《不倫ソングランキング》トップ10に驚異の3曲ランクインを果たした“アジアの歌姫”
週刊女性PRIME / 2024年11月29日 11時0分
最近も、国民民主党の玉木雄一郎代表と元グラドルとの不倫や、交際相手が既婚者であると知らずに不倫関係に陥っていた“騙(だま)され不倫”の鈴木紗理奈など、不倫のニュースが後を絶たない。
ただ、かつて石田純一が「不倫は文化」と言ったように、昔から音楽や文学など芸術の発展の陰に不倫が影響を及ぼしてきた側面はあるし、世に不倫を歌った曲もたくさんある。禁断の恋や叶わぬ恋をしたときに、歌に慰められたという人も多いだろう。
そこで今回は、昭和から平成を彩った“不倫を思わせる名曲”の中で、いちばん好きな曲をアンケートで調査。全国の40~60代の男女200人の気になる回答はいかに──。
恋愛ソングの女王の2曲がランクイン
同数で9位にランクインしたのは、そろって竹内まりや(69)の楽曲。竹内といえば、デビュー以来45年以上にわたって数々のヒットソングを生み出してきた恋愛ソングの大家。今年の10月には10年ぶりのオリジナルアルバムを発売し、来年は11年ぶりにアリーナツアーを開催するなど、いまも精力的に活躍している。
まず1曲目は『カムフラージュ』('98年)。男女共に別の恋人がいて、友達として付き合ってきたけれど、心はもう嘘をつけない、自分に正直に生きるという決意を歌ったナンバーだ。
「同じような経験をしたので、当時は何度も聴いて感傷に浸っていた(笑)」(山梨県・49歳・女性)、「しっとりしているから」(茨城県・52歳・女性)と歌詞に思いを寄せた人やサウンドに惹かれたという声が。
楽曲は、木村拓哉と中山美穂の共演で高視聴率となったドラマ『眠れる森』の主題歌になったこともあり大ヒットを記録している。
もう1曲は『元気を出して』('88年)。もともとは薬師丸ひろ子に提供し、のちに竹内がセルフカバーして大ヒットしたこの曲は、タイトルどおり失恋して傷ついている女友達を励ますことをテーマにした曲。
不倫ソングというと叶わぬ恋の切なくツラい気持ちを歌ったものが多いが、「彼だけが男じゃないことに気づいて、という歌詞に励まされた」(東京都・50歳・女性)、「曲の雰囲気がいい」(茨城県・58歳・男性)と、前向きな気持ちになれる歌詞やメロディーラインが人気の理由としてあがった。
平成に大流行したあのナンバーも
6位は同数で3曲がランクイン。まずは島津ゆたか(77)の『ホテル』('85年)。昭和歌謡の大ヒットメーカー・なかにし礼さんの作詞で、《ホテルで逢ってホテルで別れる》《私の家の電話番号が男名前で書いてある》《一度でいいから あなたの肌に 爪をたてたい》などインパクトのあるパワーワードが並ぶ。
「子どものころに親が聴いていて、大人になって意味を知ってビックリ。そのぶん印象に残っている」(静岡県・47歳・女性)、「コテコテの不倫の内容がすごいと思う」(千葉県・51歳・男性)とその魅力を語る。
いまや死語の“日陰の身”として耐える女性の情念をストレートに歌った歌詞はどこか懐かしさもあり、まさに昭和を代表する不倫ソングといえそう。
同じく6位はシャ乱Qの『ズルい女』('95年)で、145万枚を売り上げた同グループ最大のヒット曲。“ズルい女”が不倫相手であるかは定かではないけれど、《気持ちいいこともそう 真珠もそう あんたのため》と尽くしたものの、《この日だけは 僕のためだよって言った》のに、誕生日にも会ってもらえなかったなど、男目線で報われなかったやるせない気持ちを切々と綴(つづ)っている。
「ちょっと危ない感じがする歌詞が良い」(東京都・46歳・男性)や、「こじれた人を表現してるっぽい歌詞が好き」(広島県・47歳・女性)など、シャ乱Qならではの独特のナンバーが支持された。
さらに同数でランクインしたのはサザンオールスターズの『LOVE AFFAIR~秘密のデート』('98年)。松嶋菜々子主演のドラマ『Sweet Season』の主題歌で、愛する不倫相手と情事を重ねつつも、《棄ても失くしも僕は出来ない》と家族を捨てることもできずに揺れる男性を、桑田佳祐が書き下ろした楽曲。
軽快なサウンドにマリンルージュや大黒埠頭などのこじゃれた単語が盛り込まれ、切なくもポップな曲に仕上がっているため、「不倫でも明るい雰囲気のメロディーで好き」(千葉県・56歳・女性)や「横浜のムードがあふれていて、不倫を思わせながら純粋な愛を歌っているのでいいと思う」(神奈川県・66歳・男性)とサザンは不倫曲でも強かった。
色あせない昭和の名曲が上位を独占
さてここからは上位の発表。5位に入ったのはテレサ・テンさん(享年42)の『時の流れに身をまかせ』('86年)。台湾出身で、日本や中華圏、タイ、マレーシアなどで幅広い人気を誇り、“アジアの歌姫”として死後も根強い人気を保っている。
この曲は、『つぐない』『愛人』に続く、同じ作詞・作曲家コンビによる3作目で、一説によると3曲合わせて“不倫三部作”ともいわれている。
「頭と心に残るメロディーと切ない歌い方が好きでした」(青森県・55歳・女性)、「テレサ・テンさんの歌声が印象的」(広島県・68歳・女性)、「若いときの思い出曲だから」(大阪府・61歳・男性)など、昭和の歌姫は永遠。
4位は同じくテレサ・テンさんの『つぐない』('84年)。
「“あすは他人同士になるけれど”という歌詞に胸打たれた」(東京都・60歳・女性)、「“窓に西陽”“あなたの匂い”“壁の傷”など、選んでる言葉に愛と哀しみを感じます。こんな女性が昭和の時代にはいたのかという思いをはせますが、はや、半世紀前の話ですね」(神奈川県・64歳・男性)と、切ない歌詞に心を打たれたという感想が多い。
不倫三部作と呼ばれるものの、歌詞に《わたしよりも可愛い人 探すことよ》とあるので、ただの別れの歌では、という声も。テレサさんの切ない歌声が相まって不倫を思わせるのかも。
また、別れにあたって《少し煙草も ひかえめにして》と気遣ったり、《こんな女でも 忘れないでね》と願うなどけなげな女性の描写に、男性が理想とする昭和の女性像が色濃く反映されている。
昭和を代表する不倫曲1位を制したのは……
3位は、ヒロシ&キーボーの『3年目の浮気』('82年)。浮気をした男とそれを責める女のやりとりを軽快な歌詞とサウンドにのせ、老若男女問わずに大流行。
累計100万枚を超える大ヒットを記録し、現在でもデュエットソングの定番としてカラオケなどで歌い継がれている。ただ残念ながら、ヒロシこと黒沢博さんは今年の9月に享年75で亡くなっている。
「浮気なのに何とも軽妙で軽い感じが良い。昭和は良かったと思わせる歌」(東京都・57歳・男性)、「“大目に見てよ”とか軽い感じでかわいい」(福岡県・52歳・女性)と、不倫曲でありながらも、暗くならない明るい曲調で大きな支持を集めた。
2位はテレサ・テンさんの『愛人』('85年)。
「不倫女性の心のうちを歌う切ない歌詞とメロディーが、心に沁みるから」(山形県・60歳・男性)、「テレサ・テンさんの歌声が好きで、歌詞も儚(はかな)さも忘れられない曲」(千葉県・69歳・女性)、「許されないものだが、背徳感があってワクワク感もあって惹かれる気持ちもわかる」(石川県・64歳・男性)と、歌声、歌詞、メロディーどれも好きという声があふれた。
ただ、描かれているのは《わたしは待つ身の女でいいの》《尽くして 泣きぬれて そして愛されて》と、男にとって都合のいい女性。令和のこの時代には違和感を覚えそうだが、昭和ムードの“日陰の女”の世界観に酔いしれるにはピッタリ。
1位は小林明子(66)の『恋におちて―FALL IN LOVE―』('85)。ドラマ『金曜日の妻たちへ3』の主題歌として大ヒットした、不倫ソングの金字塔。
「『金妻』の主題歌で、不倫中の女性の心情をうまく表現している歌詞が素晴らしいと思ったから」(東京都・52歳・男性)と、一世を風靡(ふうび)したドラマと相まって強く印象に残っている人が多かった。
そして、「歌詞も曲調もピアノの響きもとても切なさを感じる」(神奈川県・51歳・女性)と、楽曲の良さをあげる人も多数。歌詞の《ダイヤル回して 手を止めた》という経験は、昭和世代なら不倫は関係なくとも1度は経験しているのでは。電話が家庭に1台だった時代の空気感まで甦(よみがえ)る懐かしの名曲だ。
いずれにしても、不倫は褒められた行為ではない。アンケートでも「歌は好きだけど不倫自体は嫌い」というコメントも一定数あり、曲を聴いて詞の世界観に浸るくらいがちょうどいいようだ。
取材・文/天野 仲 写真/週刊女性写真班
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