●週末農業アルバイト
デイワーク/バイトル/農業ジョブ
●農業を学ぶ
農業大学校/AFJ日本農業経営大学校
●就農の相談・情報収集
全国新規就農相談センター/新・農業人フェア/マイナビ農業
小遣い稼ぎなら1日バイト募集も
農業への関心の高まりから、日雇いの農作業アルバイトが探せるサイトやアプリが登場している。農林水産業みらい基金を活用して開発してきた「1日バイトアプリ デイワーク」では、1日単位での案件を紹介。
フルタイムは厳しい主婦や、体力的に毎日は厳しいという高齢者、会社員が副業として利用するケースが増えているそう。
「求人情報に“初心者大歓迎”などの文言があれば、誰でも応募は可能です。
イチゴ農家でのアルバイトを例にあげると、パック詰め作業は力加減を間違えるとイチゴがつぶれるので経験者にしか任せられませんが、出荷に使う箱を折る作業なら初心者の方にもお願いできる。このように作物ごとに複数の工程があったりします」
今の時季なら、さつまいもの選別や出荷、柿ののれん吊るし作業など、旬の野菜や果物を扱う案件も多い。空いた日に、季節を感じながら自然の中で身体を動かすのは健康にもよさそう。
ちなみに、「1日バイトアプリ デイワーク」の利用者は、単に副収入を得たいだけではない人も多いという。
「日本の農業は人手不足が深刻な課題のひとつ。社会貢献をしたいという気持ちから利用される人もいます。さらに、アンケートでアルバイトの動機を聞いたところ、『野菜の作り方を知りたかった』『農業の現場を見たかった』といった声が多く聞かれました。
つまり、本格的に農業を仕事にすることも視野に入れ、アルバイトという形で農業体験をする人も増えています」
アルバイトは農業のリアルを知れる貴重な機会。
「テレビなどのメディアでは成功事例や見栄えのいいシーンのみ紹介されますから、それだけではない現実を見ておくことは非常に重要です。栽培方法や考え方は農家によって違うので、その点でも勉強になるはず」
アルバイトなどでの農業体験を経て、本格的な副業や定年後の生活の柱として考える人も急増しているそう。その場合、次のステップはさらに“学ぶ”こと。
「全国41道府県には就農したい人が技術や経営を2年程度で学べる農業大学校が設置されています。社会人に向けた就農支援研修も多くあります。週末に受けられる研修や、初心者向けのものも開設されています」
農業大学校に年齢制限はない。さらに、民間にも中高年が農業を週末に学ベる学校がどんどん開校。
「農作業そのものに関する知識だけでなく、その地域ならではの事情や助成制度についても知っておくといい。行政や専門機関の相談員も非常に頼りになりますから、ぜひつながっておきましょう。
農業では周囲の人とコミュニティーを築くことがとにかく大事。例えば、害虫の発生やケガなど何らかのトラブルがあったとき、相談できる先があると心強いですよ」
収穫の秋には各地でさまざまな農体験が予定されている。人生後半、新しいチャレンジや出会いのきっかけとして足を運んではどうだろう。
(取材・文/中西美紀)
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