「カブトムシvsクワガタ」最強の虫は? 動物行動学者の見解

太田出版ケトルニュース / 2018年8月5日 8時33分

『カラス先生のはじめてのいきもの観察』松原始(太田出版)

小学生男子の真夏の一大イベントといえば虫取り。カブトムシやクワガタを探して雑木林や裏山を駆け回り、手にした獲物を戦わせた思い出は生涯忘れられない楽しい思い出だが、彼らの永遠の悩みは「カブトムシとクワガタはどちらが強いのか?」というものだ。幼少期、やはり同じ疑問を持ったという動物行動学者の松原始氏は、動物観察についてつづった『カラス先生のはじめてのいきもの観察』(太田出版)で、こう解説している。

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男の子が小さい時に夢中になるムシといえば、そりゃもうカブトムシとクワガタである。もちろん私も例外ではない。

実家は山が近かったので、当然、カブトムシもクワガタもいた。取りに行かなくても、勝手に窓辺に飛んで来たりしたものだ。ただし、来るのはカブトムシとコクワガタくらいで、あまり大物は来なかった。カブトは十分大物ではあるが、「すごいけどイマイチ」だった。コクワは「クワガタなのはいいけど小さくて普通」だった。私はクワガタ派だったからである。

カブトムシが好きかクワガタが好きかは、人によって意見が割れる。この溝はなんとも根源的で埋め難いものである。私はカブトムシの「でかい、丸い、どう見ても強い」より、クワガタの低く構えた姿勢や、開閉する大顎という武器を備えたカッコよさが大好きだった。ノコギリクワガタやミヤマクワガタの複眼の上にある隆起も、キリッとした表情を作っていてカッコよかった。カブトムシはあんな顔はしていない。

子供の頃、カブトムシとクワガタが喧嘩したらどっちが強いか、は仲間うちの永遠のテーマであった。まあ、実際にやると体重の大きなカブトムシがだいたい勝ってしまうのだが、うまいこと相手を掬す くい上げることができれば、クワガタがカブトムシを投げ飛ばすこともある。小学校に「自慢のムシ」を持ち寄って勝負させることもあった。

この辺に魅せられて研究した上に本まで書いてしまった大学院の後輩もいる。彼はとにかく、「ツノが生えている奴はカッコええ」という情熱で研究者になってしまったという、極めてピュアな人だ(見た目はちょっといかついが)。彼によるとカブトムシは上下の角で相手を挟んで捻ひねり倒すか投げ飛ばすのが決め技だという。クワガタの場合、素早くバックして有利なポジションを取れるかどうかも重要だとか。

子供の頃、私にとって身近なクワガタはコクワガタとノコギリクワガタだった。コクワガタはかわいくて好きだが、自慢するには小さくて、あまり強そうでなかった。ノコギリクワガタは強いことは強いが、なんだか「いかにも」な感じがちょっと……だった。金色の毛に覆われ、ノコギリクワガタよりも上品かつ強そうなミヤマクワガタは私の憧れだったが、残念なことに、家のあたりにはいなかった。悔しい事に、隣県に住んでいる同級生はミヤマクワガタばかり取って来て自慢していた。その辺りではごく普通にいるという話だった。

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