『BL進化論』電子書籍化記念トーク なぜ、わたしたちはBLを愛するのか

太田出版ケトルニュース / 2018年12月25日 14時11分

イラスト:中村明日美子

男性同士の恋愛を軸にした一大エンタテインメント・ジャンルである「BL」(ボーイズラブ)の歴史と本質に迫る『BL進化論 ボーイズラブが社会を動かす』(溝口彰子/太田出版)の電子書籍化が実現。これを記念して、溝口氏が“BL研究の師匠のひとり”と仰ぐ柿沼瑛子氏と対談した。

柿沼氏は、1970年代末から1990年代初め頃まで、広義のBL史を牽引した『JUNE(ジュネ)』誌上で英米ゲイ文学や映画を数多く紹介してきた翻訳家。BLはいつ生まれ、どのように進化してきたのか? 『BL進化論 ボーイズラブが社会を動かす』電子書籍版に特典コンテンツとして収録されているインタビューから、その一部を紹介する。

◆ふたりの馴れ初めは……

溝口(以下、「溝」):柿沼さんとは、私がロチェスター大学大学院に留学してBL研究を始める前に、東京のレズビアン&ゲイ・コミュニティで知り合っていました。柿沼さんご自身は異性愛者ですが、英米ゲイ文学の翻訳家として。25年前くらいですね。そのおかげで、私、BL研究活動と愛好家活動を始めたのが大学院1年目1998年の秋でしたが、年末の一時帰国時から、つまり、研究のほぼ初めからご指導を受けることができてラッキーでした。「あら、あなたがそっち(BL研究)に……」っておっしゃったのをよく覚えています。

柿沼(以下、「柿」):そんなこと言ったかしら(笑)。

溝:はい(笑)。そして人を紹介してくださったりいろいろ教えてくださったり。とくに、今回電子化される『BL進化論 ボーイズラブが社会を動かす』の第5章の、「性的嗜好/指向の詳細を相互開示する仲間──ゲイ男性との類似点」のセクションは、柿沼さんが、BL愛好家(当時の言葉では「やおい」とか「JUNE」と言っていたと思いますが)は「自分の好きなタイプのキャラクターをはっきり持っている人が多くて、その意味ではゲイ男性に近い」と教えてくださったことから論じることができました。

そこから次の「レズビアンとゲイの友情よりも、BL愛好家同士の関係性は根本的に性的である」ということと、BL愛好家は「ヴァーチャル・レズビアン」といえる、という一連の『BL進化論』のかなめの議論の起点となるヒントを柿沼さんにもらったわけです。

そんな風に『BL進化論』では柿沼さんのお名前は何箇所も出てくるのですが、そういえば歴史の証言というか、『JUNE』の初期から1980-90年代にかけての、一番盛り上がっていた時代のことを詳しくうかがったことがないことに気づきまして。今日はそのあたりのことをたっぷりうかがおうと楽しみにしてきました。

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