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渋谷のドラッグ・犯罪・性を描いた問題作『HO~欲望の爪痕』のアブない制作秘話

TABLO / 2014年1月31日 11時0分

写真

 昨年末に、とある映画に関するインタビュー記事を掲載させて頂いた。

 主演は大人気AV女優の横山美雪、原案は「メーンのひと」こと練マザファッカーのD.O、そして制作陣もキャストもクセの強い強烈なメンバーが揃っており、公開前から凶悪なカルトムービー臭がガンガン伝わって来ていた。なんせD.Oが「ボクらストリートで生きてきた人間にとってのリアルが詰まってます」などと言っているのだから、そんじょそこらの「ヤンキー風の映画を作ってみました(笑)」程度の内容で済むわけがない。

 この一癖も二癖もありそうな難物を、草下・荒井ら東京ブレイキングニュース執筆陣で見に行ったのだが、それはそれは予想通りの厄介な代物で、色々な意味でツッコミどころが満載。いったい何を描いてしまったのか、そして何を曖昧にしてすっとぼけたのか、今回は制作チームのD.O・PITGOb・YOCCHIらへ感想をぶっちゃけた。

※最後に久田編集長からの発表があります。

(ツッコミ:草下シンヤ・松本和彦・荒井禎雄) 

ーー粉はリアルだったんだけど、ポンプのシーンを見て安心したんだよ。 あんまり早いのはやってないんだなって。 それならばD.O達は人間的に信用できるなって。(草下)

「あ~ポンプのシーンは悩んだんですよ。 実は何パターンか撮らせて頂いたんですが、あまりにリアル過ぎたテイクはNGにしました。 そっちを入れてたら通らないっすね」(D.O)

ーーああ、そうなんだ! てっきり粉の扱いは慣れてるけどケミカル過ぎるヤツは詳しくないのかと思った!(草下)

「じゃあそれで! そう思って頂いた方が好都合ですので!」(D.O)

ーーポンプ使うならバキバキに血管を浮き出させないといけないのによ、あんな指でペシペシ叩いただけで腕に打つかい? それだったら手首に入れちゃうとか、色々と他の場所に打てばいいじゃんよ。せめてもっとギッチリ縛るとかさ。(松本)

ーーこの2人は映画を見終わった直後からこんな細かい点ばっかりツッコミ入れてるんですよ。真性のクズなのでお気になさらないでください。(荒井)

「いえいえ、先輩方には勉強させて頂いてますから! ティーチャーですよティーチャー!」(PITGOb)

ーー思ったんだけどさ、もし同じ制作チームで次があるなら、その時はオレが脚本とか小道具の考証とかで協力するよ。(草下)

「マジっすか! ぜひぜひお願いします!」(D.O)

ーーいや、ちょっと冷静になって。仮に次回作に草下シンヤが加わって、よりリアルで生々しい内容になったとするじゃん? そうすると絶対にどこにも流せなくなるよ? 今回くらいギリギリのファンタジーで誤魔化さないと、危なすぎて出口が作れなくなるだろ?(荒井)

ーーでもさー、やっぱロック潰すところとか、パケも0.6くらいの細かいのを一杯作るとか、そういう場面が欲しいよ。(草下)

ーー彼はアルコールのせいでフラッシュバック起こしてるので無視してください。映画なんて会場で流せてナンボなんですから!(荒井)

「箱を貸して貰えなくなったらストリートで流しますから!」(PITGOb)

ーーそれ面白いじゃん! 高架下の白い壁とかに投射してさ!(松本)

「面白い。ちょっと考えます」(D.O)

ーーじゃあ映像屋としてマジメに意見を言うけど、今回は金か時間のどちらかをもう少しあげたかったな。内容が盛りだくさん過ぎててさ、あれなら場面を2~3箇所削るか、時間か金のどっちかをもうちょっと使えるようにするかすべきだったと思う。あのスケジュールでこの内容だとさ、撮影場所の移動だけで大変だったろ?(松本)

「仰る通りで、本当にスケジュールが酷かったですね。例えば穴を掘る場面があるんですが、それなんか通常の制作スタッフだけでは間に合わず、プロレスラーの鈴川真一に穴掘りのためだけに来て貰ったくらいなんです。作品中には店のバウンサーとして一瞬出てくるだけなのに」(D.O)

ーーもしくは、あんなにキレイに時系列を追って整合性を付けようとせず、もっとしっちゃかめっちゃかでも良かったかもね。その方がよりドラッギーで面白かったかもしれないよ。(松本)

ーー前後編に分けて上映してもいいくらい色々な要素が詰め込まれてますよね。前半はウリをやってるような女の生々しいドキュメンタリーって感じなのに、何故か途中で少林サッカーが始まって、どんどんアングラファンタジーな怒涛の展開になっていく。インパクトの強い絵が撮れ過ぎちゃって、カットするにも困ったんじゃないかな。(荒井)

「監督が元々アクション俳優なので、アクションシーンはかなり力が入ってますね。女の子達のシーンについては、横山さんと桃宮さんが体当たりで頑張ってくれました」(D.O)

ーーそう、最初は桃宮ももちゃんのぎこちない台詞回しを聞いて、これは地雷だなと感じたの。ところが、作品を見続けてたらそれがえらいリアルに思えて来ちゃってさ。確かにああいう世界に入って来ちゃう子って、あんな感じで危ういんだよな。そういう意味でキャストは皆どハマリしてたよ。(松本)

「ももちゃんは撮影の序盤と後半でかなり変わりましたよ。撮影中に最も成長したのはあの子かもしれません。」(D.O) 

ーーそれと荒井が言ってたのがさ、アキバのシーンが重要なんだってな。オレはよく解らんからカットでいいだろと思ったんだけど、荒井に言わすとアレが生々しくて大事なんだと。(松本)

ーー渋谷なんかをフラついてウリやってるような子と、アキバでオタク相手のデート商法みたいなのやってる子って、遠いようで実は被ってるんですよ。だからあのシーンは知ってるヤツはニヤっと出来る重要な場面だと思います。欲を言えば、アキバのウェイトレスや地下アイドルみたいなポジションから、大人数アイドルグループに引き抜かれる子とかが居てもよかったくらい。ただそこまで描くときっと怖いオトナに叱られるでしょうけど。(荒井)

「アキバといえば、あのシーンには超レアなキャストさんが参加してるんです。 伝説のブルマのU718さんと言うんですけど」(D.O)

ーーなんか色々といわくつきのブルマなんだろ? (松本)

ーーいわくつきというか、アレのせいでブルマが問題になって廃止されたって話もあるくらいの奇跡の六角形ですよ。 今アレを買おうとすると、ヤフオクで数万くらいの値が付いてる可能性がある。(荒井)

「さすがお詳しい! そうなんです、あれはもう手に入らなくて、あの手この手で探し出しまして、シワひとつない状態で返却するという約束で出演をOKして頂いたんです。最も気を遣ったキャストさんですよ」(D.O)

ーーでもさ、あのブルマ絡みで大事件が起きたんだろ?(松本)

「そうなんですよ。 キレイにして返さないといけないのに紛失してしまったんです。 で、東京ブレイキングニュースさんの記事にも載ってましたが、撮影終了後に飛んだカマダ君という助監がおりまして。 彼の机の中を整理しようと空けてみたら、その無くなったU718さんが、明らかに使用済みのシワシワカピカピの状態で入ってたんです! しかもブルマをどかしてみたら、その下から横山美雪さんの超ぉ~昔に撮影されたであろう生写真の束が発見されまして......」(D.O)

ーーサイコじゃん! それを映画にしようよ!(草下)

「いやぁ~流石にあれはビックリしましたね。膨大な量のメイキング映像もあるので、それが公開できる時をお待ちください。DVD化を6月辺りで考えてるので」(YOCCHI)

ーーやっぱさ、YOCCHIが企画した映画だから先が読めないし、カルトムービーとしてぜひオススメしたいな。だってよ、YOCCHIって放浪の旅に出てタイに流れ着いて、そこで路地裏でやってるカブト虫の博打で全財産スッて日本に帰れなくなった男なんだぜ? それで帰国するための金を稼ぐのに仕方なくムエタイの試合に出たりしてよ。そんな無茶苦茶なヤツが作った映画なんだから、裏でも表でも色々あるだろうよ。(松本)

ーーところで、この映画って何かキャッチコピーがありましたよね? アングラオペラでしたっけ?(荒井)

「和製反権威主義映画(ジャパニーズ・アンダーグラウンド・オペラ)です」(D.O) 

ーーそれなんだけど、いっそ「アングラおとぎ話」とかでもいいんじゃないかな? だってほら、おとぎ話って必ずと言っていいほど啓蒙が入ってるじゃない。この映画も、身体を売るような商売をしちゃう女の子が陥る落とし穴が描かれてたり、もしあの時あんな事をしなければ......っていう反面教師にできる部分もあるでしょう? それって夜遊びなんかに興味のある若い子にとっては教材足り得る内容で、言ってみればグリム童話なんかの内容を現代風にアレンジしたらああなるって感じなんだよ。(荒井)

「そんな有り難い事を言って貰っちゃって!」(D.O)

ーーほら、アングラな世界の人間って基本的に優しいけど、コイツは落ちると解った途端に急に冷たく突き放すじゃん。自分で自分の身を守れないと誰も助けてくれなくて、1回のミスでどこまでも落ちちゃう。そういう落ちる時の早さもしっかりシナリオで描かれてるし、フラフラしがちな女の子にこそ見せたい映画だな。(荒井)

「こんな伝説を作りまくった先輩方に温かい言葉を掛けて頂けで安心しました! 今後の展開も色々と考えておりますので、ぜひご期待ください! 渋谷での上映は終わりましたが、今後は大阪や名古屋で流しますので、その際はよろしくお願いします!」(D.O)

[総評]

 丸っきりのフェイクだとバカにされるし、リアル過ぎると流せる場所がなくなるという難しさの中で、可能な限りの現実が詰め込まれている。ところどころファンタジー度を濃くして誤魔化している部分もあるが、一見ファンタジーに思えても、実は実際に起きた事件が元になったリアルなシーンもあったりと、ウソとホントがごちゃ混ぜになった構成だ。 キャストの中では、虎牙光輝氏の圧倒的な存在感と、恐ろしいまでのキャラ作りが圧巻。 今後は大都市を中心に地方上映するそうなので、アングラやストリートに興味があるなら見ておいて損はないだろう。

 ......と、話はこれで終わらない。 この原稿を送った直後に、久田編集長からこのような連絡が入った。

「いただいた原稿のD.O君面白いですね。実は彼には前にナックルズにも出て貰ってるんですよ。興味があるので、ニコ生でよければ一度対談させて欲しいなあ。いっそ2月14日のバレンタインデーなんかどう?」

 という訳で、よりによってバレンタインデーに久田vsD.Oのニコ生対談が決定。2月14日20時~を予定しております。番組URLは決まり次第久田編集長の方からアナウンスがあると思うので、興味のある方はお見逃しなく!

「HO~欲望の爪痕」

企画:YOCCHI 原案:D.O 監督:柴田愛之助 脚本:久保田浩康 音楽:JASHWON、柴田新之助 プロデューサー:D.O、吉村正人、柴田愛之助 制作・配給:株式会社ギルド 公式サイト:http://ho.glow-united.com/ 公式Twitter:@ho_movie2013

<キャスト> 横山美雪 虎牙光揮 桃宮もも

(友情出演) 杉原勇武 川連廣明 D.O PITGOb 渡洋史 レイパー佐藤 木更津与兵衛 鈴川真一 紅井ユキヒデ 小沢アリス

(特別出演) 中原翔子 島津健太郎 黒田勇樹 前田耕陽

<ストーリー> 2011年3月11日、東日本大震災が日本を襲った。その後の東京、渋谷。アンナ(横山美雪)は渋谷の街角に立ち、客を取る"売春婦"。ある日、アンナは警察に捕まりそうな所、偶然居合わせたもう一人の"売春婦"ミク(桃宮もも)に助けられる。人なつこいミクはアンナに生きて行く為に体を売らずに金を手に入れる"クールな仕事"を教える。次第に友情を深めて行く2人だったが"クールな仕事"を地回りのヤクザである神崎(前田耕陽)に知られ、神崎組の魔の手が伸びる。追われる身となった2人にマル暴の川村(虎牙光揮)が助けに来るが......。

Written by 荒井禎雄

Photo by 「明日、ママがいない」公式サイトより

NDO(日本のダメなオトナたち)http://ch.nicovideo.jp/ndo

様々なジャンルの、何かしらの専門知識を持つ様々な業界の人間(オトナ)「ダメそうなオトナたち」による、マジメなんだかいい加減なんだか解らない情報バラエティチャンネル『東京ブレイキングニュース』の執筆陣(草下シンヤ・荒井禎雄)らによる 「勝手に公開編集会議」 を放送しています。記事に対するご意見ご要望などありましたら、ぜひご参加ください。

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