「娘が事故、暴力団、示談金」うそ電話詐欺の被害防ぐ 厚木の2金融機関

横田署長（右）から感謝状を受け取った（左から）スルガ銀行厚木鳶尾支店とJAあつぎ駅前支店の担当者（厚木署提供）

　神奈川県警厚木署は今月、特殊詐欺を未然に防いだとして、JAあつぎ駅前支店とスルガ銀行厚木鳶尾支店に感謝状を贈った。両支店はいずれも、暴力団を名乗る男が示談金名目で現金を要求する手口の「おれおれ詐欺」を見破った。

　JAあつぎ駅前支店によると、厚木市内に住む70代女性が焦った様子で来店したのは7月31日。高額出金だったので職員が事情を確認したところ、女性は「娘が事故に遭った。暴力団を名乗る人物から示談金を要求されている」などと話した。

　職員は「娘さんに連絡を取りましたか」などと女性に確認しつつ、暴力団や示談金という内容から詐欺を疑い、署に通報した。

　署によると、同署管内では7月以降、娘や暴力団員を名乗る男らによる示談金名目のうその電話が相次いでいる。金融機関で阻止したケースが6件に上る一方、1件の被害が確認されているという。

　同支店の今井俊宏支店長は「顧客の大切な預金を守るのはわれわれの使命。署とは常に連携し、高額出金があれば連絡する仕組みになっている。今後も一丸となって抑止に努めたい」と話した。