この中毒性...、長崎県民しか知らない? 超やみつき「ラッキーチェリー豆」

Jタウンネット / 2018年12月11日 6時0分

ラッキーチェリー豆

カステラやクルスなどお土産にピッタリのお菓子で知られる長崎県。しかし、まだまだ知られていない存在がある。


今回取り上げるのは「島原名産の寵児」とも評される豆菓子「ラッキーチェリー豆」だ。地元の人にはお馴染みでも全国的にはまだまだ知られていない存在の豆菓子を入手。どんなお菓子なのか。実際に食べてみた。

長崎県伝統の味

2018年12月8日、長崎県に住む筆者の友人からある小包が届いた。中を開けるとコミックマーケットのサークル参加の知らせと共に見慣れない豆菓子が同封されていた。

「ラッキーチェリー豆」

何ともハッピーな名前だが生まれも育ちも埼玉県の私には初めて見るものだった。ツイッターのダイレクトメッセージでこのお菓子について聞くと、

「全国的には無名かも? 歴史は長い代物です。割れ物、生モノではないのでお土産にも便利!」

とのことだ。しかし、長崎県のお土産で貰ったことも聞いたこともない。

休日明け、編集部に持ち込み博識の我らがS編集長に聞いても「知らなかった」との返事。パッケージに九州銘菓と打たれているので九州生まれの方に聞けばわかると思い聞いた。しかし、福岡県出身のK記者も、鹿児島生まれ福岡育ちのM記者も「知らない」という。

編集部で有力な情報が得られない中、ツイッターでラッキーチェリー豆について、検索をかけると、

「懐かしのラッキーチェリー豆。胃のリミッターが外れ食す笑笑 帰ったばっかりだが。長崎が恋しくなってきた」
「長崎空港で買ったラッキーチェリー豆の謎の中毒性に絡め取られている」

など食べた人を魅了する魔力があるようだ。また、「長崎県内のお土産店には大抵おいてます」との投稿もあった。

ますます気になる存在だ。せっかく実物をいただいたので食べてみることにする。

ラッキーチェリー豆の中身
ラッキーチェリー豆の中身

中を開けると白い粉をまとった少し大きめの豆が出てきた。袋からは豆の香ばしさ漂い、どこか懐かしさを感じる。

後ろの説明文を読むと植物油で揚げたそら豆に水あめ、生姜、砂糖などを煮た衣をつけている。早速食べてみると、あっさりとしつつもパンチの効いた甘さにもっていかれる。しなやかなスイングから強烈な弾丸ライナーを放つ元西武ライオンズの宮地克彦さんのバッティングのようだ。

鮮烈な甘さの打球に酔いしれていると三塁ベースを駆け抜けるように生姜のさわやかで柔和な辛味と芳香が口に広がって一気にホームへ生還してきた。

私以外のJタウンネット編集部の記者にも食べてもらった。全員初めて食べる味だが、第一声は口をそろえて

「甘い」

と漏らした。しかし、甘さの後の風味については意見が分かれS編集長は、

「とても美味しいね」

若手記者を引っ張る選手会長のN記者は、

「ちょっと酸味を感じる。この酸味がチェリーっぽい」

京都大学出身のO記者は、

「レーズンの酸味に近い」

と答え、それぞれ早速ラッキーチェリー豆の虜になったようだ。

美味しくて、長崎県の土産店には大抵置いている――。何故、あまり知られていないのか。

2018年12月10日、ラッキーチェリー豆を製造する藤田チェリー豆総本店の藤田浩己代表取締役社長に対して、取材を行った。

基本的な情報も含めて謎が多いお菓子。その成り立ちから聞いた。

その歴史は古く1914年創業。ラッキーチェリー豆はその当時から販売されている歴史ある商品だ。元々は佐賀県鹿島市で操業しており、桜の名所で知られる鹿島市に因んで、

「鹿島中学の英語の先生が『チェリー』がいいんじゃないかと名付けられました」

と粋なエピソードを教えてくれた。また、ラッキーの部分については、

「食べた人に幸福が訪れるように」

との何とも優しい心遣いから来ているものだ。

1919年に現在も本社を置く長崎県島原市に場所を移した。ツイッター上の指摘通り、長崎県内の土産屋のほとんどに置いてある。長い歴史で県民にとっては欠かせない存在になっているようだ。しかし、編集部で聞いた通り県外の知名度は今ひとつ。関東で入手する方法を聞くと「百貨店でお世話になっています」とのことだった。

最後に筆者が気になったパッケージ裏の「豆のひとりごと」についても聞いた。

裏面にある「豆のひとりごと」
裏面にある「豆のひとりごと」

ちょっと古風な言い回しの「そら豆」の自己紹介だ。製造工程に留まらず、自らを「生まれつきがすでに良い」と言ってしまう饒舌さに思わず笑みがこぼれてしまう。一体いつからあるのかを聞くと、藤田社長の先代の2代目が始めたといい、

「昭和初期からです」

のこと。ラッキーチェリー豆の名前だけでなく説明すら可愛い。購入した人を虜にさせてしまう「あざとさ」もこの商品にとっては重要な要素なのだろう。

ツイッター上で「おいしい」との評価が存在していると伝えると、電話の向こうでお辞儀をしているように聞こえる「ありがとうございます」を何度も記者に伝えた。

その優しさがたっぷり染みこんだラッキーチェリー豆。長崎に訪れた際はぜひとも手に取りたい銘菓だ。

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