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就職氷河期世代に「人生再設計第一世代」なる新たなレッテルを貼った4人の識者の名前が判明

TABLO / 2019年4月20日 11時30分

きっと普通に生きていたらこうなっただけのはず(写真はイメージです)

 

4月10日に行われた第5回経済財政諮問会議において、就職氷河期世代が「人生再設計第一世代」に名称変更されることが決定した、というニュースがいろんなメディアで流れています。

「人生再設計第一世代」という刺激的なフレーズに、まさにドンピシャ世代の筆者は、一瞬頭に血がノボってしまいました。とはいえ、何かに文句を言う前には、ソースに当たるのが鉄則。このニュースの発端は、内閣府が公開したウェブページです。

第5回会議資料:会議結果 平成31年
議事次第
平成31年第5回経済財政諮問会議
開催日時:平成31年4月10日(水曜日)17時15分~18時00分
開催場所:官邸4階大会議室

議事
(1) 経済・財政一体改革(社会保障1)
(2) ジョブ型雇用時代の人的資本投資に向けて
(3) 英国のEU離脱の動向について

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2019/0410/agenda.html

この中にある、以下のページがソースでしょう。

資料2−1 就職氷河期世代の人生再設計に向けて
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2019/0410/shiryo_02-1.pdf

(以下引用)

 

新卒時にバブル崩壊や不良債権問題が生じていた、いわゆる就職氷河期世代は、学卒未就職が多く出現した世代(人口規模で約1700万人)である。本来であれば、この世代も、景気回復後には、適切な就職機会が得られてしかるべきである。しかし、当時の労働市場環境の下ではそれは難しく、その後も、無業状況や短時間労働など不安定就労状態を続けている人々が多く存在し、現在、30代半ばから40代半ばに至っている。

こうした世代の人々が必要なスキルを得てキャリアアップし、より安定的に就労でき、正規化する仕組みを構築することは、いくつになっても充実した働き方ができる社会をつくる上で重要な第一歩となる。人生100年時代においては、このように、いつでも、いくつになっても人生を再設計できる仕組みが欠かせない。それは、結果として、人材不足に直面する企業にとってもプラスとなる。そこで、そのような仕組みづくりの具体的アクションとして、同世代を「人生再設計第一世代」と位置付け、今後3年程度で集中的に再チャレンジを支援する仕組みをつくる。その実行プログラムを今夏には打ち出すべきである。そして、他の年齢層、未来世代も含めた他の世代にも役立つ仕組みとなるよう、取組を展開していくべきである。

具体的には、対象者の個別の事情を踏まえつつ、就職氷河期世代の特性や採用側のニーズに即した就職支援や能力開発、採用企業への情報提供などを推進するため、これまで実施してきた施策の効果を検証しつつ、以下の対応をプログラムに盛り込むべきである。

よく読めば、まっとうなことを言っています。“「人生再設計第一世代」と位置付け”るだけで、名称を変更すると明言しているわけではなさそう。「名称が変更される」と騒ぐのは、ミスリードでしょう。

ちなみに、このレポートを書いているのは、科学者や経済学者、社会学者などの研究者や大学などの研究機関、民間企業の経営陣の役員などから選出された有識者議員の皆さん。具体的には以下の4名です。

竹森 俊平 慶應義塾大学経済学部教授
中西 宏明 株式会社日立製作所 取締役会長 兼 執行役
新浪 剛史 サントリーホールディングス株式会社 代表取締役社長
柳川 範之 東京大学大学院経済学研究科教授

ワオ! きっと偉い人たち……。

それにしても、引っかかってしまうのは「人生再設計第一世代」という言葉のセンス。どうしても、“俺たち成功者がさあ、可哀想な奴らを助けてやるからよ”というニュアンスを感じ取ってしまいます。

バブルの恩恵も受けられず、上の世代にはバブル時代のエピソードを自慢され、“就職氷河期世代”と呼ばれ、ゆとり世代からは飲みニケーションをバカにされ、インスタだ、TikTokだ、タピオカだ、とスマホ世代の流行についていくのもやっと……。

それに加えて、40歳を過ぎて今度は「人生再設計第一世代」と呼ばれるなんて、あんまりです!

私たち世代は、人から憐れみを受けるような、そんなにも哀しい人生を送ってきたのでしょうか?

今後発足するであろう、政府の様々なプログラムに参加することを仮定したとき、いろんな段階で「人生を再設計するために」みたいなフレーズが飛び交うことが、容易に想像できます。そのたびに、私の胸はチクチクと痛み、苦しむでしょう。

せめて、「アラフォー女子」や「美魔女」のように、無理矢理でもポジティブに変換された言葉で呼ばれたいです。

それにしても、「母さん助けて詐欺」や「高輪ゲートウェイ駅」など、どうしてお役所のワードセンスはこんなにも野暮ったいのでしょうか?

私個人としては、ぜひともセンスの神様、糸井重里さんに有識者議員になってもらい、かっこいいネーミングをしてもらいたいと願っています。(文◎森裕美子)

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