優秀経営者賞 西浦三郎 ヒューリック会長

経済界 / 2017年12月26日 14時43分

優秀経営者賞 西浦三郎 ヒューリック会長

 都内を中心に不動産の保有賃貸を手掛けるヒューリックの売上高は2157億円(2016年12月期)。不動産業界12位のポジションだ。にもかかわらず時価総額は8200億円で、大手3社に次ぐ4位に位置している。

 その理由は圧倒的な収益力にある。売上高経常利益率は25%以上で業界平均の2倍近い。西浦三郎会長は「当社のビルは千代田、中央、港、新宿、渋谷の5区に集中しています。しかも新宿や渋谷駅から3分以内、それ以外は1分以内が物件購入の目安です。そうでない物件には手を出さない。しかも新しい。所有ビルの42%が建築から10年以内です。だから空室率は1%以下と極めて低い。これが高収益につながっています」と説明する。

 駅近物件は、どんな不動産会社も喉から手が出るほど欲しがっている。競争も激しいはず。にもかかわらず、ヒューリックは物件数を急激に伸ばしている。

 その理由は意思決定の速さにある。「購入までの時間は2日以内。だから売却物件の情報は真っ先に当社に入ってくるようになった」と西浦会長は説明する。

 ヒューリックはもともと富士銀行(現みずほ銀行)の支店を所有・管理していた。みずほ銀行副頭取だった西浦氏が社長に就任したのは06年。当初は、低層の支店ビルの容積率を利用して建て替えを行い、テナントを集め、それが一巡してからは、新規物件の取得に舵を切る。

 最近では大阪・心斎橋の一等地を入手、さらにはREITやCRE(企業の保有不動産の活用)、そしてホテルや老人ホームの開発等、地域も事業領域も広がっている。「10年後のヒューリックをイメージし、そのために手を打っていっています」。

 ヒューリックは社員に厚い会社としても知られている。平均給与は1400万円と全上場企業6位につける。本社ビル5階には保育所があり、社員は子どもの心配をすることなく働くことができるため、出産による退社は1人もいない。

 「われわれは大手ではない。だから人のやらないことをやっていく」と西浦会長。変革とスピードがモットーだ。

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