「いいね!」で勘違い 安倍総理がSNSで陥っているワナとは何か?

太田出版ケトルニュース / 2018年8月25日 9時54分

『フェイクの時代に隠されていること』より イラスト:小田嶋隆

情報伝達・共有の手段として必須のアイテムになった感のあるSNS。当初は、“一般の人”が交友を広めるツールとして使われてきたが、今や国のトップが自分の思いを伝える場へと変わり、安倍晋三総理もTwitterやFacebookで情報を発信している。

総理が発信する情報に「いいね!」を押せる環境ができたことで、「国民と総理との距離が縮まった」という意見には一定の説得力があるが、SNSには“誰もが陥るワナ”があると指摘するのは、立憲民主党幹事長・福山哲郎と精神科医の斎藤環だ。7月13日に『フェイクの時代に隠されていること』を上梓した福山と斎藤は、同書の中でこのように語っている。

 * * *
斎藤:安倍総理だってTwitterやFacebookのアカウントを持っているわけですけれども、取り巻きに囲まれて、「皆が僕を承認してくれている」っていう気分になりやすい。一方通行で、批判は届かない仕組みになっている。諫言してくる相手はブロックしちゃえるので。あれは本当に対話にならないですよね。

「いいね!」にしてもリツイートにしても、本当は承認じゃなくて「そんなバカなこと言いやがって」っていうリツイートもあると思うんですけど、される側からしたら全部承認なんですよね。千もリツイートされたら、千人もの人に自分は支持されていると。本当は違うんだけれど、そう思い込みやすいという承認ツールなんですよね。

特にFacebookは、けっこう政治家を頑なにするんじゃないですかね。「僕の言っていることは正しい」みたいな感じに。何か発言すると追従者がいっぱい「いいね!」ボタンを押してくれたり、おべっか的な意見を書き込んだりするわけじゃないですか。

福山:Twitterは匿名の悪意のあるフォロワーによって荒れる傾向が強いですが、Facebookはファンの人が多い。数はTwitterほどではありませんが、Facebookのコミュニティで発信する方がはるかに気持ちが良くて楽なんです。

斎藤:そりゃそうですよ(笑)。

福山:Facebook上って、ほとんど応援していただいている方たちのコミュニティだから、そこで発言して「そうだ!」って来たら、他の多様な意見とか反対意見が来たとしても、そこで「そうか、それもあるね」って言った瞬間に、元々応援しているコミュニティから「お前、なんだよ。オレらを裏切るのか」って言われる。それで多様性を許容する意見とかは言えなくなるわけですよ。

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