怪人・丸屋九兵衛が黒人歴史月間に偉人たちを称え、“架空動物学”に熱くなる

太田出版ケトルニュース / 2020年3月4日 9時10分

「架空動物学」とはいったい何なのか

2月24日、東京・銀座のBasement GINZAにて、博覧強記の怪人・丸屋九兵衛の恒例のトークイベントが開催された。もとはHipHop、R&Bを中心とした音楽情報サイト『bmr』編集長を主宰する編集者だった丸屋が、音楽だけにとどまらずこれまでにインプットした歴史、語学、ファンタジー、ミリタリー、SF、BLなどの幅広い知識を、自らの脳内で関連付けて語りつくすこのイベント。第一部『Soul Food Assassins』ではアフリカ系アメリカ人をとりまく文化や諸問題について考え、第二部『QB Continued』では、見るものを圧倒する膨大な量の資料を提示しつつオタク周辺カルチャーについて語った。

◆偉大なブラック・ピープルたちを称え、彼らが残したものを振り返る

今回、第一部『Soul Food Assassins』のテーマは、「黒人歴史月間だから、アフリカ系偉人たちの話を」と題して、政治・教育・文化に貢献した偉大なアフリカン・アメリカン/ブラック・ピープルに注目。日本では語られることが少ない隠れた偉人たちを取り上げた。日本ではあまり知られていないが、アメリカでは2月はアフリカ系アメリカ人歴史月間(イギリスでは10月)となっており、アフリカ系の偉人や歴史について回想する特別な月になっている。

丸屋が語りのきっかけとして取り上げたのは、1996年メリーランド大学カレッジパーク校の学生新聞ザ・ダイヤモンドバック紙から始まり、後にアニメ化もされたコミック『The Boondocks』。10歳の黒人少年である主人公ヒューイ・フリーマンの眼を通して、黒人文化やアメリカ合衆国の政治を痛烈に皮肉る風刺漫画であり、海外に住む我々が彼らの文化を知る上では「とても良い教材になる」と丸屋は語る。そしてこの主人公のヒューイの名前がブラックパンサー党を結成したヒューイ・P・ニュートンから来ていることを手始めに、偉大なブラック・ピープルたちを紹介していく。

1960年代後半から1970年代にかけてアメリカで黒人民族主義運動・黒人解放闘争を展開していた急進的な政治組織であるブラックパンサー党だが、現状において日本で“ブラックパンサー”というキーワードで検索しても出てくる結果が2018年に公開された映画『ブラックパンサー』になってしまうと丸屋。もちろん『ブラックパンサー』は世界中のブラック・ピープルたちが集結して作り上げた画期的作品ではあるが、そのタイトルの元であるブラックパンサー党がこれほど見向きもされない日本について「手落ちぶりがすごい」と嘆いた。

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